2024年11月3日日曜日

847: (n + n') x (n + n'')インジェクティブ(単射)マトリックス(行列)で右上n x n''サブマトリックス(部分行列)が0であるものに対して、左上n x nサブマトリックス(部分行列)をインジェクティブ(単射)マトリックス(行列)で置き換えたものはインジェクティブ(単射)である

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(n + n') x (n + n'')インジェクティブ(単射)マトリックス(行列)で右上n x n''サブマトリックス(部分行列)が0であるものに対して、左上n x nサブマトリックス(部分行列)をインジェクティブ(単射)マトリックス(行列)で置き換えたものはインジェクティブ(単射)であることの記述/証明

話題


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この記事の目次


開始コンテキスト



ターゲットコンテキスト



  • 読者は、任意の(n + n') x (n + n'')インジェクティブ(単射)マトリックス(行列)で右上n x n''サブマトリックス(部分行列)が0であるものに対して、左上n x nサブマトリックス(部分行列)を任意のインジェクティブ(単射)マトリックス(行列)で置き換えたものはインジェクティブ(単射)であるという命題の記述および証明を得る。

オリエンテーション


本サイトにてこれまで議論された定義たちの一覧があります。

本サイトにてこれまで議論された命題たちの一覧があります。


本体


1: 構造化された記述


ここに'構造化された記述'のルールたちがある

エンティティ(実体)たち:
\(F\): \(\in \{\text{ 全てのフィールド(体)たち }\}\)
\(N\): \(\in \{\text{ 全ての } (n + n') x (n + n'') F \text{ インジェクティブ(単射)マトリックス(行列)たち } \}\)で、右上\(n x n''\)マトリックス(行列が0であるもの
\(M\): \(\in \{\text{ 全ての } n x n F \text{ インジェクティブ(単射)マトリックス(行列)たち } \}\)
\(\tilde{N}\): \(= N \text{ の左上 } n x n \text{ サブマトリックス(部分行列)を } M \text{ で置き換えたもの }\), \(\in \{\text{ 全ての } (n + n') x (n + n'') F \text{ マトリックス(部分行列)たち } \}\)
//

ステートメント(言明)たち:
\(\tilde{N} \in \{\text{ 全てのインジェクティブ(単射)マトリックス(行列)たち }\}\)
//

"インジェクティブ(単射)マトリックス(行列)"が意味するのは、当該マトリックス(行列)によってインデュースト(誘導された)カノニカルリニア(線形)マップ(写像)はインジェクティブ(単射)であるということ。


2: 証明


全体戦略: ステップ1: 任意のベクトル\(w \in F^{n + n''}\)を\(w = v + v''\)として分解する、ここで、\(v\)の\(n + 1 \sim n + n'\)コンポーネントたちは\(0\)であり、\(v''\)の\(1 \sim n\)コンポーネントたちは\(0\)である; ステップ2: 以下を満たす任意の\(\tilde{w} = \tilde{v} + \tilde{v''}\)、つまり、\(w \neq \tilde{w}\)、を取り、\(v \neq \tilde{v}\)または\(v = \tilde{v} \land v'' \neq \tilde{v''}\)であることを見る; ステップ3: \(v \neq \tilde{v}\)である時、\(\tilde{N} w \neq \tilde{N} \tilde{w}\)であることを見る; ステップ4: \(v = \tilde{v} \land v'' \neq \tilde{v''}\)である時、\(\tilde{N} v'' \neq \tilde{N} \tilde{v''}\)で、したがって、\(\tilde{N} w \neq \tilde{N} \tilde{w}\)であることを見る; ステップ5: 本命題を結論する。

ステップ1:

任意のベクトル\(w \in F^{n + n''}\)を\(w = v + v''\)として分解しよう、ここで、\(v\)の\(n + 1 \sim n + n'\)コンポーネントたちは\(0\)であり、\(v''\)の\(1 \sim n\)コンポーネントたちは\(0\)である。

ステップ2:

\(\tilde{w} \in F^{n + n''}\)は以下を満たす任意のもの、つまり、\(w \neq \tilde{w}\)、としよう。

\(\tilde{w}\)は分解されて\(= \tilde{v} + \tilde{v''}\)となる。

\(v \neq \tilde{v}\)または\(v = \tilde{v}\)。

\(v = \tilde{v}\)である時、\(v'' \neq \tilde{v''}\)、なぜなら、そうでなければ、\(w = v + v'' = \tilde{v} + \tilde{v''} = \tilde{w}\)であることになる、矛盾。

ステップ3:

\(v \neq \tilde{v}\)であると仮定しよう。

\(\tilde{N} w = \tilde{N} (v + v'') = \tilde{N} v + \tilde{N} v''\)に対して、\(1 \sim n\)コンポーネントたちは、\(\tilde{N} v\)からのみ寄与を受ける、なぜなら、\(\tilde{N}\)の\(1 \sim n\)行たちは、\(0\)の\(n + 1 \sim n + n''\)コンポーネントたちを持ち、\(v''\)は\(0\)の\(1 \sim n\)コンポーネントたちを持つ。

\(\tilde{N} \tilde{w}\)に対しても同様。

\(F^{n + n''}\)の最初の\(F^n\)の中へのプロジェクション(射影)を\(\pi_n\)と記して、\(\tilde{N} v\)の\(1 \sim n\)コンポーネントたちは\(M \pi_n (v)\)であり、\(\tilde{N} \tilde{v}\)の\(1 \sim n\)コンポーネントたちは\(M \pi_n (\tilde{v})\)である。

\(M \pi_n (v) \neq M \pi_n (\tilde{v})\)、なぜなら、\(M\)はインジェクティブ(単射)である。

したがって、\(\tilde{N} w \neq \tilde{N} \tilde{w}\)。

ステップ4:

\(v = \tilde{v} \land v'' \neq \tilde{v''}\)であると仮定しよう。

私たちは既に、\(\tilde{N} v''\)の\(1 \sim n\)コンポーネントたちおよび\(\tilde{N} \tilde{v''}\)の\(1 \sim n\)コンポーネントたちは\(0\)であることを知っている。

実のところ、\(N v''\)の\(1 \sim n\)コンポーネントたちおよび\(N \tilde{v''}\)の\(1 \sim n\)コンポーネントたちも\(0\)である、同じ理由によって。

\(\tilde{N} v''\)の\(n + 1 \sim n + n'\)コンポーネントたちは、\(N v''\)の\(n + 1 \sim n + n'\)コンポーネントたちに等しい、なぜなら、それらは、置き換えられた\(n x n\)サブマトリックス(部分行列)に依存しない。

同様に、\(\tilde{N} \tilde{v''}\)の\(n + 1 \sim n + n'\)コンポーネントたちは\(N \tilde{v''}\)の\(n + 1 \sim n + n'\)コンポーネントたちに等しい。

したがって、\(N v'' = \tilde{N} v''\)であり、\(N \tilde{v''} = \tilde{N} \tilde{v''}\)である。

しかし、\(N\)はインジェクティブ(単射)であるから、\(N v'' \neq N \tilde{v''}\)であり、したがって、\(\tilde{N} v'' = N v'' \neq N \tilde{v''} = \tilde{N} \tilde{v''}\)。

したがって、\(\tilde{N} w = \tilde{N} v + \tilde{N} v'' \neq \tilde{N} \tilde{v} + \tilde{N} \tilde{v''} = \tilde{N} \tilde{w}\)。

ステップ5:

したがって、\(\tilde{N} w \neq \tilde{N} \tilde{w}\)である、いずれにせよ。

したがって、\(\tilde{N}\)はインジェクティブ(単射)である。


参考資料


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