グループ(群)ホモモーフィズム(準同形写像)に対するファンダメンタル(基本的)定理の記述/証明
話題
About: グループ(群)
この記事の目次
開始コンテキスト
- 読者は、グループ(群)の定義を知っている。
- 読者は、ノーマル(正規)サブグループ(群)の定義を知っている。
- 読者は、グループ(群)のノーマル(正規)サブグループ(群)によるクウォシェント(商)グループ(群)の定義を知っている。
- 読者は、%ストラクチャー(構造)種類名%ホモモーフィズム(準同形写像)の定義を知っている。
- 読者は、任意のグループ(群)たちマップ(写像)でアイデンティティをアイデンティティへマップ(写像)し任意のマルチプリケーション(積)をマルチプリケーション(積)へマップ(写像)するものはグループ(群)ホモモーフィズム(準同形写像)であるという命題を認めている。
ターゲットコンテキスト
- 読者は、グループ(群)ホモモーフィズム(準同形写像)に対するファンダメンタル(基本的)定理: 任意のグループ(群)(第1グループ(群))、当該グループ(群)の任意のノーマル(正規)サブグループ(群)(第2グループ(群))によるクウォシェント(商)グループ(群)、第1グループ(群)から任意のグループ(群)(第3グループ(群))の中への任意のグループ(群)ホモモーフィズム(準同形写像)( 第1グループ(群)ホモモーフィズム(準同形写像))でそのカーネルが第2グループ(群)を包含するものに対して、当該クウォシェント(商)グループ(群)から第3グループ(群)の中への以下を満たすユニークなグループ(群)ホモモーフィズム(準同形写像)(第2ホモモーフィズム(準同形写像))、つまり、第1グループ(群)ホモモーフィズム(準同形写像)は第1グループ(群)から当該クウォシェント(商)グループ(群)の上へのカノニカル(自然な)ホモモーフィズム(準同形写像)の後に第2グループ(群)ホモモーフィズム(準同形写像)を作用させるコンポジション(合成)である、があるという命題の記述および証明を得る。。
オリエンテーション
本サイトにてこれまで議論された定義の一覧があります。
本サイトにてこれまで議論された命題の一覧があります。
本体
1: 記述
任意のグループ(群)\(G_1\)、任意のノーマル(正規)サブグループ(部分群)\(G_2 \subseteq G_1\)、\(G_1\)の\(G_2\)によるクウォシェント(商)グループ(群)\(G_1/G_2\)、カノニカル(自然な)グループ(群)ホモモーフィズム(準同形写像)\(\pi: G_1 \to G_1/G_2\)、任意のグループ(群)\(G_3\)、以下を満たす任意のグループ(群)ホモモーフィズム(準同形写像)\(f: G_1 \to G_3\)、つまり、\(G_2 \subseteq ker f\)、に対して、以下を満たすユニークなグループ(群)ホモモーフィズム(準同形写像)\(f': G_1/G_2 \to G_3\)、つまり、\(f = f' \circ \pi\)、がある。
2: 証明
任意の\(g \in G_1\)に対して、(f' := g G_2 \mapsto f (g)\)を定義しよう。\(f'\)は\(g G_2\)からの\(g\)の選択に依存しないことを確かめよう。任意の2要素たち\(g', g'' \in g G_2\)に対して、\(g' G_2 = g'' G_2\)であるから、以下を満たす\(g'_2, g''_2 \in G_2\)、つまり、\(g' g'_2 = g'' g''_2\)、がある。\(g'' = g' g'_2 {g''_2}^{-1}\)。\(f (g'') = f (g' g'_2 {g''_2}^{-1}) = f (g') f (g'_2 {g''_2}^{-1}) = f (g')\)、なぜなら、\(f\)はグループ(群)ホモモーフィズム(準同形写像)であり\(G_2 \subseteq ker f\)。したがって、\(f'\)は選択に依存しない。任意の\(g \in G_1\)に対して\(f' \circ \pi (g) = f' (g G_2) = f (g)\)、したがって、\(f' \circ \pi = f\)。
\(f'\)はグループ(群)ホモモーフィズム(準同形写像)であることを確かめよう。\(f' (e G_2) = f (e) = e\)、ここで、\(e\)はアイデンティティ要素たち。\(f' ((g' G_2) (g'' G_2)) = f' (g' g'' G_2) = f (g' g'') = f (g') f (g'') = f' (g' G_2) f' (g'' G_2)\)。したがって、\(f'\)はグループ(群)ホモモーフィズム(準同形写像)である、任意のグループ(群)たちマップ(写像)でアイデンティティをアイデンティティへマップ(写像)し任意のマルチプリケーション(積)をマルチプリケーション(積)へマップ(写像)するものはグループ(群)ホモモーフィズム(準同形写像)であるという命題によって。
\(f'\)はユニークであることを確かめよう。別の\(f''\)があったと仮定しよう。\(f' \circ \pi = f'' \circ \pi\)、\(f' \circ \pi (g) = f' (g G_2) = f'' \circ \pi (g) = f'' (g G_2)\)。したがって、\(f' = f''\)。