2024年7月21日日曜日

693: \(d_1\)ディメンショナル(次元)ユークリディアン\(C^\infty\)マニフォールド(多様体)のオープンサブセット(開部分集合)に対して、\(d_2\)ディメンショナル(次元)ユークリディアン\(C^\infty\)マニフォールド(多様体)の中への\(C^\infty\)マップ(写像)を、1ディメンショナル(次元)ユークリディアン\(C^\infty\)マニフォールド(多様体)の中へのゼロにならない\(C^\infty\)マップ(写像)で割ったものは、\(C^\infty\)である

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\(d_1\)ディメンショナル(次元)ユークリディアン\(C^\infty\)マニフォールド(多様体)のオープンサブセット(開部分集合)に対して、\(d_2\)ディメンショナル(次元)ユークリディアン\(C^\infty\)マニフォールド(多様体)の中への\(C^\infty\)マップ(写像)を、1ディメンショナル(次元)ユークリディアン\(C^\infty\)マニフォールド(多様体)の中へのゼロにならない\(C^\infty\)マップ(写像)で割ったものは、\(C^\infty\)であることの記述/証明

話題


About: \(C^\infty\)マニフォールド(多様体)

この記事の目次


開始コンテキスト



ターゲットコンテキスト



  • 読者は、\(d_1\)ディメンショナル(次元)ユークリディアン\(C^\infty\)マニフォールド(多様体)の任意のオープンサブセット(開部分集合)に対して、\(d_2\)ディメンショナル(次元)ユークリディアン\(C^\infty\)マニフォールド(多様体)の中への任意の\(C^\infty\)マップ(写像)を、1ディメンショナル(次元)ユークリディアン\(C^\infty\)マニフォールド(多様体)の中への任意のゼロにならない\(C^\infty\)マップ(写像)で割ったものは、\(C^\infty\)であるという命題の記述および証明を得る。

オリエンテーション


本サイトにてこれまで議論された定義たちの一覧があります。

本サイトにてこれまで議論された命題たちの一覧があります。


本体


1: 構造化された記述


ここに'構造化された記述'のルールたちがある

エンティティ(実体)たち:
\(\mathbb{R}^{d_1}\): \(= \text{ ユークリディアン } C^\infty \text{ マニフォールド(多様体) }\)
\(U\): \(\in \{\mathbb{R}^{d_1} \text{ の全てのオープンサブセット(開部分集合)たち } \}\)
\(\mathbb{R}^{d_2}\): \(= \text{ ユークリディアン } C^\infty \text{ マニフォールド(多様体) }\)
\(\mathbb{R}\): \(= \text{ ユークリディアン } C^\infty \text{ マニフォールド(多様体) }\)
\(f_1\): \(: U \to \mathbb{R}^{d_2}\), \(\in \{\text{ 全ての } C^\infty \text{ マップ(写像)たち }\}\)
\(f_2\): \(: U \to \mathbb{R}\), \(\in \{\text{ 全ての } C^\infty \text{ マップ(写像)たち }\}\)
//

ステートメント(言明)たち:
\(\forall p \in U (f_2 (p) \neq 0)\)
\(\implies\)
\(f_1 / f_2: U \to \mathbb{R}^{d_2} \in \{\text{ 全ての } C^\infty \text{ マップ(写像)たち }\}\)
//


2: 自然言語記述


ユークリディアン\(C^\infty\)マニフォールド(多様体)\(\mathbb{R}^{d_1}\)、任意のオープンサブセット(開部分集合)\(U \subseteq \mathbb{R}^{d_1}\)、ユークリディアン\(C^\infty\)マニフォールド(多様体)\(\mathbb{R}^{d_2}\)、ユークリディアン\(C^\infty\)マニフォールド(多様体)\(\mathbb{R}\)、任意の\(C^\infty\)マップ(写像)\(f_1: U \to \mathbb{R}^{d_2}\)、任意の\(C^\infty\)マップ(写像)\(f_2: U \to \mathbb{R}\)に対して、もしも、\(f_2\)が\(U\)上でゼロにならない場合、\(f_1 / f_2: U \to \mathbb{R}^{d_2}\)は\(C^\infty\)マップ(写像)である。


3: 証明


全体戦略: ステップ1: 命題: \(f_1 / f_2\)は\(C^1\)であり、デリバティブ(導関数)は、ある\(C^\infty\)マップ(写像)をゼロにならないある\(C^\infty\)マップ(写像)で割ったものである、を証明する; ステップ2: インダクション(帰納法)にて、命題: \(f_1 / f_2\)は\(C^n\)であり、\(n\)次デリバティブ(導関数)は、ある\(C^\infty\)マップ(写像)をゼロにならないある\(C^\infty\)マップ(遮像)で割ったものである、を証明する; ステップ3: 本記事の命題を結論する。

ユークリディアン\(C^\infty\)マニフォールド(多様体)のオープンサブセット(開部分集合)からユークリディアン\(C^\infty\)マニフォールド(多様体)のサブセット(部分集合)の中へのマップ(写像)でポイントにおいて\(C^k\)なもの、ここで、\(k\)を\(0\)を除外し\(\infty\)を含む、の定義に対する"注"内で記述されているとおり、当該定義内に挙げられている\(U_p\)は\(U\)であると取ることができる。したがって、これ以降私たちはそうする。

注意として、これ以降の\(f^k\)のような上付き文字たちは\((f_2)^2\)を除き\(k\)番目コンポーネントたちであって、乗数たちではない。

ステップ1:

命題: \(f_1 / f_2\)は\(C^1\)であり、デリバティブ(導関数)はある\(C^\infty\)マップ(写像)をゼロにならないある\(C^\infty\)マップ(写像)で割ったものである、を証明しよう。

\(U\)上で、\(\partial_j (f_1 / f_2)^k = \partial_j ({f_1}^k / f_2) = ((\partial_j {f_1}^k) f_2 - {f_1}^k \partial_j f_2) / (f_2)^2\)、それはコンティニュアス(連続)である、なぜなら、\(\partial_j {f_1}^k\)、\(f_2\)、\({f_1}^k\)、\(\partial_j f_2\)、\((f_2)^2\)はコンティニュアス(連続)であり、\((f_2)^2\)はゼロにならない。\((\partial_j {f_1}^k) f_2 - {f_1}^k \partial_j f_2\)は\(C^\infty\)である、なぜなら、\(\partial_j {f_1}^k\)、\(f_2\)、\({f_1}^k\)、\(\partial_j f_2\)は\(C^\infty\)である。\((f_2)^2\)はゼロにならない\(C^\infty\)である。

したがって、当該命題は証明された。

ステップ2:

インダクション(帰納法)にて、命題: \(f_1 / f_2\)は\(C^n\)であり、\(n\)次デリバティブ(導関数)は、ある\(C^\infty\)マップ(写像)をゼロにならないある\(C^\infty\)マップ(遮像)で割ったものである、を証明しよう。

\(n = 1\)に対しては、ステップ1の命題がそれを証明した。

\(n = n' - 1\)まで当該命題を仮定し、\(n = n'\)のことを考えよう。

\(n' - 1\)次デリバティブ(導関数)を\(g_1 / g_2\)としよう。\(g_1 / g_2\)はステップ1の命題の条件を満たしている、したがって、それは\(C^1\)であり、当該デリバティブ(導関数)は、ある\(C^\infty\)マップ(写像)をゼロにならないある\(C^\infty\)マップ(写像)で割ったものである。それが意味するのは、\(f_1 / f_2\)は\(C^{n'}\)で、\(n'\)次デリバティブ(導関数)は、ある\(C^\infty\)マップ(写像)をゼロにならないある\(C^\infty\)マップ(写像)で割ったものである、ということ。

したがって、当該命題は証明された。

ステップ3:

ステップ2の命題は、即座に、本記事の命題を含意する。


参考資料


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