2024年7月21日日曜日

684: インテグラルドメイン(整域)上方のポリノミアル(多項式)たちリング(環)はインテグラルドメイン(整域)である

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インテグラルドメイン(整域)上方のポリノミアル(多項式)たちリング(環)はインテグラルドメイン(整域)であることの記述/証明

話題


About: リング(環)

この記事の目次


開始コンテキスト



ターゲットコンテキスト



  • 読者は、任意のインテグラルドメイン(整域)上方の任意のポリノミアル(多項式)たちリング(環)はインテグラルドメイン(整域)であるという命題の記述および証明を得る。

オリエンテーション


本サイトにてこれまで議論された定義たちの一覧があります。

本サイトにてこれまで議論された命題たちの一覧があります。


本体


1: 構造化された記述


ここに'構造化された記述'のルールたちがある

エンティティ(実体)たち:
\(R\): \(\in \{\text{ 全てのインテグラルドメイン(整域)たち }\}\)
\(R [x]\): \(= R \text{ 上方のポリノミアル(多項式)たちリング(環) }\)
//

ステートメント(言明)たち:
\(R [x]\): \(\in \{\text{ 全てのインテグラルドメイン(整域)たち }\}\)
//


2: 自然言語記述


任意のインテグラルドメイン(整域)\(R\)に対して、\(R\)上方のポリノミアル(多項式)たちリング(環)\(R [x]\)はインテグラルドメイン(整域)である。


3: 証明


全体戦略: ステップ1: \(R [x]\)は非ゼロコミュータティブ(可換)リング(環)であることを見る; ステップ2: 任意の2要素たちのマルチプリケーション(積)が0であることは当該要素たちの内の1つが0であることを含意する、という資格を証明する。

ステップ1:

\(R\)は非ゼロであるから、\(R [x]\)は非ゼロである、なぜなら、\(R\)の任意の非ゼロ要素は\(R [x]\)内にコンスタント(定数)として含まれている。

\(R [x]\)はコミュータティブ(可換)リング(環)である、コミュータティブ(可換)リング(環)上方のポリノミアル(多項式)たちリング(環)の定義に対する"注"内に示されているとおり。

ステップ 2:

以下を満たす各\(p (x), p' (x) \in R [x]\)、つまり、\(p (x) p' (x) = 0\)、に対して、\(p (x) = 0\) or \(p' (x) = 0\)であることを証明しよう。

ステップ2戦略: ステップ2-1: \(p (x)\)はn次で特定のコエフィシェント(係数)たちを持ち\(0 \le n\)および\(p (x) \neq 0\)であり、\(p' (x)\)はm次で特定のコエフィシェント(係数)たちを持つと仮定し、\(p' (x) = 0\)であることを見る; ステップ2-2: \(p' (x)\)はm次で特定のコエフィシェント(係数)たちを持ち\(0 \le m\)および\(p' (x) \neq 0\)であり、\(p (x)\)はn次で特定のコエフィシェント(係数)たちを持つと仮定し、\(p (x) = 0\)であることを見る。

実のところ、ステップ2-2は、\(R [x]\)はコミュータティブ(可換)であるという知られた事実によって不必要である、しかし、それにかかわらず私たちはそれをする、楽しみのために。

ステップ2-1:

\(p (x) = p_n x^n + ...+ p_0\)で\(p_n \neq 0\)および\(p' (x) = p'_m x^m + ... + p'_0\)であると仮定しよう。\(p_n\)は、\(n = 0\)である時\(p_0\)であるかもしれない。\(p' (x)\)に対する仮定は、\(p' (x)\)は\(m\)に等しいか小さい次数のものであることを意味し、それは一般性を失わない。

\(p_n p'_m\)は\(0\)でなければならない、なぜなら、それは、\(n + m\)次のコエフィシェント(係数)である、それが含意するのは、\(p'_m = 0\)、なぜなら、\(p_n \neq 0\)で\(R\)はインテグラルドメイン(整域)である。

すると、\(p_n p'_{m - 1}\)は\(0\)でなければならない、なぜなら、それは、\(n + m - 1\)次のコエフィシェント(係数)である、それが含意するのは、\(p'_{m - 1} = 0\)、なぜなら、\(p_n \neq 0\)および\(R\)はインテグラルドメイン(整域)である。

等々と続く、結局、\(p_n p'_0\)は\(0\)でなければならない、なぜなら、それは、\(n\)次のコエフィシェント(係数)である、それが含意するのは、\(p'_0 = 0\)、なぜなら、\(p_n \neq 0\)で\(R\)はインテグラルドメイン(整域)である。

したがって、\(p' (x)\)の全てのコエフィシェント(係数)たちは\(0\)である、したがって、\(p' (x) = 0\)。

ステップ2-2:

\(p' (x) = p'_m x^m + ...+ p'_0\)で\(p'_m \neq 0\)および\(p (x) = p_n x^n + ... + p_0\)であると仮定しよう。\(p'_m\)は、\(m = 0\)である時\(p'_0\)であるかもしれない。\(p (x)\)に対する仮定は、\(p (x)\)は\(n\)に等しいか小さい次数のものであることを意味し、それは一般性を失わない。

\(p_n p'_m\)は\(0\)でなければならない、なぜなら、それは、\(n + m\)次のコエフィシェント(係数)である、それが含意するのは、\(p_n = 0\)なぜなら、\(p'_m \neq 0\)で\(R\)はインテグラルドメイン(整域)である。

すると、\(p_{n - 1} p'_m\)は\(0\)でなければならない、なぜなら、それは、\(n - 1 + m\)次のコエフィシェント(係数)である、それが含意するのは、\(p_{n - 1} = 0\)、なぜなら、\(p'_m \neq 0\)および\(R\)はインテグラルドメイン(整域)である。

等々と続く、結局、\(p_0 p'_m\)は\(0\)でなければならない、なぜなら、それは、\(m\)次のコエフィシェント(係数)である、それが含意するのは、\(p_0 = 0\)、なぜなら、\(p'_m \neq 0\)で\(R\)はインテグラルドメイン(整域)である。

したがって、\(p (x)\)の全てのコエフィシェント(係数)たちは\(0\)である、したがって、\(p (x) = 0\)。


参考資料


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