2022年11月13日日曜日

396: クウォシェント(商)マップ(写像)のユニバーサルプロパティ

<このシリーズの前の記事 | このシリーズの目次 | このシリーズの次の記事>

クウォシェント(商)マップ(写像)のユニバーサルプロパティの記述/証明

話題


About: トポロジカルスペース(空間)

この記事の目次


開始コンテキスト



ターゲットコンテキスト



  • 読者は、クウォシェント(商)のユニバーサルプロパティ: 任意のトポロジカルスペース(空間)間サージェクション(全射)は、クウォシェント(商)マップ(写像)である、もしも、以下を満たす任意の追加のマップ(写像)、つまり、それは元のマップ(写像)のコドメイン(余域)から 任意の追加のトポロジカルスペース(空間)へのマップ(写像)である、がコンティヌアス(連続)であるのは、もしも、元のマップ(写像)の後の追加マップ(写像)のコンポジション(合成)がコンティヌアス(連続)である場合、そしてその場合に限る、である場合、そしてその場合に限って、の記述および証明を得る。

オリエンテーション


本サイトにてこれまで議論された定義の一覧があります。

本サイトにてこれまで議論された命題の一覧があります。


本体


1: 記述


任意のトポロジカルスペース(空間)たち\(T_1, T_2\)、任意のサージェクション(全射)\(f_1: T_1 \rightarrow T_2\)に対して、\(f_1\)はクウォシェント(商)マップ(写像)である、もしも、任意のトポロジカルスペース(空間)\(T_3\)および任意のマップ(写像)\(f_2: T_2 \rightarrow T_3\)に対して、\(f_2\)がコンティヌアス(連続)であるのは、もしも、\(f_2 \circ f_1: T_1 \rightarrow T_3\)がコンティヌアス(連続)である場合、そしてその場合に限る、である場合、そしてその場合に限って。


2: 証明


\(f_1\)はクウォシェント(商)マップ(写像)であると仮定する。\(f_2\)はコンティヌアス(連続)であると仮定する。すると、\(f_2 \circ f_1\)は、コンティヌアス(連続)マップ(写像)たちのコンパウンド(合成)としてコンティヌアス(連続)である。\(f_2 \circ f_1\)はコンティヌアス(連続)であると仮定する。すると、任意のオープンセット(開集合)\(U \subseteq T_3\)に対して、\({f_2 \circ f_1}^{-1} (U) = {f_1}^{-1} \circ {f_2}^{-1} (U) = {f_1}^{-1} ({f_2}^{-1} (U))\)はオープン(開)である。クウォシェント(商)マップ(写像)の定義によって、\({f_2}^{-1} (U)\)はオープン(開)である、したがって、\(f_2\)はコンティヌアス(連続)である。

任意のトポロジカルスペース(空間)\(T_3\)および任意のマップ(写像)\(f_2: T_2 \rightarrow T_3\)に対して、\(f_2\)がコンティヌアス(連続)であるのは、もしも、\(f_2 \circ f_1: T_1 \rightarrow T_3\)がコンティヌアス(連続)である場合、そしてその場合に限る、と仮定する。\(T_3 = T_2\)と取り、\(f_2: T_2 \rightarrow T_2\)をアイデンティティマップ(恒等写像)、コンティヌアス(連続)、として取ろう。したがって、\(f_2 \circ f_1 = f_1: T_1 \rightarrow T_2\)はコンティヌアス(連続)である。\(T_3 := T_1 / f_1\)と取ろう、それは。\(T_1\)のクウォシェント(商)スペース(空間)であり、任意のペア\(p_1, p_2 \in T_1, f_1 (p_1) = f_1 (p_2)\)が同定されるものである。\(f_2: f_1 (p) \mapsto [p]\)と取ろう、それは明らかにバイジェクティブ(全単射)である。\(f_2 \circ f_1\)は、実際のところ当該クウォシェント(商)スペース(空間)へのカノニカルマップ(写像)であり、コンティヌアス(連続)である、なぜなら、任意のオープンセット(開集合)\(U \subseteq T_3\)に対して、\((f_2 \circ f_1)^{-1} (U)\)はオープン(開)である、クウォシェント(商)トポロジーの定義によって。したがって、仮定によって、\(f_2\)はコンティヌアス(連続)である。さて、任意のサブセット(部分集合)\(S \subseteq T_2\)に対して、もしも、\({f_1}^{-1} (S)\)がオープン(開)であれば、\(f_2 \circ f_1 ({f_1}^{-1} (S))\)はオープン(開)である、クウォシェント(商)トポロジーによって、なぜなら、\({f_1}^{-1} (S) = (f_2 \circ f_1)^{-1} (f_2 \circ f_1 ({f_1}^{-1} (S))\)、その理由は、任意の\(p \in {f_1}^{-1} (S)\)に対して、\(f_2 \circ f_1 (p) \in f_2 \circ f_1 ({f_1}^{-1} (S))\)、したがって、\(p \in (f_2 \circ f_1)^{-1} (f_2 \circ f_1 ({f_1}^{-1} (S))\)、そして、任意の\(p \in (f_2 \circ f_1)^{-1} (f_2 \circ f_1 ({f_1}^{-1} (S))\)に対して、\(f_2 \circ f_1 (p) \in f_2 \circ f_1 ({f_1}^{-1} (S))\)、しかし、\(f_2\)はバイジェクティブ(全単射)であるので、\(f_1 (p) \in f_1 ({f_1}^{-1} (S))\)、しかし、\(f_1\)はサージェクティブ(全射)であるので、任意のマップ(写像)に対して、任意のサブセット(部分集合)のマップ(写像)後のプリイメージ(前像)のコンポジション(合成)はアイデンティカル(恒等)である、もしも、それが引数セット(集合)に包含されている場合、そしてその場合に限って、という命題によって、\(f_1 \circ {f_1}^{-1} (S) = S\)、したがって、\(f_1 (p) \in S\)。\(S = {f_2}^{-1} ((f_2 \circ f_1 ({f_1}^{-1} (S)))\)、なぜなら、\(f_2\)はバイジェクティブ(全単射)であるから、しかし、\(f_2\)はコンティヌアス(連続)であるので、\(S\)はオープン(開)である。


参考資料


<このシリーズの前の記事 | このシリーズの目次 | このシリーズの次の記事>