2025年1月19日日曜日

967: フィールド(体)に対して、0のポジティブ(正)ナチュラルナンバー(自然数)乗ルート(根)は0である

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フィールド(体)に対して、0のポジティブ(正)ナチュラルナンバー(自然数)乗ルート(根)は0であることの記述/証明

話題


About: フィールド(体)

この記事の目次


開始コンテキスト



ターゲットコンテキスト



  • 読者は、任意のフィールド(体)に対して、0の任意のポジティブ(正)ナチュラルナンバー(自然数)乗ルート(根)は0であるという命題の記述および証明を得る。

オリエンテーション


本サイトにてこれまで議論された定義たちの一覧があります。

本サイトにてこれまで議論された命題たちの一覧があります。


本体


1: 構造化された記述


ここに'構造化された記述'のルールたちがある

エンティティ(実体)たち:
\(F\): \(\in \{\text{ 全てフィールド(体)たち }\}\)
\(n\): \(\in \mathbb{N} \setminus \{0\}\)
\(R_{0, n}\): \(= \{\alpha \in F \vert \alpha^n = 0\}\)
//

ステートメント(言明)たち:
\(R_{0, n} = \{0\}\)
//


2: 証明


全体戦略: ステップ1: \(0 \in R_{0, n}\)であることを見る; ステップ2: 各\(\alpha \in R_{0, n}\)に対して、\(\alpha = 0\)であることを見る。

ステップ1:

\(0^n = 0\)であることを見よう。

各\(r \in F\)に対して、\(r 0 = 0\): \(r (1 + 0) = r 1 = r\)、なぜなら、\(0\)はアディティブ(加法)アイデンティティ(単位要素)であり、\(1\)はマルチプリケーション(乗法)アイデンティティ(単位要素)である、しかし、\(r (1 + 0) = r 1 + r 0\)、ディストリビュータビリティ(分配性)によって、\(= r + r 0\)、なぜなら、\(1\)はマルチプリカティブ(乗法)アイデンティティ(単位要素)である; したがって、\(r + r 0 = r\)、そして、\(r 0 = - r + r + r 0 = - r + r = 0\)。

特に、\(0^2 = 0 0 = 0\)。

\(0^m = 0\)と仮定して、\(0^{m + 1} = 0^m 0 = 0^2 = 0\)。

したがって、インダクションプリンシプル(数学的帰納法)によって、\(0^n = 0\)。

ステップ2:

\(\alpha \in R_{0, n}\)は任意であるとしよう。

\(\alpha^n = 0\)。

\(n = 1\)である時、\(\alpha^1 = \alpha = 0\)。

これ以降、\(1 \lt n\)であると仮定しよう。

\(\alpha \neq 0\)であったと仮定しよう。すると、あるマルチプリカティブ( 乗法)インバース(逆)\(\alpha^{-1} \in F\)があることになる。\(\alpha^{n - 1} = \alpha^n \alpha^{-1} = 0 \alpha^{-1} = 0\)。\(n - 1 = 1\)である時は、\(\alpha^{n - 1} = \alpha = 0\)、矛盾。そうでなければ、\(\alpha^{n - 2} = 0\)、同様に。\(n - 2 = 1\)である時は、\(\alpha = 0\)、矛盾。そうでなければ、...、等々。いずれにせよ、そのうちに、\(\alpha = 0\)、矛盾。

したがって、\(\alpha = 0\)。


参考資料


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