グループ(群)ホモモーフィズム(準同形写像)のカーネル(核)はドメイン(定義域)のノーマルサブグループ(正規部分群)であることの記述/証明
話題
About: グループ(群)
この記事の目次
開始コンテキスト
- 読者は、グループ(群)ホモモーフィズム(準同形写像)のカーネル(核)の定義を知っている。
- 読者は、グループ(群)のノーマルサブグループ(正規部分群)の定義を知っている。
ターゲットコンテキスト
- 読者は、任意のグループ(群)ホモモーフィズム(準同形写像)に対して、当該ホモモーフィズム(準同形写像)のカーネル(核)は当該ドメイン(定義域)のノーマルサブグループ(正規部分群)であるという命題の記述および証明を得る。
オリエンテーション
本サイトにてこれまで議論された定義たちの一覧があります。
本サイトにてこれまで議論された命題たちの一覧があります。
本体
1: 構造化された記述
ここに'構造化された記述'のルールたちがある。
エンティティ(実体)たち:
\(G_1\): \(\in \{\text{ 全てのグループ(群)たち }\}\)
\(G_2\): \(\in \{\text{ 全てのグループ(群)たち }\}\)
\(f\): \(: G_1 \to G_2\), \(\in \{\text{ 全てのグループ(群)ホモモーフィズム(準同形写像)たち }\}\)
\(Ker (f)\): \(= f \text{ のカーネル(核) }\)
//
ステートメント(言明)たち:
\(Ker (f) \in \{G_1 \text{ の全てのノーマルサブグループ(正規部分群)たち }\}\)
//
2: 証明
全体戦略: ステップ1: \(Ker (f)\)は\(G_1\)のサブグループ(部分群)であることを見る; ステップ2: 任意の\(g_1 \in G_1\)に対して、\(g_1 Ker (f) {g_1}^{-1} = Ker (f)\)であることを見る。
ステップ1:
任意の要素たち\(g_1, g_2 \in Ker (f)\)に対して、\(g_1 g_2 \in Ker (f)\)、なぜなら、\(f (g_1 g_2) = f (g_1) f (g_2) = 1 1 = 1\)。
\(1 \in Ker (f)\)、なぜなら、\(f (1) = 1\)。
任意の要素\(g \in Ker (f)\)に対して、\(g^{-1} \in Ker (f)\)、なぜなら、\(f (g^{-1}) = {f (g)}^{-1} = 1^{-1} = 1\)。
\(Ker (f)\)はアソシアティブ(結合)法則を満たす、なぜなら、当該要素たちは\(G_1\)の要素たちであり、当該オペレーションは\(G_1\)のそれから継承されたものである。
したがって、\(Ker (f)\)は\(G_1\)のサブグループ(部分群)である。
ステップ2:
任意の\(g_1 \in G_1\)に対して、\(g_1 Ker (f) {g_1}^{-1} = Ker (f)\)?
任意の\(g_2 \in g_1 Ker (f) {g_1}^{-1}\)に対して、\(g_2 = g_1 g_3 {g_1}^{-1}\)、ある\(g_3 \in Ker (f)\)に対して。\(f (g_2) = f (g_1) f (g_3) f ({g_1}^{-1}) = f (g_1) 1 f ({g_1}^{-1}) = f (g_1) {f (g_1)}^{-1} = 1\)。したがって、\(g_2 \in Ker (f)\)。任意の\(g_2 \in Ker (f)\)に対して、\(g_3 := {g_1}^{-1} g_2 g_1 \in G_1\)を定義しょう。\(g_2 = g_1 g_3 {g_1}^{-1}\)。\(f (g_3) = f ({g_1}^{-1}) f (g_2) f (g_1) = {f (g_1)}^{-1} 1 f (g_1) = 1\)。したがって、\(g_3 \in Ker (f)\)、そして、\(g_2 \in g_1 Ker (f) {g_1}^{-1}\)。
したがって、はい、\(g_1 Ker (f) {g_1}^{-1} = Ker (f)\)。
したがって、\(Ker (f)\)は\(G_1\)のノーマルサブグループ(正規部分群)である。