2022年4月24日日曜日

278: C^1ファンクション(関数)たちのポイントにおけるデライベイション(微分)とディレクショナル(方向)デリバティブ(微分)の等価性

<このシリーズの前の記事 | このシリーズの目次 | このシリーズの次の記事>

\(C^1\)ファンクション(関数)たちのポイントにおけるデライベイション(微分)とディレクショナル(方向)デリバティブ(微分)の等価性の記述/証明

話題


About: \(C^\infty\)マニフォールド(多様体)

この記事の目次


開始コンテキスト



ターゲットコンテキスト



  • 読者は、任意の、\(C^1\)ファンクション(関数)たちのポイントにおけるデライベイション(微分)と、それに対応するディレクショナル(方向)デリバティブ(微分)の等価性の記述および証明を得る。

オリエンテーション


本サイトにてこれまで議論された定義の一覧があります。

本サイトにてこれまで議論された命題の一覧があります。


本体


1: 記述


任意の\(C^\infty\)マニフォールド(多様体)M、任意のポイント\(p \in M\)、\(C^1\)ファンクション(関数)たちのpにおけるデライベイション(微分)の集合\(\mathfrak{D}^1_p (M)\)、ディレクショナル(方向)デリバティブ(微分)の集合\(T_pM\)に対して、任意のチャート上でのマップ(写像)\(\phi: T_pM \rightarrow \mathfrak{D}^1_p (M)\), \(\frac{d f ({v^i t})}{d t} \mapsto v^i \frac{\partial f}{\partial x_i}\)、ここで\({v^i}\)は実数の任意のコンビネーション、はアイソモーフィズム(同形写像)で、それは実際にはチャートの選択に依存せず、任意の\(C^1\)ファンクション(関数)に対して同じ結果を与える。


2: 証明


任意のディレクショナル(方向)デリバティブ(微分)を、ユニークな\({v^1, v^2, . . ., v^n}\)で\(c (t) = {v^1 t, v^2 t, . . ., v^n t}\)によって代表させることができる、なぜなら、カーブのpにおけるタンジェント(接線)のみが問題だから。\(v^i \frac{\partial f}{\partial x_i}\)は、pにおけるデライベイション(微分)であり、なぜなら、\(v^i \frac{\partial f g}{\partial x_i} = v^i \frac{\partial f}{\partial x^i} g + f v^i \frac{\partial g}{\partial x^i}\)、ライプニッツルールを満たして。そのマップ(写像)は、インジェクション(単射)である、なぜなら、2つの異なる\({v_1^1, v_1^2, . . ., v_1^n}\)および\({v_2^1, v_2^2, . . ., v_2^n}\)にfを\(x^i\)として、結果は、\(v_1^i\)および\(v_2^i\)、それはあるiに対して異なる。そのマップ(写像)はサージェクション(全射)である、なぜなら、テイラーの剰余付き定理にによって、任意の\(C^1\)ファンクション(関数)fは、\(f (x) = f (p) + (x^i - p^i) f_{r_i} (x)\)を満たす、ここで\(f_{r_i} (p) = \frac{\partial f}{\partial x^i} (p)\)。その両サイドに、pにおける任意のデライベイション(微分)を作用させると、\(D_v (f (x))|_p = (D_v ( (x^i - p^i)))|_p f_{r_i} (p) + (p^i - p^i) (D_v (f_{r_i} (x))|_p = (D_v (x^i - p^i))|_p f_{r_i} (p) + 0 = (D_v (x^i))|_p \frac{\partial f}{\partial x^i}|_p\)。したがって、pにおける任意のデライベイション(微分)を、\((v^1, v^2, . . ., v^n) = (D_v (x^1)|_p, D_v (x^2)|_p, . . ., D_v (x^n)|_p)\)を用いて代表させることができる。

任意のデライベイション(微分)の結果は、対応するディレクショナル(方向)デリバティブ(微分)のそれと同一である、なぜなら、\(\frac{d f ({v^i t})}{d t} = \frac{\partial f (x)}{\partial x^i} v_i\)、チェインルール(連鎖法則)によって。

そのアイソモーフィズム(同形写像)は、チャートの選択に依存しない、なぜなら、ディレクショナル(方向)デリバティブ(微分)は選択に依存せず、デライベイション(微分)は、選択に依存しないディレクショナル(方向)デリバティブ(微分)に等価だから。


3: 注


\(C^\infty\)ファンクション(関数)たちのポイントにおけるデライベイション(微分)は、ディレクショナル(方向)デリバティブ(微分)の、ドメイン(定義域)を\(C^\infty\)ファンクション(関数)たちに制限したものと等価である、なぜなら、任意の\(C^\infty\)ファンクション(関数)は\(C^1\)ファンクション(関数)であり、当該マップ(写像)\(\frac{d f ({v^i t})}{d t} \mapsto v^i \frac{\partial f}{\partial x_i}\)は任意の\(C^\infty\)ファンクション(関数)に対して通用し、インジェクティブ性とサージェクティブ性は保持され(なぜなら、\(C^1\)ファンクション(関数)たちに対する証明に使われた材料はこのケースにも使えるから: \(x^i\)は、\(C^1\)であると同時に\(C^\infty\)でもあり、テイラーの定理は、\(C^\infty\)ファンクション(関数)(\(C^1\)ファンクション(関数)である)にも通用する)、両サイドは、ドメイン(定義域)が制限されただけで同一の結果を与える。"ディレクショナル(方向)デリバティブ(微分)の、ドメイン(定義域)を\(C^\infty\)ファンクション(関数)たちに制限したもの"と言わなければならない、なぜなら、\(C^\infty_p (M) \rightarrow \mathbb{R}\)は、\(C^1_p (M) \rightarrow \mathbb{R}\)と厳密に等価であるとは言えないから。


参考資料


<このシリーズの前の記事 | このシリーズの目次 | このシリーズの次の記事>