2024年6月23日日曜日

642: コミュータティブ(可換)リング(環)のサブセット(部分集合)の最小共通マルチプル(倍)たち

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コミュータティブ(可換)リング(環)のサブセット(部分集合)の最小共通マルチプル(倍)たちの定義

話題


About: リング(環)

この記事の目次


開始コンテキスト



ターゲットコンテキスト



  • 読者は、コミュータティブ(可換)リング(環)のサブセット(部分集合)の最小共通マルチプル(倍)たちの定義を得る。

オリエンテーション


本サイトにてこれまで議論された定義たちの一覧があります。

本サイトにてこれまで議論された命題たちの一覧があります。


本体


1: 構造化された記述


ここに'構造化された記述'のルールたちがある

エンティティ(実体)たち:
\( R\): \(\in \{\text{ 全てのリング(環)たち }\}\)
\( S\): \(\subseteq R\)
\( S'\): \(= \{m' \in R \vert \forall p \in S (\exists q \in R (m = q p))\}\)
\(*lcm (S)\): \(= \{m \in S' \vert \forall m' \in S' (\exists q \in R (m' = q m))\}\)
//

コンディションたち:
//

\(S'\)は、"\(S\)の共通マルチプル(倍)たちのセット(集合)"と呼ばれる。


2: 自然言語記述


任意のリング(環)、\(R\)の任意のサブセット(部分集合)\(S\)、\(S\)の全ての共通マルチプル(倍)たちのセット(集合)\(S' := \{m' \in R \vert \forall p \in S (\exists q \in R (m = q p))\}\)に対して、\(lcm (S) := \{m \in S' \vert \forall m' \in S' (\exists q \in R (m' = q m))\}\)


3: 注


本定義は、\(R\)が何のオーダー(順序)を持つことも要求しない: "最小"は何のオーダー(順序)に準拠したものでもない。

\(S = \emptyset\)は除外されていない、それが役に立つとは特に想定されていないが。

\(S = \emptyset\)である時、空虚に、\(S' = R\)、そして、\(1 \in lcm (S)\)、なぜなら、各\(d' \in S'\)に対して\(d' = d' 1\); もしも、\(0 \in lcm (S)\)である場合、\(lcm (S) = \{0\}\)、なぜなら、\(d' = q 0 = 0\)、それは、\(1 \in lcm (S)\)に矛盾しない、なぜなら、それが意味するのは\(1 = 0\)であり、それが意味するのは、\(R = \{0 = 1\}\); \(lcm (S)\)が他に何たちを持つかは\(R\)に依存する: \(d\)がユニットである時は、\(d' = d' d^{-1} d\)、したがって、\(d \in lcm (S)\); しかし、そうでなければ、以下を満たすある\(q \in R\)、つまり、各\(d' \in R'\)に対して\(d' = q d\)、があるかどうかは明らかでない。

これ以降、\(S \neq \emptyset\)であると仮定しよう。

常に、\(0 \in S'\): 各\(p \in S\)に対して\(0 = 0 p\)。

しかし、\(0 \in lcm (S)\)である時は、\(lcm (S) = \{0\}\): 各\(m' \in S'\)に対して\(m' = 0 = q 0\)、したがって、\(S' = \{0\}\)。

\(S\)はファイナイト(有限)である時、\(\prod_{p_j \in S} p_j \in S'\): \(\forall p_k \in S (\prod_{p_j \in S} p_j = (\prod_{p_j \in S \setminus \{p_k\}} p_j) p k)\)。

\(lcm (S)\)は空かもしれないし複数要素たちを持つかもしれない。

もしも、\(0 \in S\)である場合、\(S' = \{0\}\): 各\(q \in R\)に対して\(0 = q 0\)。逆は必ずしも真ではない: 1つの反例として、\(R = \mathbb{Z} / (6 \mathbb{Z})\)および\(S = \{[2], [3]\}\)としよう、すると、\(S' = \{[0]\}\): \([2]\)のマルチプル(倍)たちは、\([2 * 0] = [0], [2 * 1] = [2], [2 * 2] = [4], [2 * 3] = [6] = [0], [2 * 4] = [8] = [2], [2 * 5] = [10] = [4]\)で、\([3]\)のマルチプル(倍)たちは、\([3 * 0] = [0], [3 * 1] = [3], [3 * 2] = [6] = [0], [3 * 3] = [9] = [3], [3 * 4] = [12] = [0], [3 * 5] = [15] = [3]\)。

もしも、\(S' = \{0\}\)である場合、そしてその場合に限って、\(lcm (S) = \{0\}\): もしも、\(S' = \{0\}\)である場合、\(0 = 0 0\)、したがって、\(0 \in lcm (S)\)、その一方で、\(lcm (S)\)は\(S'\)のサブセット(部分集合)である; もしも、\(lcm (S) = \{0\}\)である場合、\(\{0\} \subseteq S'\)、しかし、各\(q \in R\)に対して\(0 = q 0\)であるから、\(0\)だけが\(S'\)の中にいることができる。

本定義は、'インテジャー(整数)たちのサブセット(部分集合)の最小共通マルチプル(倍)'へ厳密には特殊化しない: \(\mathbb{Z}\)の\(\{2, 3\}\)の、本定義による、最小共通マルチプル(倍)たちは、\(\{-6, 6\}\)である(\(-6 = (-3) 2\); \(-6 = (-2) 3\); \(6 = (-1) (-6)\))、その一方で、\(\{2, 3\}\)の、'インテジャー(整数)たちのサブセット(部分集合)の最小共通マルチプル(倍)'による、最小共通マルチプル(倍)は、\(6\)である。


参考資料


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