フィールド(体)上方にて、n次ポリノミアル(多項式)は多くてもn根しか持たないことの記述/証明
話題
About: リング(環)
この記事の目次
開始コンテキスト
- 読者は、フィールド(体)の定義を知っている。
- 読者は、コミュータティブ(可換)リング(環)上方のポリノミアル(多項式)たちリング(環)の定義を知っている。
- 読者は、任意のフィールド(体)上方にて、任意のポリノミアル(多項式)と任意の非ゼロポリノミアル(多項式)ディバイザー(除数)は、ユニークなクウォシェント(商)およびリメインダー(余り)を持つという命題を認めている。
- 読者は、任意のフィールド(体)はインテグラルドメイン(整域)であるという命題を認めている。
ターゲットコンテキスト
- 読者は、任意のフィールド(体)上方にて、任意のn次ポリノミアル(多項式)は多くてもn根しか持たないという命題の記述および証明を得る。
オリエンテーション
本サイトにてこれまで議論された定義たちの一覧があります。
本サイトにてこれまで議論された命題たちの一覧があります。
本体
1: 構造化された記述
ここに'構造化された記述'のルールたちがある。
エンティティ(実体)たち:
\(F\): \(\in \{\text{ 全てのフィールド(体)たち }\}\)
\(F [x]\): \(= F \text{ 上方のポリノミアル(多項式)たちリング(環) }\)
\(p (x)\): \(\in F [x]\)
\(S\): \(= \{p (x) \text{ の全ての根たち }\}\)、\(S \subseteq F\)
//
ステートメント(言明)たち:
\(0 \lt deg (p (x))\)
\(\implies\)
\(\vert S \vert \le deg (p (x))\)、ここで、\(\vert S \vert\)は\(S\)のカーディナリティ(濃度)を表わす
//
\(p (x) = 0\)である時、各\(s \in F\)は\(p (x)\)の"根"と呼ばれるのか?かもしれない。とにかく、そのケースを除外するために、本命題は、\(0 \lt deg (p (x))\)だと想定した。
2: 自然言語記述
任意のフィールド(体)\(F\)、\(F\)上方のポリノミアル(多項式)たちリング(環)\(F [x]\)、任意の\(0\)より大きな次数ポリノミアル(多項式)\(p (x) \in F [x]\)、\(p (x)\)の全ての根たちのセット(集合)\(S\)に対して、\(\vert S \vert \le deg (p (x))\)。
3: 証明
全体戦略: ステップ1: 任意の第1の根\(s_1 \in S\)に対して、\(p (x)\)を\(x - s_1\)およびクウォシェント(商)で因子分解する; ステップ2: 任意の第2根\(s_2 \in S\)に対して、\(s_2\)は当該クウォシェント(商)のある根である、したがって、当該クウォシェント(商)を\(x - s_2\)および新たなクウォシェント(商)で因子分解する、等々と続く; ステップ3: 根たちの数は\(p (x)\)の次数を超えることができないことを見る。
ステップ1:
任意の第1の(それは、\(F\)の何らのオーダー(順序)も意味しない: 単に、第1に選ばれたことを意味する)根\(s_1 \in S\)を取ろう。\(p (x) = (x - s) q_1 (x)\)、任意のフィールド(体)上方にて、任意のポリノミアル(多項式)と任意の非ゼロポリノミアル(多項式)ディバイザー(除数)は、ユニークなクウォシェント(商)およびリメインダー(余り)を持つという命題に対する"注"によって。
ステップ2:
任意の第2根\(s_2 \in S\)を取ろう。\(s_2\)は\(q_1 (x)\)の根であることを見よう。\(p (s_2) = (s_2 - s_1) q_1 (s_2) = 0\)。\(s_2 - s_1 \neq 0\)、なぜなら、そうでなければ、\(s_2 = s_1\)。\(F\)はインテグラルドメイン(整域)である、任意のフィールド(体)はインテグラルドメイン(整域)であるという命題によって、から、\(q_1 (s_2) = 0\)。したがって、\(q_1 (x) = (x - s_2) q_2 (x)\)、任意のフィールド(体)上方にて、任意のポリノミアル(多項式)と任意の非ゼロポリノミアル(多項式)ディバイザー(除数)は、ユニークなクウォシェント(商)およびリメインダー(余り)を持つという命題に対する"注"によって。したがって、\(p (x) = (x - s_1) (x - s_2) q_2 (x)\)。
同様に、\(k\)根たちがある限り、\(p (x) = (x - s_1) (x - s_2) (x - s_k) q_k (x)\)。
ステップ3:
もしも、\(deg (p (x)) \lt k\)であったら、右辺は\(deg (p (x))\)より大きい次数のものということになる、矛盾。したがって、\(k \le deg (p (x))\)。