アーベリアングループ(アーベル群)はシンプルグループ(単純群)である、もしも、そのオーダーがプライムナンバー(素数)である場合、そしてその場合に限って、ことの記述/証明
話題
About: グループ(群)
この記事の目次
開始コンテキスト
- 読者は、アーベリアングループ(アーベル群)の定義を知っている。
- 読者は、シンプルグループ(単純群)の定義を知っている。
- 読者は、ラグランジュの定理を認めている。
ターゲットコンテキスト
- 読者は、任意のアーベリアングループ(群)はシンプルグループ(単純群)である、もしも、そのオーダーがプライムナンバー(素数)である場合、そしてその場合に限って、という命題の記述および証明を得る。
オリエンテーション
本サイトにてこれまで議論された定義たちの一覧があります。
本サイトにてこれまで議論された命題たちの一覧があります。
本体
1: 構造化された記述
ここに'構造化された記述'のルールたちがある。
エンティティ(実体)たち:
\(G\): \(\in \{\text{ 全てのアーベリアングループ(アーベル群)たち }\}\)
//
ステートメント(言明)たち:
\(G \in \{\text{ 全てのシンプルグループ(単純群)たち }\}\)
\(\iff\)
\(\vert G \vert = p\)、ここで、\(p \in \{\text{ 全てのプライムナンバー(素数)たち }\}\)
//
2: 自然言語記述
任意のアーベリアングループ(アーベル群)はシンプルグループ(単純群)である、もしも、オーダー \(\vert G \vert\)がプライムナンバー(素数)\(p\)である場合、そしてその場合に限って。
3: 証明
全体戦略: ステップ1: \(G\)はシンプルグループ(単純群)であると仮定し、任意の要素\(g \in G \setminus \{1\}\)および\(g\)によって生成されたサブグループ(部分群)\((g)\)を取り、\((g) = G\)であることを見る; ステップ2:\(g^2 = 1\)である時、\(\vert G \vert = 2\)であることを見る、そうでない場合、\((g^2)\)を取り、\((g^2) = G = (g)\)であることを見る; ステップ3: ステップ1およびステップ2は\(\vert G \vert\)がファイナイト(有限)であることを含意することを見る; ステップ4: \(\vert G \vert = p k\)、あるプライムナンバー(素数)\(p\)に対して、とし、\(k = 1\)であることを見る; ステップ5: \(\vert G \vert = p\)、あるプライムナンバー(素数)\(p\)に対して、と仮定し、そのサブグループ(部分群)たちは\(\{1\}\)および\(G\)だけであることを見る。
ステップ1:
\(G\)はシンプルグループ(単純群)であると仮定しよう。
任意の要素\(g \in G \setminus \{1\}\)および\(g\)によって生成されたサブグループ(部分群)\((g) = \{g' \in G \vert g' = g^z, z \in \mathbb{Z}\}\)を取ろう。.
\((g)\)は実際にサブグループ(部分群)である: \(g^z g^{z'} = g^{z + z'} \in (g)\); \(g^0 = 1 \in (g)\); 各\(g^z \in (g)\)に対して、\(g^z g^{-z} = g^{-z} g^z = g^0 = 1\)。
\((g)\)はノーマルサブグループ(正規部分群)である、なぜなら、任意のアーベリアングループ(アーベル群)の各サブグループ(部分群)はノーマルサブグループ(正規部分群)である。
したがって、\((g) = G\)、なぜなら、\(G\)はシンプルである(明らかに、\(G \neq \{1\}\))。
ステップ2:
\(g^2 = 1\)である時、\(G = \{1, g\}\)、そして、\(\vert G \vert = 2\)、それはプライムナンバー(素数)である。
そうでないと仮定しよう、これ以降。
\((g^2)\)を取ろう、それは、\(G\)のノーマルサブグループ(正規部分群)である、前と同様に、なぜなら、\(g\)の代わりに\(g^2\)を取っただけだから。
\((g^2) = G\)、前と同様。
ステップ3:
\(G = (g) = (g^2)\)は、\(\vert G \vert\)がファイナイト(有限)であることを含意する、ことを見よう。
以下を満たすある\(z'\)、つまり、\(g = g^{2 z'}\)、がある。
\(1 = g g^{-1} = g^{2 z'} g^{-1} = g^{2 z' - 1}\)。\(2 z' - 1 \neq 0\)、なぜなら、それは奇数である。\(0 \lt 2 z' - 1\)である時、\(n := 2 z' - 1\)としよう; そうでない場合、\(0 \lt - (2 z' - 1)\)、そして、\(n := - (2 z' - 1)\)としよう。いずれにせよ、\(g^n = 1\)、なぜなら、\(1 = 1^{-1} = (g^{2 z' - 1})^{-1} = g^{- (2 z' - 1)}\)。\(n \neq 1\)、なぜなら、\(g^1 = g \neq 1\)。\(g^{-1} = g^{n - 1}\)、なぜなら、\(g g^{n - 1} = g^{n - 1} g = g^n = 1\)。
したがって、\((g)\)の各要素は、\(\{1, g, ..., g^{n - 1}\}\)の中の1つに等しい(当該セット(集合)中には重複があるかもしれない)、なぜなら、各\(z \in \mathbb{Z}\)に対して、\(z = n k + l\)、ここで、\(0 \le l \lt n\)、そして、\(g^z = g^{n k + l} = g^{n k} g^l = (g^n)^k g^l = 1^k g^l = g^l\)。
したがって、\(\vert G \vert = \vert (g) \vert\)はファイナイト(有限)である。
ステップ4:
\(\vert G \vert\)のプライムファクタリゼーション(素因数分解)を取ろう。\(1 \lt \vert G \vert\)であるから、少なくとも1つの以下を満たすプライムナンバー(素数)\(p\)、つまり、\(\vert G \vert = p k\)、ここで、\(k \in \mathbb{N} \setminus \{0\}\)、がある。
As \(G = (g)\), \(G = \{1, g, ..., g^{p k - 1}\}\) where \(g^{p k} = 1\). \(G = (g)\)であるから、\(G = \{1, g, ..., g^{p k - 1}\}\)、ここで、\(g^{p k} = 1\)。
\((g^p)\)を取ろう。\(g^{p k} = 1\)であるから、\((g^p) = \{1, g^p, ..., g^{p (k - 1)}\}\)。
\((g^p)\)は前と同様ノーマルサブグループ(正規部分群)であり\(G\)はシンプルであるから、\((g^p)\)は\(\{1\}\)または\(G\)である。しかし、それは\(G\)ではあり得ない、なぜなら、少なくとも\(g, ..., g^{p - 1}\)たちがそこには欠けている。したがって、\((g^p) = \{1\}\)。それが意味するのは、\(k = 1\)。
したがって、\(\vert G \vert = p\)。
ステップ5:
\(\vert G \vert = p\)、あるプライムナンバー(素数)\(p\)に対して、と仮定しよう。
ラグランジュの定理によって、\(G\)の可能なサブグループ(部分群)たちはオーダー\(1\)または\(p\)を持つ。したがって、\(G\)のサブグループ(部分群)たちは\(\{1\}\)および\(G\)だけである。\(G\)のノーマルサブグループ(正規部分群)たちは、なおさら\(\{1\}\)および\(G\)である。
したがって、\(G\)はシンプルである。