2024年4月14日日曜日

531: %リング(環)名%モジュール(加群)

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%リング(環)名%モジュール(加群)の定義

話題


About: モジュール(加群)

この記事の目次


開始コンテキスト



ターゲットコンテキスト



  • 読者は、%リング(環)名%モジュール(加群)の定義を得る。

オリエンテーション


本サイトにてこれまで議論された定義たちの一覧があります。

本サイトにてこれまで議論された命題たちの一覧があります。


本体


1: 構造化された記述


ここに'構造化された記述'のルールたちがある

エンティティ(実体)たち:
\( R\): \(\in \{\text{ 全てのリング(環)たち }\}\)
\(*M\): \(\in \{\text{ 全てのセット(集合)たち }\}\)で任意の\(+: M \times M \to M\) (アディション(加法))オペレーションおよび任意の\(.: R \times M \to M\)(スカラーマルチプリケーション(乗法))オペレーションを持つもの
//

コンディションたち:
1) \(\forall m_1, m_2 \in M (m_1 + m_2 \in M)\) (アディション(加法)下のクローズド(閉じている)性)
\(\land\)
2) \(\forall m_1, m_2 \in M (m_1 + m_2 = m_2 + m_1)\) (アディション(加法)のコミュータティビティ(可換性))
\(\land\)
3) \(\forall m_1, m_2, m_3 \in M ((m_1 + m_2) + m_3 = m_1 + (m_2 + m_3))\) (アディション(加法)たちのアソシアティビティ(結合性))
\(\land\)
4) \(\exists 0 \in M (\forall m \in M (m + 0 = m))\) (0要素の存在)
\(\land\)
5) \(\forall m \in M (\exists m' \in M (m' + m = 0))\) (インバース(逆)ベクトルの存在)
\(\land\)
6) \(\forall m \in M, \forall r \in R (r . m \in M)\) (スカラーマルチプリケーション(乗法)下のクローズド(閉じている)性)
\(\land\)
7) \(\forall m \in M, \forall r_1, r_2 \in R ((r_1 + r_2) . m = r_1 . m + r_2 . m)\) (スカラーたちアディション(加法)に対するスカラーマルチプリケーション(乗法)ディストリビュータビリティ(分配性))
\(\land\)
8) \(\forall m_1, m_2 \in M, \forall r \in R (r . (m_1 + m_2) = r . m_1 + r . m_2)\) (要素たちアディション(加法)に対するスカラーマルチプリケーションディストリビュータビリティ(分配性))
\(\land\)
9) \(\forall m \in M, \forall r_1, r_2 \in R ((r_1 r_2) . m = r_1 . (r_2 . m))\) (スカラーマルチプリケーション(乗法)たちのアソシアティビティ(結合性))
\(\land\)
10) \(\forall m \in M (1 . m = m)\) (1マルチプリケーション(乗法)のアイデンティティ(恒等性))
//


2: 自然言語記述


任意のセット(集合)\(M\)で以下の条件たちを満たす任意の\(+: M \times M \to M\)(アディション(加法))オペレーションおよび任意のリング(環)\(R\)に関する任意の\(.: R \times M \to M\)(スカラーマルチプリケーション(乗法))オペレーションを持つもの、つまり、1) 任意の要素たち\(m_1, m_2 \in M\)に対して、\(m_1 + m_2 \in M\) (アディション(加法)下のクローズド(閉じている)性); 2) 任意の要素たち\(m_1, m_2 \in M\)に対して、\(m_1 + m_2 = m_2 + m_1\) (アディション(加法)のコミュータティビティ(可換性)); 3) 任意の要素たち\(m_1, m_2, m_3 \in M\)に対して、\((m_1 + m_2) + m_3 = m_1 + (m_2 + m_3)\) (アディション(加法)たちのアソシアティビティ(結合性)); 4) 以下を満たすある0要素\(0 \in M\)、つまり、各\(m \in M\)に対して、\(m + 0 = m\)、がある (0要素の存在); 5) 任意の要素\(m \in M\)に対して、以下を満たすあるインバース(逆)要素\(m' \in M\)、つまり、\(m' + m = 0\)、がある (インバース(逆)ベクトルの存在); 6) 任意の要素\(m \in M\)および任意のスカラー\(r \in R\)に対して、\(r . m \in M\) (スカラーマルチプリケーション(乗法)下のクローズド(閉じている)性); 7) 任意の要素\(m \in M\)および任意のスカラーたち\(r_1, r_2 \in R\)に対して、\((r_1 + r_2) . m = r_1 . m + r_2 . m\) (スカラーたちアディション(加法)に対するスカラーマルチプリケーション(乗法)ディストリビュータビリティ(分配性)); 8) 任意の要素たち\(m_1, m_2 \in M\)および任意のスカラー\(r \in R\)に対して、\(r . (m_1 + m_2) = r . m_1 + r . m_2\) (要素たちアディション(加法)に対するスカラーマルチプリケーションディストリビュータビリティ(分配性)); 9) 任意の要素\(m \in M\)および任意のスカラーたち\(r_1, r_2 \in R\)に対して、\((r_1 r_2) . m = r_1 . (r_2 . m)\) (スカラーマルチプリケーション(乗法)たちのアソシアティビティ(結合性)); 10) 任意の要素\(m \in M\)に対して、\(1 . m = m\) (1マルチプリケーション(乗法)のアイデンティティ(恒等性))


3: 注


\(.\)は記法としてしばしば省略され、\(r m\)のようになる、\(r . m\)の代わりに。

要件たち1) ~ 10)は実のところベクトルたちスペース(空間)のためのものたちと平行的である; ベクトルたちスペース(空間)とモジュール(加群)の違いはスカラーストラクチャー(構造)がフィールド(体)であるかリング(環)であるかのみである、それは顕著な違いを起こす、なぜなら、例えば、あるモジュール(加群)に対しては、\(r^1 m_1 + r^2 m_2 + r^3 m_3 = 0\)、ここで、\(r^1 \neq 0\)、は\(m_1\)が\(m_2\)および\(m_3\)のリニア(線形)コンビネーションであることを含意しない、なぜなら、\({r^1}^{-1}\)は存在する保障がない。


参考資料


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