グループ(群)に対して、サブセット(部分集合)と、2個のサブセット(部分集合)たちのインターセクション(共通集合)のプロダクト(積)は、第1サブセット(部分集合)と第2サブセット(部分集合)のプロダクト(積)と第1サブセット(部分集合)と第3サブセット(部分集合)のプロダクト(積)のインターセクション(共通集合)に包含されているが、必ずしもそれに等しくないことの記述/証明
話題
About: グループ(群)
この記事の目次
開始コンテキスト
- 読者は、グループ(群)の定義を知っている。
ターゲットコンテキスト
- 読者は、任意のグループ(群)に対して、任意のサブセット(部分集合)と、任意の2個のサブセット(部分集合)たちのインターセクション(共通集合)のプロダクト(積)は、当該第1サブセット(部分集合)と当該第2サブセット(部分集合)のプロダクト(積)と当該第1サブセット(部分集合)と当該第3サブセット(部分集合)のプロダクト(積)のインターセクション(共通集合)に包含されているが、必ずしもそれに等しくないという命題の記述および証明を得る。
オリエンテーション
本サイトにてこれまで議論された定義たちの一覧があります。
本サイトにてこれまで議論された命題たちの一覧があります。
本体
1: 構造化された記述
ここに'構造化された記述'のルールたちがある。
エンティティ(実体)たち:
\(G\): \(\in \{\text{ 全てのグループ(群)たち }\}\)
\(S_1\): \(\subseteq G\)
\(S_2\): \(\subseteq G\)
\(S_3\): \(\subseteq G\)
//
ステートメント(言明)たち:
\(S_1 (S_2 \cap S_3) \subseteq (S_1 S_2) \cap (S_1 S_3)\)
//
2: 証明
全体戦略: ステップ1: \(g \in S_1 (S_2 \cap S_3)\)を任意のものとし、\(g \in (S_1 S_2) \cap (S_1 S_3)\)であることを見る; ステップ2: \(S_1 (S_2 \cap S_3) \subset (S_1 S_2) \cap (S_1 S_3)\)である1例を見る。
ステップ1:
\(g \in S_1 (S_2 \cap S_3)\)を任意のものとしよう。
\(g = s_1 s\)、ここで、\(s_1 \in S_1\)および\(s \in S_2 \cap S_3\)。
\(g = s_1 s \in S_1 S_2\)、なぜなら、\(s \in S_2\)、そして、\(g = s_1 s \in S_1 S_3\)、なぜなら、\(s \in S_3\)。
したがって、\(g \in (S_1 S_2) \cap (S_1 S_3)\)。
ステップ2:
任意の\(g \in (S_1 S_2) \cap (S_1 S_3)\)に対して、\(g \in S_1 (S_2 \cap S_3)\)は必ずしも成立しない、なぜなら、\(g = s_1 s_2 = s'_1 s_3\)、ここで、\(s_1, s'_1 \in S_2\)および\(s_2 \in S_2\)および\(s_3 \in S_3\)、しかし、一般に\(s_1 \neq s'_1\)であるから、\(g\)は、一般に\(s''_1 s\)と表わすことができない。
例えば、\(G = \mathbb{Z}\)をアディティブグループ(加群)とし、\(S_1 = \{0, 1\}\)、\(S_2 = \{3, 4\}\)、\(S_3 = \{5, 6\}\)としよう。
すると、\(S_1 (S_2 \cap S_3) = \{0, 1\} (\{3, 4\} \cap \{5, 6\}) = \{0, 1\} \emptyset = \emptyset\)および\((S_1 S_2) \cap (S_1 S_3) = \{0, 1\} \{3, 4\} \cap \{0, 1\} \{5, 6\} = \{3, 4, 5\} \cap \{5, 6, 7\} = \{5\}\)。