2023年7月23日日曜日

326: カントールノーマルフォーム(正規形)はユニークである

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カントールノーマルフォーム(正規形)はユニークであることの記述/証明

話題


About: セット(集合)

この記事の目次


開始コンテキスト



ターゲットコンテキスト



  • 読者は、任意の非ゼロオーディナル(順序)数に対するカントールノーマルフォーム(正規形)はユニークであるという命題の記述および証明を得る。

オリエンテーション


本サイトにてこれまで議論された定義の一覧があります。

本サイトにてこれまで議論された命題の一覧があります。


本体


1: 記述


任意の非ゼロオーディナル(順序)数\(o\)に対して、\(o\)は\(o = \omega^{o_1} n_1 + \omega^{o_2} n_2 + . . . + \omega^{o_k} n_k\)、それはカントールノーマルフォーム(正規形)である、ここで、\(\omega\)は自然数たちセット(集合)、\(o_i\)はあるオーディナル(順序)数、\(n_i\)はある自然数(あるオーディナル(順序)数として)、として表わすことができる、しかし、その\(\{\langle o_1, n_1 \rangle, \langle o_2, n_2 \rangle, . . ., \langle o_k, n_k \rangle\}\)が唯一の可能性である。


2: 証明


オーディナル(順序)数たちの算術のロガリズム(対数)定理をシーケンシャルに適用することによって、\(o\)はそのように表現できる: 第1に、\(o = \omega^{o_1} n_1 + \rho_1\)、ここで、\(\rho_1 \in \omega^{o_1}\)、第2に、\(\rho_1 = \omega^{o_2} n_2 + \rho_2\)、ここで、\(\rho_2 \in \omega^{o_2}\)かつ\(o_2 \in o_1\)、なぜなら、\(\omega^{o_2} \in= \rho_1 \in \omega^{o_1}\)、等々と続く、そして、当該シーケンス\(\omega^{o_1}, \omega^{o_2}, . . .\)は有限である、オーディナル(順序)数たちの任意の降順シーケンス(列)は有限であるという命題によって。当該表現は、本手順によって生成される限りはユニークである、しかし、問題は、他の方法で生成された別の表現があるか否かである。

任意の\(\lambda \in \sigma\)および任意の自然数\(n\)に対して、\(\omega^\lambda n \in \omega^\sigma\)であることを証明しよう。\(\omega^\sigma = \omega^\sigma 1 + 0\)はオーディナル(順序)数たちの算術のロガリズム(対数)定理におけるユニークなフォーム(形)である。\(\omega^\lambda \in \omega^\sigma\)であるから、以下を満たすある\(\rho_1\)、つまり、\(\omega^\sigma = \omega^\lambda + \rho_1\)、がある、オーディナル(順序)数たちの算術のサブトラクション(減法)定理によって、しかし、\(\omega^\lambda \in \rho_1\)、なぜなら、それはオーディナル(順序)数たちの算術のロガリズム(対数)定理におけるフォーム(形)ではあり得ず、明らかに、\(\rho_1\)は\(\omega^\lambda\)に等しくはあり得ない。すると、\(\omega^\lambda 2 = \omega^\lambda + \omega^\lambda \in \omega^\lambda + \rho_1 = \omega^\sigma\)、したがって、オーディナル(順序)数たちの算術のサブトラクション(減法)定理によって、以下を満たすある\(\rho_2\)、つまり、\(\omega^\sigma = \omega^\lambda 2 + \rho_2\)、がある、しかし、ここでも、\(\omega^\lambda \in \rho_2\)、そして、\(\omega^\lambda 3 = \omega^\lambda 2 + \omega^\lambda \in \omega^\lambda 2 + \rho_2 = \omega^\sigma\)、等々と続く。したがって、任意の自然数\(n\)に対して、\(\omega^\lambda n \in \omega^\sigma\)。

\(o = \omega^{o'_1} n'_1 + \omega^{o'_2} n'_2 + . . . + \omega^{o'_l} n'_l\) (\(o'_1, o'_2, . . ., o'_l\)は降順、一般性を失うことなく)が別の表現であると仮定しよう。\(o \in \omega^{o'_1} (n'_1 + 1)\)、なぜなら、\(\omega^{o'_l} n'_l \in \omega^{o'_{l - 1}}\)、したがって、\(\omega^{o'_{l - 1}} n'_{l - 1} + \omega^{o'_l} n'_l \in \omega^{o'_{l - 1}} (n'_{l - 1} + 1)\); \(\omega^{o'_{l - 1}} (n'_{l - 1} + 1) \in \omega^{o'_{l - 2}}\)、したがって、\(\omega^{o'_{l - 2}} n'_{l - 2} + \omega^{o'_{l - 1}} (n'_{l - 1} + 1) \in \omega^{o'_{l - 2}} (n'_{l - 2} + 1)\)、等々と続く。もしも、\(o'_1 \in o_1\)であったら、\(o \in \omega^{o'_1} (n'_1 + 1) \in \omega^{o_1} \in \omega^{o_1} n_1 \in o\)、矛盾。対称性によって、\(o_1 \in o'_1\)も不可能である、したがって、\(o_1 = o'_1\)。

もしも、\(n'_1 \in n_1\)であったら、\(n'_1 + 1 \in= n_1\)、しかし、\(o \in \omega^{o'_1} (n'_1 + 1) \in= \omega^{o_1} (n_1) \in= o\)、矛盾。対称性によって、\(n_1 \in n'_1\)も不可能である、したがって、\(n_1 = n'_1\)。

オーディナル(順序)数たちの算術の左キャンセレーション法則によって、\(\omega^{o_2} n_2 + \omega^{o_3} n_3 + . . . + \omega^{o_k} n_k = \omega^{o'_2} n'_2 + \omega^{o'_3} n'_3 + . . . + \omega^{o'_l} n'_l\)。そして、同様の議論によって、\(o_2 = o'_2\)かつ\(n_2 = n'_2\)、等々と続く。明らかに、\(l\)は\(k\)に等しくなければならない。


参考資料


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