コミュータティブ(可換)リング(環)上方の2つのスクウェアマトリックス(正方行列)たちに対して、マトリックス(行列)たちのプロダクト(積)のトレース(跡)はプロダクト(積)の順序に依存しないことの記述/証明
話題
About: リング(環)
この記事の目次
開始コンテキスト
- 読者は、リング(環)の定義を知っている。
- 読者は、リング(環)上方のマトリックス(行列)の定義を知っている。
- 読者は、リング(環)上方のマトリックス(行列)のトレース(跡)の定義を知っている。
ターゲットコンテキスト
- 読者は、任意のコミュータティブ(可換)リング(環)上方の任意の2つの同一ディメンショナル(次元)スクウェアマトリックス(正方行列)たちに対して、当該マトリックス(行列)たちの各プロダクト(積)のトレース(跡)はプロダクト(積)の順序に依存しないという命題の記述および証明を得る。
オリエンテーション
本サイトにてこれまで議論された定義たちの一覧があります。
本サイトにてこれまで議論された命題たちの一覧があります。
本体
1: 構造化された記述
ここに'構造化された記述'のルールたちがある。
エンティティ(実体)たち:
\(R\): \(\in \{\text{ 全てのコミュータティブ(可換)リング(環)たち }\}\)
\(A\): \(\in \{R \text{ 上方の全てのn } \times \text{ n マトリックス(行列)たち }\}\), \(= \begin{pmatrix} a^j_k \end{pmatrix}\)
\(B\): \(\in \{R \text{ 上方の全ての n } \times \text{ n マトリックス(行列)たち }\}\), \(= \begin{pmatrix} b^j_k \end{pmatrix}\)
//
ステートメント(言明)たち:
\(tr (A B) = tr (B A)\)
//
2: 注
典型的には、\(R\)はフィールド(体)であり、もっと典型的には、\(R\)は\(\mathbb{R}\)または\(\mathbb{C}\)である、しかし、本命題は、\(R\)は任意のコミュータティブ(可換)リング(環)であることのみを求める。
即座の系として、2つより多くの同一ディメンショナル(次元)スクウェアマトリックス(正方行列)たちに対して、任意のプロダクト(積)の順序はシクリック(循環的)に変えることができる、トレース(跡)を変えることなく: \(tr (A_1 ... A_k) = tr (A_1 (A_2 ... A_k)) = tr ((A_2 ... A_k) A_1) = tr (A_2 ... A_k A_1)\)、等々。
3: 証明
全体戦略: ステップ1: \(tr (A B)\)および\(tr (B A)\)を\(A\)および\(B\)のコンポーネントたちで表現し、それらが同じであることを見る。
ステップ1:
\(A B = \begin{pmatrix} \sum_{l \in \{1, ..., n\}} a^j_l b^l_k \end{pmatrix}\)。
\(tr (A B) = \sum_{j \in \{1, ..., n\}} \sum_{l \in \{1, ..., n\}} a^j_l b^l_j\)。
\(B A = \begin{pmatrix} \sum_{l \in \{1, ..., n\}} b^j_l a^l_k \end{pmatrix}\)。
\(tr (B A) = \sum_{j \in \{1, ..., n\}} \sum_{l \in \{1, ..., n\}} b^j_l a^l_j = \sum_{j \in \{1, ..., n\}} \sum_{l \in \{1, ..., n\}} a^l_j b^j_l = \sum_{l \in \{1, ..., n\}} \sum_{j \in \{1, ..., n\}} a^l_j b^j_l = \sum_{j \in \{1, ..., n\}} \sum_{l \in \{1, ..., n\}} a^j_l b^l_j\)、ここで、最後のイコールの理由は、任意のダミーインデックスの名前は恣意的に変えることができるということ、\(= tr (A B)\)。