2023年5月7日日曜日

274: オーディナル(順序)数はグラウンデッドであり、そのランクはそれ自身である

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オーディナル(順序)数はグラウンデッドであり、そのランクはそれ自身であることの記述/証明

話題


About: セット(集合)

この記事の目次


開始コンテキスト



ターゲットコンテキスト



  • 読者は、任意のオーディナル(順序)数はグラウンデッドであり、そのランクはそれ自身であるという命題の記述および証明を得る。

オリエンテーション


本サイトにてこれまで議論された定義の一覧があります。

本サイトにてこれまで議論された命題の一覧があります。


本体


1: 記述


任意のオーディナル(順序)数\(o\)はグラウンデッドであり、そのランクは\(rank \text{ }o\)はそれ自身である、つまり、\(rank \text{ }o = o\)。


2: 証明


任意のオーディナル(順序)数\(\delta\)に対して、メンバーシップによるオーダリング(順序)はパーシャルオーダリング(部分的順序)である、なぜなら、任意の\(o \in \delta\)に対して\(\o \notin o\)、そして、以下を満たす任意の\(o, o', o'' \in \delta\)、つまり、\(o' \in o\)および\(o'' \in o'\)、に対して、\(o'' \in o\)。

\(o \subseteq V_o\)、ここで、\(V_0 = \emptyset\)および\(V_o = \cup \{Pow V_{o'}\vert o' \in o\}\)、を証明しよう。全てのオーディナル(順序)数たちのコレクションはZFCセット(集合)理論においてセット(集合)ではないので、そのコレクションにトランスファイナイト(超限)帰納法は使えない、したがって、任意のオーディナル(順序)数\(\delta\)のことを考えよう、それはウェルオーダードセット(集合)である、そして、もしも、各\(o \in \delta\)に対して\(o \subseteq V_o\)であれば、\(o \subseteq V_o\)が任意のオーディナル(順序)数\(o\)に対して成立するだろう、なぜなら。任意のオーディナル(順序)数はあるオーディナル(順序)数のメンバーであるから。

\(\delta\)のサブセット(部分集合)\(S := \{o \in \delta\vert o \subseteq V_o\}\)を定義しよう。任意の\(o' \in \delta\)に対して、もしも、\(seg \text{ }o' \subseteq S\)であれば、\(o' \in S\)か?任意の\(o'' \in o'\)に対して、\(o'' \subseteq V_{o''}\)、\(o'' \in Pow V_{o''}\)。任意のオーディナル(順序)数はトランジティブセット(推移的集合)であるという命題および任意のトランジティブセット(推移的集合)でメンバーシップによる少なくともパーシャルであるオーダリング(順序)を持つもの(メンバーシップによるオーダリング(順序)が実際にパーシャルオーダリング(部分的順序)だと仮定して)に対して、任意の要素はそれへのイニシャルセグメントであるという命題によって、\(o' = seg \text{ }o'\)。任意の\(p \in o'\)に対して、以下を満たすある\(o'' \in o'\)、つまり、\(p = o''\)、があり、\(V_{o'} = \cup_{o'' \in o'} Pow V_{o''}\)、しかし、以前に示されたとおり、\(o'' \in Pow V_{o''}\)、したがって、\(p \in V_{o'}\)、したがって、\(o' \subseteq V_{o'}\)、したがって、\(o' \in S\)。トランスファイナイト(超限)帰納法によって、どんな\(o \in \delta\)に対しても\(o \subseteq V_o\)。

したがって、任意のオーディナル(順序)数はグラウンデッドである。

任意のオーディナル(順序)数\(o\)に対して、以下を満たすオーディナル(順序)数\(o' \in o\)、つまり、\(o \subseteq V_{o'}\)、はないことを証明しよう。以前と同様に、任意のオーディナル(順序)数\(\delta\)のことを考え、\(\delta\)にトランスファイナイト(超限)帰納法を用いよう、すると、本命題は任意のオーディナル(順序)数に対して成立するだろう、結局のところ。

\(\delta\)のサブセット(部分集合)\(S := \{o \in \delta\vert \text{ there is no } o' \in o \text{ such that } o \subseteq V_{o'}\}\)を定義しよう。任意の\(o' \in \delta\)に対して、もしも、\(seg \text{ }o' \subseteq S\)であれば、\(o' \in S\)か?以下を満たすある\(o'' \in o'\)、つまり、\(o' \subseteq V_{o''}\)、があったと仮定しよう。\(V_{o''} = \cup_{o''' \in o''} Pow V_{o'''}\)であるから、任意の\(p \in o'\)に対して、\(p \in \cup_{o''' \in o''} Pow V_{o'''}\)、したがって、ある\(o'''\)に対して\(p \in Pow V_{o'''}\)、しかし、\(p\)は\(o''\)であると選択できる、なぜなら、\(o' = seg \text{ }o'\)、すると、\(o'' \in Pow V_{o'''}\)、したがって、\(o'' \subseteq V_{o'''}\)、\(seg \text{ }o' \subseteq S\)であるという仮定に対する矛盾、したがって、\(o' \subseteq V_{o''}\)を満たす\(o'' \in o'\)はない、したがって、\(o' \in S\)。トランスファイナイト(超限)帰納法によって、どんな\(o \in \delta\)に対しても、\(o \subseteq V_{o'}\)を満たす\(o' \in o\)はない。

したがって、任意のオーディナル(順序)数\(o\)に対して\(rank \text{ }o = o\)。


参考資料


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