2022年4月10日日曜日

269: リーグループ(群)近傍で、その任意のポイントが中心と、左インバリアント(不変)ベクトルフィールド(場)インテグラルカーブ(積分曲線)で接続できるものの存在

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リーグループ(群)近傍で、その任意のポイントが中心と、左インバリアント(不変)ベクトルフィールド(場)インテグラルカーブ(積分曲線)で接続できるものの存在の記述/証明

話題


About: リーグループ(群)
About: ベクトルフィールド(場)

この記事の目次


開始コンテキスト



ターゲットコンテキスト



  • 読者は、任意のリーグループ(群)上の任意のポイントに、以下を満たす近傍がある、つまり、その任意のポイントは中心と、ある左インバリアント(不変)ベクトルフィールド(場)インテグラルカーブ(積分曲線)で接続できる、という命題の記述および証明を得る。

オリエンテーション


本サイトにてこれまで議論された定義の一覧があります。

本サイトにてこれまで議論された命題の一覧があります。


本体


1: 記述


任意のリーグループ(群)Gおよび任意のポイント\(p_0 \in G\)に対して、以下を満たす近傍\(U_{p_0}\)がある、つまり、任意のポイント\(p_i \in U_{p_0}\)は\(p_0\)と、ある左インバリアント(不変)ベクトルフィールド(場)\(V_i\)の、\(p_0\)から開始するインテグラルカーブ(積分曲線)\(\gamma _i: \mathbb{R} \rightarrow G\)で接続できる。


2: 証明


当該リーアルジェブラ(多元環)\(\mathfrak{g}\)上のある近傍\(U_0\)およびG上のある近傍\(U_e\)で以下を満たすものがある、つまり、エクスポーネンシャル(指数)マップ(写像)\(exp: U_0 \rightarrow U_e\)はディフェオモーフィズム(微分同相写像)である。\(U_{p_0} := \{\forall p| p_0^{-1} p \in U_e\}\)は、オープンセット(開集合)である、なぜなら、それは、\(U_e\)の、\(C^\infty\)マップ(写像)\(f: G \rightarrow G, p \mapsto p_0^{-1} p\)によるプリイメージ(前像)であるから。任意の\(p_i \in U_{p_0}\)に対して、\(p_0\)において、以下を満たすベクトル\(l_{p_0*, e} V_{i, e}\)がある、つまり、当該左インバリアント(不変)ベクトルフィールド(場)\(V_i\)の、\(p_0\)から開始するインテグラルカーブ(積分曲線)は\(p_i\)を通過する、なぜなら、\(V_{i, e}\)を\(p_0^{-1}p_i = exp V_{i, e}\)として選ぶことによって、\(p_i = p_0 exp V_{i, e} = \phi_1 (p_0)\)、任意のリーグループ(群)上の、任意の左インバリアント(不変)ベクトルフィールド(場)の、任意のポイントから開始するインテグラルカーブ(積分曲線)は、そのベクトルフィールド(場)の、eから開始するインテグラルカーブ(積分曲線)に、そのポイントを左から掛けたものであるという命題によって。


3: 注


\(p_0\)におけるベクトルたちから\(U_{p_0}\)への1対1性は、ここでは証明されていない。


参考資料


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