任意のベクトルバンドルコネクション(ベクトル束接続)は任意のベクトルカーブ上のセクション(断面)値のみに依存するということの記述と証明
話題
About: ディファレンシャルジェオメトリ(微分幾何)
About: ベクトルバンドルコネクション(ベクトル束接続)
この記事の目次
開始コンテキスト
- 読者は、\(C^\infty\)ベクトルバンドル(ベクトル束)の定義を知っている。
- 読者は、ベクトルバンドルコネクション(ベクトル束接続)の定義を知っている。
- 読者は、ベクトルバンドル(ベクトル束)に関する、トリビアル化ポイント近傍の定義を知っている。 読者は、\(C^\infty\)セクション(断面)の定義を知っている。
- 読者は、ローカルオペレーターの定義を知っている。
- 読者は、\(C^\infty\)フレーム(枠)の定義を知っている。
- 読者は、任意のベクトルバンドルコネクション(ベクトル束接続)(\(\Gamma (TM) \times \Gamma (E) \rightarrow \Gamma (E)\))は任意の引数に関してローカルオペレーターであるという命題を認めている。
- 読者は、任意のベクトルバンドル(ベクトル束)に関する任意のトリビアル化ポイント近傍の上方に\(C^\infty\)フレーム(枠)があるという命題を認めている。
読者は、\(C^\infty\)タンジェントベクトルフィールド(接ベクトル場)の定義を知っている。
ターゲットコンテキスト
- 読者は、任意のベクトルバンドルコネクション(ベクトル束接続)は任意のベクトルカーブ上のセクション(断面)値のみに依存するという命題の記述および定義を得る。
オリエンテーション
本サイトにてこれまで議論された定義の一覧があります。
本サイトにてこれまで議論された命題の一覧があります。
本体
1: 記述
任意の\(C^\infty\)ベクトルバンドル(ベクトル束)\((E, M, \pi)\)、M上の任意の\(C^\infty\)タンジェントベクトルフィールド(接ベクトル場)\(X \in \Gamma (TM)\)、E上の任意の\(C^\infty\)セクション(断面)\(s \in \Gamma (E)\)、E上の任意の\(C^\infty\)セクション\(t \in \Gamma (E)\)、E上の任意のコネクション(接続)\(\nabla\)、M上の任意のポイント\(p \in M\)に対して、もしも、M上にpの任意の近傍\(U_p\)およびXを表わす、pを通る、\(U_p\)上の任意のカーブでそこで\(s = t\)であるものがあれば、\((\nabla_X s)_p = (\nabla_X t)_p\)である。
2: 証明
任意のコネクション(接続)は任意の引数に関してローカルオペレーターなので、その結果は、pのあるトリビアル化近傍\(U_p\)で評価すればよい。pのそのトリビアル化近傍の上方には\(C^\infty\)フレーム(枠){\(e_1, \ldots, e_r\)}がある。pのそのトリビアル化近傍の上方で、\(s = s^ie_i\)および\(t = t^ie_i\)である、ここで、\(s^i, t^i \in C^\infty\)である。\((\nabla_Xs)_p = ( (X{s_i})e_i) (p) + (s_i\nabla_Xe_i) (p)\)および\((\nabla_Xt)_p = ( (X{t_i})e_i) (p) + (t_i\nabla_Xe_i) (p)\)である(ライプニッツルールによる)、しかし、Xはディレクショナルデリバティブ(方向微分係数)なので、\(Xs_i\)または\(Xt_i\)は、Xを表わす任意のカーブ上の\(s_i\)または\(t_i\)の値のみに依存する、しかし、そのカーブ上で\(s_i = t_i\)であるので、pにおいて\(Xs_i = Xt_i\)である。\(s_i (p) = t_i (p)\)でもあるので、\((\nabla_X s)_p = (\nabla_X t)_p\)である。