ユークリディアンノルム付きユークリディアンベクトルたちスペース(空間)たち\(C^1\)マップ(写像)たちのコンポジション(合成)のデリバティブ(微分係数)に対するチェインルール(連鎖規則)の記述/証明
話題
About: ノルム付きベクトルたちスペース(空間)
この記事の目次
開始コンテキスト
- 読者は、ユークリディアンノルム付きユークリディアンベクトルたちスペース(空間)の定義を知っている。
- 読者は、ベクトルノルムからインデュースト(誘導された)マトリックス(行列)ノルムの定義を知っている。
- 読者は、マップ(写像)の定義を知っている。
- 読者は、ノルム付きベクトルたちスペース(空間)たちマップ(写像)のデリバティブ(微分係数)の定義を知っている。
- 読者は、ベクトルノルムからインデュースト(誘導された)マトリックス(行列)ノルムのいくつかの性質を認めている。
ターゲットコンテキスト
- 読者は、ユークリディアンノルム付きユークリディアンベクトルたちスペース(空間)たち\(C^1\)マップ(写像)たちのコンポジション(合成)のデリバティブ(微分係数)に対するチェインルール(連鎖規則)の記述および証明を得る。
オリエンテーション
本サイトにてこれまで議論された定義の一覧があります。
本サイトにてこれまで議論された命題の一覧があります。
本体
1: 記述
任意のユークリディアンノルム付きユークリディアンベクトルたちスペース(空間)たち\(\mathbb{R}^{d_1}\)、\(\mathbb{R}^{d_2}\)、\(\mathbb{R}^{d_3}\)、任意の\(C^1\)マップ(写像)たち\(f_1: \mathbb{R}^{d_1} \to \mathbb{R}^{d_2}\)および\(f_2: \mathbb{R}^{d_2} \to \mathbb{R}^{d_3}\)、以下を満たすコンポジションマップ(写像)\(f_3: \mathbb{R}^{d_1} \to \mathbb{R}^{d_3}\)、つまり、\(f_3 = f_2 (f_1)\)、に対して、\(f_3\)のデリバティブ(微分係数)\(D f_3\)は\(D f_2 D f_1\)である。
2: 証明
任意のベクトルたち\(v_{1, 1}, v_{1, 2} \in \mathbb{R}^{d_1}\)に対して、\(f_3 (v_{1, 1} + v_{1, 2}) = f_2 (f_1 (v_{1, 1} + v_{1, 2})) = f_2 (f_1 (v_{1, 1}) + f_1' (v_{1, 1}) v_{1, 2} + r_1 (v_{1, 1}, v_{1, 2})) = f_2 (f_1 (v_{1, 1})) + f_2' (f_1 (v_{1, 1})) (f_1' (v_{1, 1}) v_{1, 2} + r_1 (v_{1, 1}, v_{1, 2})) + r_2 (f_1 (v_{1, 1}), f_1' (v_{1, 1}) v_{1, 2} + r_1 (v_{1, 1}, v_{1, 2})) := V_1\)。\(f_2'\)はリニア(線形)であるから、\(V_1 = f_2 (f_1 (v_{1, 1})) + f_2' (f_1 (v_{1, 1})) f_1' (v_{1, 1}) v_{1, 2} + f_2' (f_1 (v_{1, 1})) r_1 (v_{1, 1}, v_{1, 2}) + r_2 (f_1 (v_{1, 1}), f_1' (v_{1, 1}) v_{1, 2} + r_1 (v_{1, 1}, v_{1, 2}))\)。
しかし、\(\Vert f_2' (f_1 (v_{1, 1})) r_1 (v_{1, 1}, v_{1, 2}) \Vert \le \Vert f_2' (f_1 (v_{1, 1})) \Vert \Vert r_1 (v_{1, 1}, v_{1, 2})\Vert\)であるから、\(lim_{v_{1, 2} \to 0} \frac{\Vert f_2' (f_1 (v_{1, 1})) r_1 (v_{1, 1}, v_{1, 2}) \Vert}{\Vert v_{1, 2} \Vert} = 0\)、そして、\(\frac{\Vert r_2 (f_1 (v_{1, 1}), f_1' (v_{1, 1}) v_{1, 2} + r_1 (v_{1, 1}, v_{1, 2})) \Vert}{\Vert f_1' (v_{1, 1}) v_{1, 2} + r_1 (v_{1, 1}, v_{1, 2}) \Vert} = \frac{\Vert r_2 (f_1 (v_{1, 1}), f_1' (v_{1, 1}) v_{1, 2} + r_1 (v_{1, 1}, v_{1, 2})) \Vert}{\Vert v_{1, 2} \Vert} \frac{\Vert v_{1, 2} \Vert}{\Vert f_1' (v_{1, 1}) v_{1, 2} + r_1 (v_{1, 1}, v_{1, 2})\Vert} := V_2\)。
しかし、\(\frac{\Vert f_1' (v_{1, 1}) v_{1, 2} + r_1 (v_{1, 1}, v_{1, 2}) \Vert}{\Vert v_{1, 2} \Vert} \le \frac{\Vert f_1' (v_{1, 1}) v_{1, 2} \Vert}{\Vert v_{1, 2} \Vert} + \frac{\Vert r_1 (v_{1, 1}, v_{1, 2}) \Vert}{\Vert v_{1, 2} \Vert}\)、ここで、\(\lim_{v_{1, 2} \to 0} \frac{\Vert r_1 (v_{1, 1}, v_{1, 2}) \Vert}{\Vert v_{12} \Vert} = 0\)および\(\frac{\Vert f_1' (v_{1, 1}) v_{1, 2} \Vert}{\Vert v_{1, 2}\Vert} \le \frac{\Vert f_1' (v_{1, 1}) \Vert \Vert v_{1, 2} \Vert}{\Vert v_{1, 2} \Vert} = \Vert f_1' (v_{1, 1})\Vert\)。したがって、\(v_{1, 2} \to 0\)のとき、\(f_1' (v_{1, 1}) v_{1, 2} + r_1 (v_{1, 1}, v_{1, 2}) \to 0\)、したがって、\(V_2 \to 0\)、しかし、\(\frac{\Vert v_{1, 2}\Vert}{\Vert f_1' (v_{1, 1}) v_{1, 2} + r_1 (v_{1, 1}, v_{1, 2})\Vert}\)は0に近づかないから、\(lim_{v_{1, 2} \to 0} \frac{\Vert r_2 (f_1 (v_{1, 1}), f_1' (v_{1, 1}) v_{1, 2} + r_1 (v_{1, 1}, v_{1, 2}))\Vert}{\Vert v_{1, 2} \Vert} = 0\)。