2024年8月4日日曜日

718: グループ(群)、ノーマルサブグループ(正規部分群)、クウォシェント(商)グループ(群)に対して、レプリゼンタティブ(代表)たちセット(集合)を要素によって掛けたものはレプリゼンタティブ(代表)たちセット(集合)である

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グループ(群)、ノーマルサブグループ(正規部分群)、クウォシェント(商)グループ(群)に対して、レプリゼンタティブ(代表)たちセット(集合)を要素によって掛けたものはレプリゼンタティブ(代表)たちセット(集合)であることの記述/証明

話題


About: グループ(群)

この記事の目次


開始コンテキスト



ターゲットコンテキスト



  • 読者は、任意のグループ(群)、任意のノーマルサブグループ(正規部分群)、クウォシェント(商)グループ(群)に対して、任意のレプリゼンタティブ(代表)たちセット(集合)を任意の要素によって掛けたものはレプリゼンタティブ(代表)たちセット(集合)であるという命題の記述および証明を得る。

オリエンテーション


本サイトにてこれまで議論された定義たちの一覧があります。

本サイトにてこれまで議論された命題たちの一覧があります。


本体


1: 構造化された記述


ここに'構造化された記述'のルールたちがある

エンティティ(実体)たち:
\(G'\): \(\in \{\text{ 全てのグループ(群)たち }\}\)
\(G\): \(\in \{G' \text{ の全てのノーマルサブグループ(正規部分群)たち }\}\)
\(G' / G\): \(= G' \text{ の } G \text{ によるクオシエント(商)グループ(群) } \)
\(f\): \(: G' / G \to G'\), \(\in \{G' / G \text{ に対する全てのレプリゼンタティブ(代表)たちマップ(写像)たち }\}\)
\(\overline{G' / G - f}\): \(= \text{ 当該レプリゼンタティブ(代表)たちセット(集合) }\)
\(p\): \(\in G'\)
//

ステートメント(言明)たち:
\(p \overline{G' / G - f} \in \{\text{ 全てのレプリゼンタティブ(代表)たちセット(集合)たち }\}\)
\(\land\)
\(\overline{G' / G - f} p \in \{\text{ 全てのレプリゼンタティブ(代表)たちセット(集合)たち }\}\)
//


2: 自然言語記述


任意のグループ(群)\(G'\)、任意のノーマルサブグループ(正規部分群)\(G \subseteq G'\)、当該クウォシェント(商)グループ(群)\(G' / G\)、任意のレプリゼンタティブ(代表)たちマップ(写像)\(f: G' / G \to G'\)、対応するレプリゼンタティブ(代表)たちセット(集合)\(\overline{G' / G - f}\)、任意の要素\(p \in G'\)に対して、\(p \overline{G' / G - f}\)または\(\overline{G' / G - f} p\)はレプリゼンタティブ(代表)たちセット(集合)である。


3: 証明


全体戦略: ステップ1: \(\overline{G' / G - f}\)を\(\{p_\alpha \vert \alpha \in A\}\)として、\(G' / G\)を\(\{p_\alpha G \vert \alpha \in A\}\)として表わし、\(\{p p_\alpha G \vert \alpha \in A\}\)および\(\{p_\alpha p G \vert \alpha \in A\}\)を定義する; ステップ2: \(\{p_\alpha G \vert \alpha \in A\}\)の各要素に対して、\(\{p p_\alpha G \vert \alpha \in A\}\)内にある対応する要素があることを見る; ステップ3: \(\{p p_\alpha G \vert \alpha \in A\}\)内に重複はないことを見る; ステップ4: \(\{p_\alpha G \vert \alpha \in A\}\)の各要素に対して、\(\{p_\alpha p G \vert \alpha \in A\}\)内にある対応する要素があることを見る; ステップ5: \(\{p_\alpha p G \vert \alpha \in A\}\)内に重複はないことを見る。

これ以降、各\(p \in G'\)に対して、\(p G = G p\)である、その理由は、ノーマルサブグループ(正規部分群)の定義は\(p G p^{-1} = G\)を含意し、それは、\(p G = p G p^{-1} p = G p\)を含意すること、という事実を頻繁に利用する。

ステップ1:

\(\overline{G' / G - f}\)を\(\{p_\alpha \vert \alpha \in A\}\)、あるアンカウンタブル(不可算)かもしれないあるインデックスセット(集合)\(A\)に対して、として表わそう。

\(G' / G = \{p_\alpha G \vert \alpha \in A\}\)。

\(p \overline{G' / G - f} = \{p p_\alpha \vert \alpha \in A\}\)および\(\overline{G' / G - f} p = \{p_\alpha p \vert \alpha \in A\}\)。それらは重複を持たない、なぜなら、\(p p_\alpha = p p_\beta\)または\(p_\alpha p = p_\beta p\)は\(p_\alpha = p_\beta\)を含意し、それは、\(\alpha = \beta\)を含意する。

\(\{p p_\alpha G \vert \alpha \in A\}\)および\(\{p_\alpha p G \vert \alpha \in A\}\)を定義しよう。

もしも、\(\{p p_\alpha G \vert \alpha \in A\}\)および\(\{p_\alpha p G \vert \alpha \in A\}\)は重複を持たず、\(G' / G = \{p p_\alpha G \vert \alpha \in A\} = \{p_\alpha p G \vert \alpha \in A\}\)であれば、本命題は真である。したがって、それを証明しよう。

ステップ2:

各\(p_\beta G \in \{p_\alpha G \vert \alpha \in A\}\)に対して、以下を満たすある\(p p_\gamma G \in \{p p_\alpha G \vert \alpha \in A\}\)、つまり、\(p_\beta G = p p_\gamma G\)、を見つけよう。

\(p^{-1} p_\beta \in p_\gamma G\)、ある\(\gamma\)に対して。それが意味するのは、\(p^{-1} p_\beta = p_\gamma p'\)、ある\(p' \in G\)に対して。したがって、\(p_\gamma = p^{-1} p_\beta {p'}^{-1}\)。すると、\(p p_\gamma G = p p^{-1} p_\beta {p'}^{-1} G = p_\beta {p'}^{-1} G = p_\beta G\)、なぜなら、\({p'}^{-1} \in G\)。

それが意味するのは、\(G' / G \subseteq \{p p_\alpha G \vert \alpha \in A\}\)、そして、\(\{p p_\alpha G \vert \alpha \in A\} \subseteq G' / G\)は明らかであるから、\(G' / G = \{p p_\alpha G \vert \alpha \in A\}\)。

ステップ3:

\(\{p p_\alpha G \vert \alpha \in A\}\)内に重複はないことを見よう。

\(\alpha \neq \beta\)および\(p p_\alpha G = p p_\beta G\)であったと仮定しよう。それが意味することになるのは、\(p_\alpha \neq p_\beta\)および\(p_\alpha G \neq p_\beta G\)。

\(p_\alpha G = p^{-1} p p_\alpha G = p^{-1} p p_\beta G = p_\beta G\)、矛盾。

ステップ4:

各\(p_\beta G \in \{p_\alpha G \vert \alpha \in A\}\)に対して、以下を満たすある\(p_\gamma p G \in \{p_\alpha p G \vert \alpha \in A\}\)、つまり、\(p_\beta G = p_\gamma p G\)、を見つけよう。

\(p_\beta p^{-1} \in p_\gamma G = G p_\gamma\)、ある\(\gamma\)に対して。それが意味するのは、\(p_\beta p^{-1} = p' p_\gamma\)、ある\(p' \in G\)に対して。したがって、\(p_\gamma = {p'}^{-1} p_\beta p^{-1}\)。すると、\(p_\gamma p G = {p'}^{-1} p_\beta p^{-1} p G = ({p'}^{-1} p_\beta) G = G ({p'}^{-1} p_\beta) = (G {p'}^{-1}) p_\beta = G p_\beta\)、なぜなら、\({p'}^{-1} \in G\)、\(= p_\beta G\)。

ステップ5:

\(\{p_\alpha p G \vert \alpha \in A\}\)内に重複はないことを見よう。

\(\alpha \neq \beta\)および\(p_\alpha p G = p_\beta p G\)であったと仮定しよう。それが意味することになるのは、\(p_\alpha \neq p_\beta\)および\(p_\alpha G \neq p_\beta G\)。

\(p_\alpha G = G p_\alpha = G (p_\alpha p) p^{-1} = (p_\alpha p G) p^{-1} = (p_\beta p G) p^{-1} = ((p_\beta p) G) p^{-1} = G p_\beta p p^{-1} = G p_\beta = p_\beta G\)、矛盾。


参考資料


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