2024年7月14日日曜日

678: ファイナイト(有限)ディメンショナル(次元)ベクトルたちスペース(空間)に対して、ディメンション(次元)より多くの要素たちを持つベーシス(基底)はない

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ファイナイト(有限)ディメンショナル(次元)ベクトルたちスペース(空間)に対して、ディメンション(次元)より多くの要素たちを持つベーシス(基底)はないことの記述/証明

話題


About: ベクトルたちスペース(空間)

この記事の目次


開始コンテキスト



ターゲットコンテキスト



  • 読者は、任意のファイナイト(有限)ディメンショナル(次元)ベクトルたちスペース(空間)に対して、ディメンション(次元)数より多くの要素たちを持つベーシス(基底)はないという命題の記述および証明を得る。

オリエンテーション


本サイトにてこれまで議論された定義たちの一覧があります。

本サイトにてこれまで議論された命題たちの一覧があります。


本体


1: 構造化された記述


ここに'構造化された記述'のルールたちがある

エンティティ(実体)たち:
\(F\): \(\in \{\text{ 全てのフィールド(体)たち }\}\)
\(V\): \(\in \{\text{ 全ての } d \text{ ディメンショナル(次元) } F \text{ ベクトルたちスペース(空間)たち }\}\)
//

ステートメント(言明)たち:
\(\lnot \exists B \in \{V \text{ の全てのベーシス(基底)たち }\} (d \lt \vert B \vert)\)、ここで、\(\vert B \vert\)は\(B\)のカーディナリティ(濃度)を表わす
//


2: 自然言語記述


任意のフィールド(体)\(F\)、任意の\(d\)ディメンショナル(次元)\(F\)ベクトルたちスペース(空間)\(V\)に対して、カーディナリティ(濃度)が\(d\)より大きい\(V\)のベーシス(基底)\(B\)はない。


3: 証明


全体戦略: ステップ1: ある\(d\)カーディナリティ(濃度)ベーシス(基底)を取る; ステップ2: \(d\)より大きな任意のカーディナリティ(濃度)を持つ任意の他ベーシス(基底)を仮定する; ステップ3: ある矛盾を見つける: その他のベーシス(基底)は実はベーシス(基底)ではなかった。

ステップ1:

ディメンション(次元)は当該スペース(空間)の全ベーシス(基底)たちのミニマム(最小)カーディナリティ(濃度)であることを思い出そう。したがって、あるベーシス(基底)\(B = \{e_1, e_2, ..., e_d\}\)がある。

ステップ2:

あるベーシス(基底)は\(B' = \{e'_\alpha \vert \alpha \in A\}\)、ここで、\(A\)はアンカウンタブル(不可算)かもしれないインデックスセット(集合)でカーディナリティ(濃度)が\(d\)より大きいもの、であったと仮定しよう。

ステップ3:

Step 3 Strategy: modify \(B\) by replacing each element of \(B\) by an element of \(B'\) to be still a basis, then the new basis would be a proper subset of \(B'\), which could not be any basis. ステップ3戦略: \(B\)を、\(B\)の各要素を\(B'\)のある要素で置き換えて、それでもあるベーシス(基底)であるようにすることで変更しよう、すると、新たなベーシス(基底)は\(B'\)のプロパー(真)サブセット(部分集合)だということになり、それはベーシス(基底)ではあり得ない。

各\(e'_\alpha\)は\(e_j\)たちのあるリニアコンビネーション(線形結合)だということになり、\(e_1\)に対するコエフィシェント(係数)が\(0\)でないある\(e'_\alpha\)があることになる、なぜなら、そうでなければ、\(V\)は\(\{e_2, e_3, ..., e_d\}\)のみによってスパン(張る)されるということになる、\(\{e_1, e_2, ..., e_d\}\)がベーシス(基底)であることに反する矛盾。したがって、\(e_1\)を\(e'_\alpha\)によって置き換えてあるベーシス(基底)を形成するということになる、任意のファイナイト(有限)ディメンショナル(次元)ベクトルたちスペース(空間)ベーシス(基底)に対して、任意の要素を、当該要素たちの任意のリニアコンビネーション(線形結合)(当該要素には非ゼロコエフィシェント(係数)を持つ)によって置き換えたものは、あるベーシス(基底)を形成するという命題によって。\(e'_\alpha\)を\(e''_1\)として表わそう。

\(e_1, ..., e_k\)が既に\(e''_1, ..., e''_k\)によって置き換えられてあるベーシス(基底)を形成したと仮定しよう。各\(e'_\alpha\)は新たなベーシス(基底)の要素たちのあるリニアコンビネーション(線形結合)だということになり、\(e_{k + 1}\)に対するコエフィシェント(係数)が\(0\)でなかったある\(e'_\alpha\)があるということになる、なぜなら、そうでなければ、\(V\)は\((e''_1, ..., e''_k, e_{k + 2}, ..., e_d)\)のみによってスパン(張る)されるということになる、\((e''_1, ..., e''_k, e_{k + 1}, ..., e_d)\)がベーシス(基底)であることに反する矛盾。実のところ、\(e'_\alpha\)は\(e''_j\)たちの内のいずれでもなかった、なぜなら、そうでなければ、\(e'_\alpha = e''_j = c^1 e''_1 + ... + c^k e''_k + c^{k + 1} e_{k + 1} + ... + d^d e_d\)で、\(c^1 e''_1 + ... + (c^j - 1) e''_j + ... + c^k e''_k + c^{k + 1} e_{k + 1} + ... + c^d e_d = 0\)、ここで、\(c^{k + 1} \neq 0\)、新たなベーシス(基底)の要素たちがリニア(線形)にインディペンデント(独立)であることに反する矛盾。したがって、\(e_{k + 1}\)を\(e'_\alpha\)で置き換えて\(e''_{k + 1}\)とし、あるベーシス(基底)を形成することができる、任意のファイナイト(有限)ディメンショナル(次元)ベクトルたちスペース(空間)ベーシス(基底)に対して、任意の要素を、当該要素たちの任意のリニアコンビネーション(線形結合)(当該要素には非ゼロコエフィシェント(係数)を持つ)によって置き換えたものは、あるベーシス(基底)を形成するという命題によって。

結局、\(e_1, ..., e_d\)が\(e''_1, ..., e''_d\)で置き換えられてあるベーシス(基底)を形成することになった。

\(e''_j\)として選ばれなかったある\(e'_\alpha\)があることになり、\(e'_\alpha\)は\(e''_1, ..., e''_d\)のリニアコンビネーション(線形結合)だということになる、\(B'\)がベーシス(基底)であることに反する矛盾。

したがって、\(B'\)の要素たちの数は、\(d\)に等しいか、より小さい。


4: 注


実際には、\(B'\)の要素たちの数は\(d\)より小さくはあり得ない、ベクトルたちスペース(空間)のディメンション(次元)の定義によって、したがって、任意のファイナイト(有限)ディメンショナル(次元)ベクトルたちスペース(空間)の任意のベーシス(基底)の要素たちの数はディメンション(次元)であると保証される。


参考資料


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