UNOディスパッチコマンド'.uno:ExecuteSearch'のURL、説明、引数、結果情報、関連情報(コマンド実行から取得できる)が記述されています。
話題
About: UNO (Universal Network Objects)
About: LibreOffice
About: Apache OpenOffice
この記事の目次
開始コンテキスト
- 読者は、UNOディスパッチコマンドとは何かおよびそれらの呼び方(各コマンドのURLと引数が分かっていれば)を知っている。
ターゲットコンテキスト
- 読者は、当該UNOディスパッチコマンドの仕様を知る。
オリエンテーション
Java、C++、C#、Python、LibreOfficeまたはApache OpenOffice BasicでUNOディスパッチコマンドを実行してその実行から入手可能な全情報を取得する方法を説明する記事があります。
このシリーズでこれまでに挙げたUNOディスパッチコマンドのアプリケーション基盤用一覧、Writer用一覧、Calc用一覧があります。
本体
1: 仕様
URL: .uno:ExecuteSearch
説明: このコマンドは、カレントスプレッドシートまたは当該スプレッドシートドキュメントに対して、指定した文字列、指定した正規表現、指定したglob表現、指定したセルスタイルのいずれかで検索を行ないます。検索は、次の出現を見つけるか、全ての出現を見つけられます。大文字小文字の区別有無、類似性程度、等のいくつかの条件を指定可能です。見つかった文字列は、指定した置換文字列で置換することもできます。セルスタイル検索で見つかったセルのスタイルは、指定した置換スタイルで置換することもできます。
引数(タイプはUNOのデータタイプ):
名前 | タイプ | 値 |
---|---|---|
SearchItem.StyleFamily | short | 使用されていない模様 |
SearchItem.CellType | short | 検索対象のコンテンツ: 0 -> フォーミュラおよび非フォーミュラセル値、1 -> セル値、2 -> コメント |
SearchItem.RowDirection | boolean | 検索方向: true -> 行方向、false -> 列方向。セルスタイル検索の場合は無効。 |
SearchItem.AllTables | boolean | 全てのスプレッドシートが検索対象であるか否か: true -> 全てのスプレッドシートが検索対象、false -> カレントスプレッドシートのみが検索対象 |
SearchItem.SearchFiltered | boolean | フィルターで隠されたセル群も検索対象であるか否か: true -> 検索対象である、false -> 検索対象でない |
SearchItem.Backward | boolean | 検索が逆方向に行われるか否か: true -> 逆方向に行われる、false -> 順方向に行われる |
SearchItem.Pattern | boolean | 検索がセルスタイル検索であるか否か: true -> セルスタイル検索、false -> 文字列検索 |
SearchItem.Content | boolean | 使用されていない模様 |
SearchItem.AsianOptions | boolean | 検索で日本語の'類似発音'文字列を見つけるか否か: true -> '類似発音'文字列を見つける、false -> '類似発音'文字列を見つけない |
SearchItem.AlgorithmType | short | 使用非推奨。代わりにSearchItem.AlgorithmType2を使用 |
SearchItem.SearchFlags | long | 以下のフラグ群の合計: 16 -> コンテンツ全体が検索表現に一致するセルのみを検索、2048 -> 選択されているセル群のみを検索対象とする、4096 -> 使用されていない模様、65536 -> 類似性検索(Weighted Levenshtein Distance検索)において、類似性基準を緩和する (参考ドキュメントによると「the search is also successful if the combined pool for insertions and deletions is below a doubled calculated limit and replacements are treated differently; additionally, swapped characters are counted as one replacement」、それがどういう意味であろうと)、1048576 -> glob検索において、コンテンツ全体が検索表現に一致するセルのみを検索。もっと情報(特に'65536'について)が必要であれば、こちらを参照。 |
SearchItem.SearchString | string | 検索表現(プレーン文字列、正規表現、glob表現、セルスタイル名、のいずれか) |
SearchItem.ReplaceString | string | 置換表現(置換文字列、置換セルスタイル名、のいずれか) |
SearchItem.Locale | com.sun.star.lang.Locale | 大文字小文字無区別検索で使用されるロケール(こちらを参照) |
SearchItem.ChangedChars | long | 類似であると判定されるのに許容される最大変更文字数 |
SearchItem.DeletedChars | long | 類似であると判定されるのに許容される最大削除文字数 |
SearchItem.InsertedChars | long | 類似であると判定されるのに許容される最大挿入文字数 |
SearchItem.TransliterateFlags | long | 言語固有フラグ群の合計: 256 -> 大文字小文字を区別しない、1024 -> 半角全角を区別しない、1073741824 -> 発音区別符号の有無を区別しない、等(多すぎてここでは引用できない: 上記以外のものについては、こちらおよびこちらを参照) |
SearchItem.Command | short | 実行タイプ: 0 -> 次の出現を見つける、1 -> 全ての出現を見つける、2 -> 次の出現を置換する、3 -> 全ての出現を置換する |
SearchItem.SearchStartPointX | long | 次の出現を見つける検索の開始位置X座標(twips)('SearchItem.SearchStartPointY'共に値'0'の場合、開始位置が指定されないことを意味し、検索はカレントセルから行われることを意味する) |
SearchItem.SearchStartPointY | long | 次の出現を見つける検索の開始位置Y座標(twips)('SearchItem.SearchStartPointX'共に値'0'の場合、開始位置が指定されないことを意味し、検索はカレントセルから行われることを意味する) |
SearchItem.SearchFormatted | boolean | フォーマット後文字列(例えば、3桁区切りされた数字文字列)が検索対象になるか否か: true -> フォーマット後文字列が検索対象になる、false -> 生のセル値が検索対象になる |
SearchItem.AlgorithmType2 | short | 文字列検索アルゴリズム: 1 -> プレーンテキスト検索、2 -> 正規表現検索、3 -> 類似性検索、4 -> glob表現検索 |
Quiet | boolean | 使用されていない模様 |
関連情報(com.sun.star.frame.FeatureStateEvent.Stateの値)(タイプはUNOのデータタイプ):
なし。
結果情報(com.sun.star.frame.DispatchResultEvent.Resultの値)(タイプはUNOのデータタイプ):
タイプ | 値 |
---|---|
N/A | null |
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