メトリックスペース(計量付き空間)に対して、コンバージェント(収束する)シーケンス(列)はコーシーシーケンス(列)であり、コーシー\(\epsilon\)コンディションに対する\(N\)はコンバージェンス(収束)\(\epsilon / 2\)コンディションに対する\(N\)に選べることの記述/証明
話題
About: メトリックスペース(計量付き空間)
この記事の目次
開始コンテキスト
- 読者は、メトリックスペース(計量付き空間)の定義を知っている。
- 読者は、メトリックスペース(計量付き空間)上のコーシーシーケンス(列)の定義を知っている。
ターゲットコンテキスト
- 読者は、任意のメトリックスペース(計量付き空間)に対して、任意のコンバージェント(収束する)シーケンス(列)はコーシーシーケンス(列)であり、コーシー\(\epsilon\)コンディションに対する\(N\)はコンバージェンス(収束)\(\epsilon / 2\)コンディションに対する\(N\)に選べるという命題の記述および証明を得る。
オリエンテーション
本サイトにてこれまで議論された定義たちの一覧があります。
本サイトにてこれまで議論された命題たちの一覧があります。
本体
1: 構造化された記述
ここに'構造化された記述'のルールたちがある。
エンティティ(実体)たち:
\(M\): \(\in \{\text{ 全てのメトリックスペース(計量付き空間)たち }\}\)
\(f\): \(: \mathbb{N} \to M\)
//
ステートメント(言明)たち:
\(\exists m \in M \text{ で、以下を満たすもの、つまり、 } \forall \epsilon \in \mathbb{R} \text{ で、以下を満たすもの、つまり、 } 0 \lt \epsilon (\exists N_\epsilon \in \mathbb{N} (\forall n \in \mathbb{N} \text{ で、以下を満たすもの、つまり、 } N_\epsilon \lt n (dist (m , f (n)) \lt \epsilon / 2)))\)、それは、\(f\)は\(m\)へコンバージ(収束)するということに等しい
\(\implies\)
\(\forall \epsilon \in \mathbb{R} \text{ で、以下を満たすもの、つまり、 } 0 \lt \epsilon (\forall n, o \in \mathbb{N} \text{ で、以下を満たすもの、つまり、 } N_\epsilon \lt n, o (dist (f (n) , f (o)) \lt \epsilon))\)、それが含意するのは、\(f\)はコーシーであるということ
//
本命題のポイントは、\(N_\epsilon\)、それは、ポジティブ(正)リアルナンバー(実数)たちセット(集合)からナチュラルナンバー(自然数)たちセット(集合)の中へのマップ(写像)で当該コンバージェント(収束)コンディションによって決定されるものである、は、コーシーコンディションのために使えるということである。
それがなぜ重要であるかという理由は、もしも、いくつかのシーケンス(列)たちがユニフォーム(一様)にコンバージェント(収束する)である場合、コーシー\(\epsilon\)コンディションに対する\(N\)もユニフォーム(一様)に選べると結論できることである: コンバージェント(収束)\(\epsilon / 2\)コンディションに対する\(N\)を取ればよいが、それ(\(N\))はユニフォーム(一様)に選べる。
2: 証明
全体戦略: ステップ1: 任意の\(\epsilon\)を取り、以下を満たすある\(N_\epsilon\)、つまり、以下を満たす各\(n\)、つまり、\(N_\epsilon \lt n\)、に対して、\(dist (m, f (n)) \lt \epsilon / 2\)、を見つける; ステップ2: 以下を満たす各\(n, o\)、つまり、\(N_\epsilon \lt n, o\)、に対して、\(dist (f (o), f (n)) \lt \epsilon\)であることを見る。
ステップ1:
\(\epsilon \in \mathbb{R}\)を以下を満たす任意のもの、\(0 \lt \epsilon\)、としよう。
本命題の仮定によって、以下を満たすある\(N_\epsilon \in \mathbb{N}\)、つまり、以下を満たす各\(n \in \mathbb{N}\)、つまり、\(N_\epsilon \lt n\)、に対して、\(dist (m, f (n)) \lt \epsilon / 2\)、がある。
その仮定は、\(f\)が\(m\)へコンバージェント(収束する)であることに等しい: もしも、\(f\)が\(m\)へコンバージェント(収束する)である場合、各\(\epsilon\)に対して、コンバージェント(収束)コンディションに\(\epsilon / 2\)を取れる、それが意味するのは、以下を満たすある\(N\)、つまり、以下を満たす各\(n\)、つまり、\(N \lt n\)、に対して、\(dist (m, f (n)) \lt \epsilon / 2\)、があるということ、そして、当該仮定に対して\(N_\epsilon := N\)と取れる; もしも、当該仮定が成立する場合、各\(\epsilon\)に対して、当該に対して\(2 \epsilon\)を取れる、それが意味するのは、以下を満たすある\(N_{2 \epsilon}\)、つまり、以下を満たす各\(n\)、つまり、\(N_{2 \epsilon} \lt n\)、に対して、\(dist (m, f (n)) \lt 2 \epsilon / 2 = \epsilon\)、があるということ、そして、コンバージェント(収束)コンディションに対して\(N := N_{2 \epsilon}\)と取れる。
ステップ2:
\(N_\epsilon\)は、ポジティブ(正)リアルナンバー(実数)たちセット(集合)からナチュラルナンバー(自然数)たちセット(集合)の中へのマップ(写像)であるが、\(N_\epsilon\)はコーシー\(\epsilon\)コンディションに対して使えることを見よう。
\(n, o \in \mathbb{N}\)を以下を満たす任意のもの、つまり、\(N_\epsilon \lt n, o\)、としよう。
\(dist (f (o), f (n)) \le dist (f (o), m) + dist (m, f (n)) \lt \epsilon / 2 + \epsilon / 2 = \epsilon\)。