リング(環)のアイディアル(イデアル)の定義
話題
About: リング(環)
この記事の目次
開始コンテキスト
- 読者は、リング(環)の定義を知っている。
ターゲットコンテキスト
- 読者は、リング(環)のアイディアル(イデアル)の定義を得る。
オリエンテーション
本サイトにてこれまで議論された定義たちの一覧があります。
本サイトにてこれまで議論された命題たちの一覧があります。
本体
1: 構造化された記述
ここに'構造化された記述'のルールたちがある。
エンティティ(実体)たち:
\( R\): \(\in \{\text{ 全てのリング(環)たち }\}\)
\(*I_l\): \(\in \{R \text{ の全てのアディティブ(加法における)サブグループ(部分群)たち }\}\)
\(*I_r\): \(\in \{R \text{ の全てのアディティブ(加法における)サブグループ(部分群)たち }\}\)
\(*I_b\): \(\in \{R \text{ の全てのアディティブ(加法における)サブグループ(部分群)たち }\}\)
//
コンディションたち:
\(R I_l = I_l\)
\(\land\)
\(I_r R = I_r\)
\(\land\)
\(R I_b = I_b R = I_b\)
//
\(I_l\)は、"レフトアイディアル(左イデアル)"と呼ばれる; \(I_r\)は、"ライトアイディアル(右イデアル)"と呼ばれる; \(I_b\)は、"ボースサイデッドアイディアル(両側イデアル)"または"アイディアル(左イデアル)"と呼ばれる。
2: 自然言語記述
任意のリング(環)\(R\)に対して、以下を満たす任意のアディティブ(加法における)サブグループ(部分群)\(I_l \subseteq R\)、つまり、\(R I_l = I_l\)、は、"レフトアイディアル(左イデアル)"と呼ばれる; 以下を満たす任意のアディティブ(加法における)サブグループ(部分群)\(I_r \subseteq R\)、つまり、\(I_r R = I_r\)、は、"ライトアイディアル(右イデアル)"と呼ばれる; 以下を満たす任意のアディティブ(加法における)サブグループ(部分群)\(I_b \subseteq R\)、つまり、\(R I_b = I_b R = I_b\)、は、"ボースサイデッドアイディアル(両側イデアル)"または"アイディアル(左イデアル)"と呼ばれる
3: 注
条件\(R I_l = I_l\)は、条件\(\forall p_1 \in R, \forall p_2 \in I_l (p_1 p_2 \in I_l)\)と同値である、なぜなら、前者を仮定すると、後者は明らかに満たされる; 後者を仮定すると、\(R I_l \subseteq I_l\)、しかし、\(1 \in R\)であるから、\(I_l \subseteq R I_l\)、したがって、\(R I_l = I_l\): マルチプリカティブ(乗法における)アイデンティティ(単位要素)の存在を要求するリング(環)の定義を私たちは採用した。
同様に、\(I_r R = I_r\)は\(\forall p_1 \in R, \forall p_2 \in I_r (p_2 p_1 \in I_r)\)と同値である。
同様に、\(R I_b = I_b R = I_b\)は、\(\forall p_1 \in R, \forall p_2 \in I_b (p_1 p_2 \in I_b \land p_2 p_1 \in I_b)\)と同値である。
\(R\)がコミュータティブ(可換)である時は、各レフトアイディアル(左イデアル)またはライトアイディアル(右イデアル)は、ボースサイデッドアイディアル(両側イデアル)である。