ユークリディアントポロジカルスペース(空間)内にネストされたユークリディアントポロジカルスペース(空間)はトポロジカルサブスペース(部分空間)であることの記述/証明
話題
About: トポロジカルスペース(空間)
この記事の目次
開始コンテキスト
- 読者は、ユークリディアントポロジカルスペース(空間)の定義を知っている。
- 読者は、トポロジカルスペース(空間)のサブセット(部分集合)のサブスペース(部分空間)トポロジーの定義を知っている。
- 読者は、オープン(開)であることのローカル基準を認めている。
- 読者は、任意のユークリディアントポロジカルスペース(空間)たち間任意のリニアマップ(線型写像)はコンティニュアス(連続)であるという命題を認めている。
- 読者は、任意のコンティヌアス(連続)マップ(写像)の、ドメイン(定義域)およびコドメイン(余域)についてのリストリクション(制限)はコンティヌアス(連続)であるという命題を認めている。
ターゲットコンテキスト
- 読者は、任意のユークリディアントポロジカルスペース(空間)内にネストされた任意のユークリディアントポロジカルスペース(空間)は、ネストしているユークリディアントポロジカルスペース(空間)のトポロジカルサブスペース(部分空間)であるという命題の記述および証明を得る。
オリエンテーション
本サイトにてこれまで議論された定義たちの一覧があります。
本サイトにてこれまで議論された命題たちの一覧があります。
本体
1: 構造化された記述
ここに'構造化された記述'のルールたちがある。
エンティティ(実体)たち:
\(d'\): \(\in \mathbb{N} \setminus \{0\}\)
\(d\): \(\in \mathbb{N} \setminus \{0\}\)で、\(d \le d'\)を満たすもの
\(\mathbb{R}^{d'}\): \(= \text{ 当該ユークリディアントポロジカルスペース(空間) }\)
\(\mathbb{R}^d\): \(= \text{ 当該ユークリディアントポロジカルスペース(空間) }\)
\(\iota\): \(: \mathbb{R}^d \to \mathbb{R}^{d'}, (r^1, ..., r^d)^t \mapsto (r^1, ..., r^d, 0, ..., 0)^t\), \(= \text{ 当該インクルージョン(封入) }\)
\(r\): \(: \mathbb{R}^{d'} \to \mathbb{R}^{d'}, (r^1, ..., r^{d'})^t \mapsto M (r^1, ..., r^{d'})^t\)、ここで、\(M\)は任意のインバーティブル(可逆)\(d' \times d'\)リアル(実)マトリックス(行列)
\(t\): \(: \mathbb{R}^{d'} \to \mathbb{R}^{d'}, (r^1, ..., r^{d'})^t \mapsto (r^1, ..., r^{d'})^t + (t^1, ..., t^{d'})^t\), \(= \text{ 当該トランスレーション(並び替え) }\)
\(f\): \(: \mathbb{R}^d \to t \circ r \circ \iota (\mathbb{R}^d) \subseteq \mathbb{R}^{d'}, (r^1, ..., r^d)^t \mapsto t \circ r \circ \iota ((r^1, ..., r^d)^t)\)、ここで、\(t \circ r \circ \iota (\mathbb{R}^d)\)は\(\mathbb{R}^{d'}\)のトポロジカルサブスペース(部分空間)
//
ステートメント(言明)たち:
\(f \in \{\text{ 全てのホメオモーフィズム(位相同形写像)たち }\}\)
//
2: 注
本命題は、口語的に、"\(\mathbb{R}^d\)は\(\mathbb{R}^{d'}\)内にネストされており、\(\mathbb{R}^d\)は\(\mathbb{R}^{d'}\)のトポロジカルサブスペース(部分空間)である"と言っているが、もっと厳密に述べると、\(\mathbb{R}^d\)は\(\mathbb{R}^{d'}\)内にインジェクトされ、当該イメージ(像)のトポロジカルサブスペース(部分空間)とみなしたものは、当該インジェクション(単射)の下で\(\mathbb{R}^d\)の上へホメオモーフィック(位相同形写像)である。
実のところ、元の動機においては、\(r\)は任意のローテーション(回転)であった(すると、\(\mathbb{R}^d\)は幾何学的に\(\mathbb{R}^{d'}\)内にネストされることになる)、しかし、\(r\)は実のところローテーション(回転)に制限される必要はない、\(f\)がホメオモーフィック(位相同形写像)であるために、したがって、本命題は、この一般化された形態を持つ。
3: 証明
全体戦略: ステップ1: \(\iota': \mathbb{R}^d \to \iota (\mathbb{R}^d) \subseteq \mathbb{R}^{d'}\)、\(r': \iota (\mathbb{R}^d) \subseteq \mathbb{R}^{d'} \to r (\iota (\mathbb{R}^d)) \subseteq \mathbb{R}^{d'}\)、\(t': r (\iota (\mathbb{R}^d)) \subseteq \mathbb{R}^{d'} \to t (r (\iota (\mathbb{R}^d))) \subseteq \mathbb{R}^{d'}\)を\(\iota\)、\(r\)、\(t\)のリストリクション(制限)たちと取り、\(f = t' \circ r' \circ \iota'\)であることを見る; ステップ2: \(\iota'\)はホメオモーフィズム(位相同形写像)であることを見る; ステップ3: \(r'\)はホメオモーフィズム(位相同形写像)であることを見る; ステップ4: \(t'\)はホメオモーフィズム(位相同形写像)であることを見る; ステップ5: 本命題を結論する。
ステップ1:
\(\iota': \mathbb{R}^d \to \iota (\mathbb{R}^d) \subseteq \mathbb{R}^{d'}\)、ここで、当該コドメイン(余域)は\(\mathbb{R}^{d'}\)のトポロジカルサブスペース(部分空間)、を\(\iota\)のリストリクション(制限)として取ろう。
\(r': \iota (\mathbb{R}^d) \subseteq \mathbb{R}^{d'} \to r (\iota (\mathbb{R}^d)) \subseteq \mathbb{R}^{d'}\)、ここで、当該ドメイン(定義域)および当該コドメイン(余域)は\(\mathbb{R}^{d'}\)のトポロジカルサブスペース(部分空間)たち、を\(r\)のリストリクション(制限)として取ろう。
\(t': r (\iota (\mathbb{R}^d)) \subseteq \mathbb{R}^{d'} \to t (r (\iota (\mathbb{R}^d))) \subseteq \mathbb{R}^{d'}\)、ここで、当該ドメイン(定義域)および当該コドメイン(余域)は\(\mathbb{R}^{d'}\)のトポロジカルサブスペース(部分空間)たち、を\(t\)のリストリクション(制限)として取ろう。
\(f = t' \circ r' \circ \iota'\)、明らかに。
\(\iota'\)のコドメイン(余域)は\(r'\)のドメイン(定義域)に等しく、\(r'\)のコドメイン(余域)は\(t'\)のドメイン(定義域)に等しいので、もしも、\(\iota'\)、\(r'\)、\(t'\)がホメオモーフィズム(位相同形写像)たちである場合、\(f\)はホメオモーフィズム(位相同形写像)であろう、それがこれ以降に証明される。
ステップ2:
\(\iota'\)はホメオモーフィズム(位相同形写像)であることを見よう。
\(\iota'\)はバイジェクション(全単射)である、明らかに。
\(U \subseteq \mathbb{R}^d\)を任意のオープンサブセット(開部分集合)としよう。
\(\iota' (U) \subseteq \iota (\mathbb{R}^d)\)はオープンサブセット(開部分集合)であることを見よう。
\(\iota (p) \in \iota' (U)\)を任意のものとしよう。
\(p = (p^1, ..., p^d) \in U\)。
\(p\)の周りに以下を満たすあるオープンボール(開球)\(B_{p, \epsilon} \subseteq \mathbb{R}^d\)、つまり、\(B_{p, \epsilon} \subseteq U\)、がある。
\(\iota' (B_{p, \epsilon}) \subseteq \iota' (U)\)。
\(\iota' (B_{p, \epsilon}) = B'_{\iota (p), \epsilon} \cap \iota (\mathbb{R}^d)\)、ここで、\(B'_{\iota (p), \epsilon} \subseteq \mathbb{R}^{d'}\)は\(\iota (p)\)周りの\(\mathbb{R}^{d'}\)上におけるうオープンボール(開球)、であることを見よう。
\(p' \in \iota' (B_{p, \epsilon})\)を任意のものとしよう。
\(p' = (p'^1, ..., p'^d, 0, ..., 0)\)で、\((p'^1 - p^1)^2 + ... + (p'^d - p^d)^2 \lt \epsilon^2\)を満たす。
\(p' \in B'_{\iota (p), \epsilon}\)、なぜなら、\(\iota (p) = (p^1, ..., p^d, 0, ..., 0)\)であるところ、\((p'^1 - p^1)^2 + ... + (p'^d - p^d)^2 + (0 - 0)^2 + ... + (0 - 0)^2 = (p'^1 - p^1)^2 + ... + (p'^d - p^d)^2 \lt \epsilon^2\)。
\(p' \in \iota (\mathbb{R}^d)\)。
したがって、\(p' \in B'_{\iota (p), \epsilon} \cap \iota (\mathbb{R}^d)\)。
したがって、\(\iota' (B_{p, \epsilon}) \subseteq B'_{\iota (p), \epsilon} \cap \iota (\mathbb{R}^d)\)。
\(p' \in B'_{\iota (p), \epsilon} \cap \iota (\mathbb{R}^d)\)を任意のものとしよう。
\(p' = (p'^1, ..., p'^d, 0, ..., 0)\)で、\((p'^1 - p^1)^2 + ... + (p'^d - p^d)^2 + (0 - 0)^2 + ... + (0 - 0)^2 \lt \epsilon^2\)を満たす。
したがって、\((p'^1, ..., p'^d) \in B_{p, \epsilon}\)、なぜなら、\((p'^1 - p^1)^2 + ... + (p'^d - p^d)^2 \lt \epsilon^2\)、そして、\(p' = \iota' ((p'^1, ..., p'^d)) \in \iota' (B_{p, \epsilon})\)。
したがって、\(B'_{\iota (p), \epsilon} \cap \iota (\mathbb{R}^d) \subseteq \iota' (B_{p, \epsilon})\)。
したがって、\(\iota' (B_{p, \epsilon}) = B'_{\iota (p), \epsilon} \cap \iota (\mathbb{R}^d)\)。
したがって、\(\iota' (B_{p, \epsilon})\)は\(\iota (p)\)の\(\iota (\mathbb{R}^d)\)上におけるオープンネイバーフッド(開近傍)である、サブスペース(部分空間)トポロジーの定義によって。
オープン(開)であることのローカル基準によって、\(\iota' (U)\)は\(\iota (\mathbb{R}^d)\)のオープンサブセット(開部分集合)である。
別方向を見よう。
\(\iota (U) \subseteq \iota (\mathbb{R}^d)\)を任意のオープンサブセット(開部分集合)としよう。
\(U = \iota'^{-1} (\iota (U)) \subseteq \mathbb{R}^d\)はオープンサブセット(開部分集合)であることを見よう。
\(p \in U\)を任意のものとしよう。
\(p = (p^1, ..., p^d) \in U\)。
\(\iota (p)\)の以下を満たすあるオープンネイバーフッド(開近傍)\(U_{\iota (p)} \subseteq \iota (\mathbb{R}^d)\)、つまり、\(U_{\iota (p)} \subseteq \iota (U)\)、がある。
\(U_{\iota (p)} = U'_{\iota (p)} \cap \iota (\mathbb{R}^d)\)、ここで、\(U'_{\iota (p)} \subseteq \mathbb{R}^{d'}\)は\(\iota (p)\)の\(\mathbb{R}^{d'}\)上におけるオープンネイバーフッド(開近傍)、である、サブスペース(部分空間)トポロジーの定義によって。
\(\iota (p)\)の周りの以下を満たすあるオープンボール(開球)\(B'_{\iota (p), \epsilon} \subseteq \mathbb{R}^{d'}\)、つまり、\(B'_{\iota (p), \epsilon} \subseteq U'_{\iota (p)}\)、がある。
\(B'_{\iota (p), \epsilon} \cap \iota (\mathbb{R}^d) \subseteq U'_{\iota (p)} \cap \iota (\mathbb{R}^d) = U_{\iota (p)} \subseteq \iota (U)\)。
\(B'_{\iota (p), \epsilon} \cap \iota (\mathbb{R}^d) = \iota (B_{p, \epsilon})\)、ここで、\(\iota (B_{p, \epsilon}) \subseteq \mathbb{R}^d\)は\(p\)の周りの\(\mathbb{R}^d\)上におけるオープンボール(開球)、であることを見よう。
\(p' \in B'_{\iota (p), \epsilon} \cap \iota (\mathbb{R}^d)\)を任意のものとしよう。
\(p' = (p'^1, ..., p'^d, 0, ..., 0)\)で、\((p'^1 - p^1)^2 + ... + (p'^d - p^d)^2 + (0 - 0)^2 + ... + (0 - 0)^2 \lt \epsilon^2\)を満たす。
したがって、\((p'^1, ..., p'^d) \in B_{p, \epsilon}\)、なぜなら、\((p'^1 - p^1)^2 + ... + (p'^d - p^d)^2 \lt \epsilon^2\)、そして、\(p' = \iota ((p'^1, ..., p'^d)) \in \iota (B_{p, \epsilon})\)。
したがって、\(B'_{\iota (p), \epsilon} \cap \iota (\mathbb{R}^d) \subseteq \iota (B_{p, \epsilon})\)。
\(p' \in \iota (B_{p, \epsilon})\)を任意のものとしよう。
\(p' = (p'^1, ..., p'^d, 0, ..., 0)\)で、\((p'^1 - p^1)^2 + ... + (p'^d - p^d)^2 \lt \epsilon^2\)を満たす。
\(p' \in B'_{\iota (p), \epsilon}\)、なぜなら、\(\iota (p) = (p^1, ..., p^d, 0, ..., 0)\)であるところ、\((p'^1 - p^1)^2 + ... + (p'^d - p^d)^2 + (0 - 0)^2 + ... + (0 - 0)^2 = (p'^1 - p^1)^2 + ... + (p'^d - p^d)^2 \lt \epsilon^2\)。
\(p' \in \iota (\mathbb{R}^d)\)。
したがって、\(p' \in B'_{\iota (p), \epsilon} \cap \iota (\mathbb{R}^d)\)。
したがって、\(\iota (B_{p, \epsilon}) \subseteq B'_{\iota (p), \epsilon} \cap \iota (\mathbb{R}^d)\)。
したがって、\(B'_{\iota (p), \epsilon} \cap \iota (\mathbb{R}^d) = \iota (B_{p, \epsilon})\)。
したがって、\(\iota (B_{p, \epsilon}) \subseteq \iota (U)\)。
それが意味するのは、\(B_{p, \epsilon} \subseteq U\)、なぜなら、\(\iota\)はインジェクティブ(単射)である。
オープン(開)であることのローカル基準によって、\(U\)は\(\mathbb{R}^d\)のオープンサブセット(開部分集合)である。
したがって、\(\iota'\)はホメオモーフィズム(位相同形写像)である。
ステップ3:
\(r'\)はホメオモーフィズム(位相同形写像)である。
\(r\)はホメオモーフィズム(位相同形写像)であることを見よう。
\(r\)はリニアマップ(線型写像)である、したがって、コンティニュアス(連続)である、任意のユークリディアントポロジカルスペース(空間)たち間任意のリニアマップ(線型写像)はコンティニュアス(連続)であるという命題によって。
また、\(r^{-1}\)はリニアマップ(線型写像)である、なぜなら、それは、\(M^{-1}\)によるマップ(写像)である、したがって、コンティニュアス(連続)である、同様に。
\(r'\)はホメオモーフィズム(位相同形写像)である、なぜなら、\(r'\)および\(r'^{-1}\)はコンティニュアス(連続)である、任意のコンティヌアス(連続)マップ(写像)の、ドメイン(定義域)およびコドメイン(余域)についてのリストリクション(制限)はコンティヌアス(連続)であるという命題によって。
ステップ4:
\(t'\)はホメオモーフィズム(位相同形写像)であることを見よう。
\(t\)はホメオモーフィズム(位相同形写像)である、明らかに。
\(t'\)はホメオモーフィズム(位相同形写像)である、なぜなら、\(t'\)および\(t'^{-1}\)はコンティニュアス(連続)である、任意のコンティヌアス(連続)マップ(写像)の、ドメイン(定義域)およびコドメイン(余域)についてのリストリクション(制限)はコンティヌアス(連続)であるという命題によって。
ステップ5:
したがって、\(f\)はホメオモーフィズム(位相同形写像)である。