2022年9月25日日曜日

356: メジャー(測度)0サブセット(部分集合)の、ユークリディアンノルム付きトポロジカルスペース(空間)から同次元またはより高次元ユークリディアンノルム付きトポロジカルスペース(空間)へのリプシッツ条件を満たすマップ(写像)イメージ(像)はメジャー(測度)0である

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メジャー(測度)0サブセット(部分集合)の、ユークリディアンノルム付きトポロジカルスペース(空間)から同次元またはより高次元ユークリディアンノルム付きトポロジカルスペース(空間)へのリプシッツ条件を満たすマップ(写像)イメージ(像)はメジャー(測度)0であることの記述/証明

話題


About: ユークリディアンノルム付きトポロジカルスペース(空間)
About: メジャー(測度)
About: マップ(写像)

この記事の目次


開始コンテキスト



ターゲットコンテキスト



  • 読者は、任意のメジャー(測度)0サブセット(部分集合)の、任意のユークリディアンノルム付きトポロジカルスペース(空間)から同次元またはより高次元ユークリディアンノルム付きトポロジカルスペース(空間)へのリプシッツ条件を満たす任意のマップ(写像)下のイメージ(像)はメジャー(測度)0であるという命題の記述および証明を得る。

オリエンテーション


本サイトにてこれまで議論された定義の一覧があります。

本サイトにてこれまで議論された命題の一覧があります。


本体


1: 記述


任意のユークリディアンノルム付きトポロジカルスペース(空間)たちにカノニカル(標準)メトリックたちが付いたもの\(\mathbb{R}^n\)および\(\mathbb{R}^m\)、ここで、\(n \leq m\)、任意のオープンセット(開集合)\(U \subseteq \mathbb{R}^n\)、任意のリプシッツ条件を満たすマップ(写像)\(f: U \rightarrow \mathbb{R}^m\)、任意の測度0サブセット(部分集合)\(S \subseteq U\)に対して、\(S\)の\(f\)下のイメージ(像)\(f (S)\)はメジャー(測度)\(0\)である。


2: 証明


\(f\)はリプシッツ条件を満たすので、以下を満たすあるコンスタント\(L\)がある、つまり、任意のポイントたち\(p_1, p_2 \in U\)に対して、\(\Vert f (p_2) - f (p_1)\Vert \leq L \Vert p_2 - p_1 \Vert\)。\(S\)はメジャー(測度)0であるので, 任意の\(\mathbb{R}^n\)ユークリディアンメトリックスペース(計量空間)上の 任意のエリア(面積)はハイパー正方形たちのみを使って測れる、ハイパー長方形たちの代わりにという命題によって、任意の実数\(\epsilon \gt 0\)に対して、ある可算ディスジョイント(互いに素)ハーフオープンハイパー正方形たち\(\{I_i\}\)があり、\(S \subseteq \cup_i I_i, \sum_i m (I_i) \lt \epsilon\)、ここで、\(m (\bullet)\)は引数のメジャー(測度)。\(f (S) \subseteq f (\cup_i I_i) = \cup_i f (I_i)\)、任意のマップ(写像)に対して、任意の、セット(集合)たちのユニオン(和集合)、のマップ(写像)イメージ(像)はそれらセット(集合)たちのマップ(写像)イメージ(像)たちのユニオン(和集合)であるという命題によって、したがって、\(m (f (S)) \leq \sum _i m (f (I_i))\)。任意のポイントたち\(p_1, p_2 \in I_i\)に対して、\(\Vert p_2 - p_1 \Vert \lt \sqrt{n {l_i}^2}\)、ここで、\(l_i\)はハイパー正方形の辺長、したがって、\(\Vert f (p_2) - f (p_1) \Vert \leq L \Vert p_2 - p_1 \Vert \lt L \sqrt{n {l_i}^2}\)、したがって、\(f (I_i)\)は、ある\(2 L \sqrt{n {l_i}^2}\)辺長ハイパー正方形にとても安全に含まれている(より小さな可能なハイパー正方形があるという意味)、したがって、\(m (f (I_i)) \lt (2 L \sqrt{n {l_i}^2})^m\)。\(\sum_i m (f (I_i)) \lt \sum_i (2 L \sqrt{n {l_i}^2})^m = (2 L \sqrt{n})^m \sum_i {l_i}^m\)、しかし、\(m (I_i) = {l_i}^n\)であるので、\(\sum_i m (f (I_i)) \lt (2 L \sqrt{n})^m \sum_i (m (I_i))^{m / n}\)。任意の十分に小さな\(\epsilon\)に対して、\(m (I_i) \lt 1\)、したがって、\(m / n \geq 1\)、\((m (I_i))^{m / n} \leq m (I_i)\)、したがって、\(\sum_i (m (I_i))^{m / n} \lt \epsilon\)、したがって、\(\sum_i m (f (I_i)) \lt (2 L \sqrt{n})^m \epsilon\)。任意の実数\(\epsilon' \gt 0\)に対して、\(\epsilon\)を以下を満たすように選べる、つまり、\(\epsilon' \gt (2 L \sqrt{n})^m \epsilon\)、すると、\(\sum_i m (f (I_i)) \lt \epsilon'\)、したがって、\(m (f (S)) \lt \epsilon'\)。


3: 注


\(m \lt n\)の場合、本命題は成立しない。反例として、\(n = 3, m = 2\)で、\(\mathbb{R}^2\)は\(\mathbb{R}^3\)中の\(z = 0\)平面、\(U = \mathbb{R}^3\)、\(f\)はプロジェクション(射影)とする。\(f\)は\(L = 1\)でリプシッツ条件を満たす。\(z = 0\)平面上のある正方形は\(\mathbb{R}^3\)上でメジャー(測度)\(0\)であり、その\(f\)下イメージ(像)は\(\mathbb{R}^2\)上で同一正方形であり、そのメジャー(測度)は\(\mathbb{R}^2\)上で\(0\)でない。


参考資料


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