2024年10月27日日曜日

836: インバーティブル(可逆)スクウェアマトリックス(正方行列)に対して、最上行から下方へ任意の行まで、各行は、1つの1コンポーネントを持ち他は0であるように、重複のないように変えることができる、マトリックス(行列)をインバーティブル(可逆)に保ちながら

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インバーティブル(可逆)スクウェアマトリックス(正方行列)に対して、最上行から下方へ任意の行まで、各行は、1つの1コンポーネントを持ち他は0であるように、重複のないように変えることができる、マトリックス(行列)をインバーティブル(可逆)に保ちながら、ことの記述/証明

話題


About: マトリックス(行列)

この記事の目次


開始コンテキスト



ターゲットコンテキスト



  • 読者は、任意のインバーティブル(可逆)スクウェアマトリックス(正方行列)に対して、最上行から下方へ任意の行まで、各行は、1つの1コンポーネントを持ち他は0であるように、重複のないように変えることができる、当該マトリックス(行列)をインバーティブル(可逆)に保ちながら、という命題の記述および証明を得る。

オリエンテーション


本サイトにてこれまで議論された定義たちの一覧があります。

本サイトにてこれまで議論された命題たちの一覧があります。


本体


1: 構造化された記述


ここに'構造化された記述'のルールたちがある

エンティティ(実体)たち:
\(F\): \(\in \{\text{ 全てのフィールド(体)たち }\}\)
\(M\): \(\in \{\text{ 全ての } n x n F \text{ インバーティブル(可逆)マトリックス(行列)たち } \}\)、第\(j\)行を\(M^j\)と表記して
//

ステートメント(言明)たち:
\(M^1\)を\((0, ..., 0, 1, 0, ..., 0)\)、ここで、\(1\)は第\(j_1\)列、に変えて、新たなマトリックス(行列)\(N_1\)、インバーティブル(可逆)、にできる。
...
\(M^k\)を\((0, ..., 0, 1, 0, ..., 0)\)、ここで、\(1\)は第\(j_k\)列、に変えて、新たなマトリックス(行列)\(N_k\)、インバーティブル(可逆)、にできる。
\(\land\)
\(\{j_1, ..., j_k\}\)は互いに異なる。
//


2: 注


本命題は、"最上行から下方へ"についてのみ語るが、勿論、中間行たちを変えることもできる、なぜなら、単に、行たちを並び替えて変えようとする行たちを最上位行たちへ移動して、当該最上位行たちを変更し、当該行たちを再並べ替えして元の順序を復元すればよい、インバーティブル(可逆)性を変えることなく。

本命題は、直接には、行たちだけについて語るが、勿論、列たちを変えることもできる、なぜなら、単に、当該マトリックス(行列)をトランスポーズ(転置)し、対応する行たちを変え、トランスポーズ(転置)されたマトリックス(行列)をトランスポーズ(転置)すればよい、インバーティブル(可逆)性を変えることなく。


3: 証明


全体戦略: ステップ1: 任意のスクウェアマトリクス(正方行列)はインバーティブル(可逆)である、もしも、そのデターミナント(行列式)が非ゼロである場合、そしてその場合に限って、ことを見る; ステップ2: \(det M\)を第1行に関してラプラス展開する、\(M^1\)を\((0, ..., 0, 1, 0, ..., 0)\)へ変えて、ここで、\(1\)は第\(j_1\)列、新たなマトリックス(行列)を\(N_1\)とし、\(det N_1 = 1 (-1)^{s_1} det \text{ } m_1 (M) \neq 0\)であることを見る、ここで、\(s_1\)は適切なナチュラルナンバー(自然数)で\(m_1\)は適切なマイナー(小行列)を取るオペレーション; ステップ3: \(det \text{ } m_1 (M)\)を第1行に関してラプラス展開し、\(M^2\)を\((0, ..., 0, 1, 0, ..., 0)\)へ変更し、ここで、\(1\)は第\(j_2\)列、新たなマトリックス(行列)を\(N_2\)とし、\(det N_2 = 1 (-1)^{s_1} 1 (-1)^{s_2} det \text{ } m_2 \circ m_1 (M) \neq 0\)であることを見る、ここで、\(s_2\)および\(m_2\)は同様; ステップ4: \(M^1, ..., M^{l - 1}\)は既に変えられたと仮定し、\(det \text{ } m_{l - 1} \circ ..., \circ m_1 (M)\)を第1行に関してラプラス展開し、\(M^l\)を\((0, ..., 0, 1, 0, ..., 0)\)へ変更し、ここで、\(1\)は第\(j_l\)列、新たなマトリックス(行列)を\(N_l\)とし、\(det N_l = 1 (-1)^{s_1} ... 1 (-1)^{s_l} det \text{ } m_l \circ ... \circ m_1 (M) \neq 0\)であることを見る、ここで、\(s_l\)および\(m_l\)は同様。

ステップ1:

任意のスクウェアマトリクス(正方行列)はインバーティブル(可逆)である、もしも、そのデターミナント(行列式)が非ゼロである場合、そしてその場合に限って、任意のスクウェアマトリクス(正方行列)はインバーティブル(可逆)である、もしも、そのデターミナント(行列式)が非ゼロである場合、そしてその場合に限って、という命題によって。

したがって、私たちがチェックする必要があるのは、\(det N_k \neq 0\)だけである。

ステップ2:

\(det M\)を第1行に関してラプラス展開しよう。

\(det M = M^1_j (-1)^{1 + j} det \text{ } m_{1, j} (M)\)、ここで、\(m_{1, j}\)は、\(1, j\)マイナー(小行列)を取るオペレーションである。

\(det M \neq 0\)であるから、少なくとも1つの\(det \text{ } m_{1, j} (M)\)が非ゼロである、なぜなら、そうでなければ、\(det M = M^1_j (-1)^{1 + j} 0 = 0\)、矛盾。

そうした任意の\(j_1\)を取り、\(M^1\)を\((0, ..., 0, 1, 0, ..., 0)\)へ変え、ここで、\(1\)は第1\(j_1\)列、新たなマトリックス(行列)を\(N_1\)としよう。

すると、\(det N_1 = 1 (-1)^{1 + j_1} det \text{ } m_{1, j_1} (M) \neq 0\): \(m_{1, j_1} (N_1) = m_{1, j_1} (M)\)。

\(s_1 := 1 + j_1\)および\(m_1 := m_{1, j_1}\)と記し、\(det N_1 = 1 (-1)^{s_1} det \text{ } m_1 (M) \neq 0\)となる。

ステップ3:

\(det \text{ } m_1 (M)\)を第1行に関してラプラス展開しよう。

当該第1行は、\(M^2\)の第\(j_1\)列を除いたものである。

ある\(M^2_{j_2} \neq 0\)で対応するマイナー(小行列)\(m_2 \circ m_1 (M)\)デターミナント(行列式)が非ゼロのものがある、なぜなら、そうでなければ、展開の各項はゼロでトータルもゼロであることになる、矛盾。

\(j_2 \neq j_1\)、なぜなら、\(m_1 (M)\)は第\(j_1\)列を除外してある。

\(M^2\)を\((0, ..., 0, 1, 0, ..., 0)\)へ変換し、ここで、\(1\)は第\(j_2\)列、新たなマトリックス(行列)を\(N_2\)としよう。

すると、\(det N_2 = 1 (-1)^{s_1} det \text{ } m_1 (N_1) = 1 (-1)^{s_1} 1 (-1)^{s_2} det \text{ } m_2 \circ m_1 (N_1) = 1 (-1)^{s_1} 1 (-1)^{s_2} det \text{ } m_2 \circ m_1 (M) \neq 0\): \(m_2 \circ m_1 (N_1) = m_2 \circ m_1 (M)\)、なぜなら、両辺たちの各々は\(M_1, M_2\)のどの部分も含まない。

ステップ4:

\(M^1, ..., M^{l - 1}\)は既に変えられており、\(\{j_1, ..., j_{l - 1}\}\)が互いに異なり、\(det N_{l - 1} = 1 (-1)^{s_1} ... 1 (-1)^{s_{l - 1}} det \text{ } m_{l - 1} \circ ... \circ m_1 (M) \neq 0\)であると仮定しよう。

\(det \text{ } m_{l - 1} \circ ... \circ m_1 (M)\)を第1行に関してラプラス展開しよう。

当該第1行は、\(M^l\)の第\(j_1, ..., j_{l - 1}\)列たちを除いたものである。

ある\(M^l_{j_l} \neq 0\)で対応するマイナー(小行列)\(m_l \circ m_{l - 1} \circ ... \circ m_1 (M)\)デターミナント(行列式)が非ゼロのものがある、なぜなら、そうでなければ、展開の各項はゼロでトータルもゼロになる、矛盾。

\(\{j_1, ..., j_l\}\)は互いに異なる、なぜなら、\(m_{l - 1} \circ ... \circ m_1 (M)\)は第\(j_1, ..., j_{l - 1}\)列たちを除外してある。

\(M^l\)を\((0, ..., 0, 1, 0, ..., 0)\)へ変換し、ここで、\(1\)は第\(j_l\)列、新たなマトリックス(行列)を\(N_l\)としよう。

すると、\(det N_l = 1 (-1)^{s_1} det \text{ } m_1 (N_l) = 1 (-1)^{s_1} 1 (-1)^{s_2} det \text{ } m_2 \circ m_1 (N_l) = ... = 1 (-1)^{s_1} ... 1 (-1)^{s_l} det \text{ } m_l \circ ... \circ m_1 (N_l) = 1 (-1)^{s_1} ... 1 (-1)^{s_l} det \text{ } m_l \circ ... \circ m_1 (M) \neq 0\): \(m_l \circ ... \circ m_1 (N_l) = m_l \circ ... \circ m_1 (M)\)、なぜなら、両辺たちの各々は\(M_1, ..., M_l\)のどの部分も含まない。

ステップ5:

したがって、各\(1 \le k \le n\)に対して、\(det N_k \neq 0\)。

\(k = n\)まで下がることができ、\(N_n\)はアイデンティマトリックス(単位行列)を並べ替えたものになる。


参考資料


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