2025年1月12日日曜日

945: プロダクトモジュール(加群)

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プロダクトモジュール(加群)の定義

話題


About: モジュール(加群)

この記事の目次


開始コンテキスト



ターゲットコンテキスト



  • 読者は、プロダクトモジュール(加群)の定義を得る。

オリエンテーション


本サイトにてこれまで議論された定義たちの一覧があります。

本サイトにてこれまで議論された命題たちの一覧があります。


本体


1: 構造化された記述


ここに'構造化された記述'のルールたちがある

エンティティ(実体)たち:
J: { 全てのアンカウンタブル(不可算)かもしれないインデックスセット(集合)たち }
R: { 全てのリング(環)たち }
{Mj|jJ}: { 全ての R モジュール(加群)たち }
×jJMj: = 当該プロダクトセット(集合) , { 全ての R モジュール(加群)たち }で、下に指定されるオペレーションたちを持つもの
//

コンディションたち:
rR,f×jJMj(jJ((rf)(j)=r(f(j))))

f,f×jJMj(jJ((f+f)(j)=f(j)+f(j)))
//


2: 構造化された記述2


ここに'構造化された記述'のルールたちがある

エンティティ(実体)たち:
R: { 全てのリング(環)たち }
{M1,...,Mk}: { 全ての R モジュール(加群)たち }
M1×...×Mk: = 当該プロダクトセット(集合) , { 全ての R モジュール(加群)たち }で、下に指定されるオペレーションたちを持つもの
//

コンディションたち:
rR,m=(m1,...,mk)M1×...×Mk(rm=(rm1,...,rmk))

m=(m1,...,mk),m=(m1,...,mk)M1×...×Mk(m+m=(m1+m1,...,mk+mk))
//


3: 注


×jJMjは本当にMモジュール(加群)であることを見よう。

1) m,m×jJMj(m+m×jJMj) (アディション(加法)下のクローズド(閉じている)性): 各jJに対して、(m+m)(j)=m(j)+m(j)Mj

2) m,m×jJMj(m+m=m+m) (アディション(加法)のコミュータティビティ(可換性)): 各jJに対して、(m+m)(j)=m(j)+m(j)=m(j)+m(j)=(m+m)(j)

3) m,m,m×jJMj((m+m)+m=m+(m+m)) (アディション(加法)たちのアソシアティビティ(結合性)); 各jJに対して、((m+m)+m)(j)=(m+m)(j)+m(j)=m(j)+m(j)+m(j)=m(j)+(m+m)(j)=(m+(m+m))(j)

4) 0×jJMj(m×jJMj(m+0=m)) (0要素の存在): m0×jJMjで各jJに対してm0(j)=0を満たすものは0である、なぜなら、(m+m0)(j)=m(j)+m0(j)=m(j)+0=m(j)

5) m×jJMj(m×jJMj(m+m=0)) (インバース(逆)要素の存在): m×jJMjで各jJに対してm(j)=m(j)を満たすものはそういうものである、なぜなら、(m+m)(j)=m(j)+m(j)=m(j)+m(j)=0=m0(j)

6) m×jJMj,rR(r.m×jJMj) (スカラーマルチプリケーション(乗法)下のクローズド(閉じている)性): 各jJに対して、(r.m)(j)=rm(j)Mj

7) m×jJMj,r1,r2R((r1+r2).m=r1.m+r2.m) (スカラーたちアディション(加法)に対するスカラーマルチプリケーション(乗法)ディストリビュータビリティ(分配性)): 各jJに対して、((r1+r2).m)(j)=(r1+r2)m(j)=r1m(j)+r2m(j)=(r1m)(j)+(r2m)(j)=(r1.m+r2.m)(j))

8) m,m×jJMj,rR(r.(m+m)=r.m+r.m) (要素たちアディション(加法)に対するスカラーマルチプリケーションディストリビュータビリティ(分配性)): 各jJに対して、(r.(m+m))(j)=r(m+m)(j)=r(m(j)+m(j))=rm(j)+rm(j)=(rm)(j)+(rm)(j)=(r.m+r.m)(j)

9) m×jJMj,r1,r2R((r1r2).m=r1.(r2.m)) (スカラーマルチプリケーション(乗法)たちのアソシアティビティ(結合性)): 各jJに対して、((r1r2).m)(j)=(r1r2)m(j)=r1(r2m(j))=r1.(r2.m)(j)

10) m×jJMj(1.m=m) (1マルチプリケーション(乗法)のアイデンティティ(恒等性)): 各jJに対して、(1.m)(j)=1m(j)=m(j)

M1×...×Mkは本当にRモジュール(加群)であることを見よう。

1) m,mM1×...×Mk(m+mM1×...×Mk) (アディション(加法)下のクローズド(閉じている)性): m=(m1,...,mk)およびm=(m1,...,mk)に対して、m+m=(m1,...,mk)+(m1,...,mk)=(m1+m1,...,mk+mk)M1×...×Mk

2) m,mM1×...×Mk(m+m=m+m) (アディション(加法)のコミュータティビティ(可換性)): m=(m1,...,mk)およびm=(m1,...,mk)に対して、m+m=(m1,...,mk)+(m1,...,mk)=(m1+m1,...,mk+mk)=(m1+m1,...,mk+mk)=m+m

3) m,m,mM1×...×Mk((m+m)+m=m+(m+m)) (アディション(加法)たちのアソシアティビティ(結合性)); m=(m1,...,mk)m=(m1,...,mk)m=(m1,...,mk)に対して、(m+m)+m=(m1+m1,...,mk+mk)+(m1,...,mk)=(m1+m1+m1,...,mk+mk+mk)=m+(m1+m1,...,mk+mk)=m+(m+m)

4) 0M1×...×Mk(mM1×...×Mk(m+0=m)) (0要素の存在): m0M1×...×Mkm0=(0,...,0)を満たすものは0である、なぜなら、m=(m1,...,mk)に対して、m+m0=(m1,...,mk)+(0,...,0)=(m1+0,...,mk+0)=(m1,...,mk)=m

5) mM1×...×Mk(mM1×...×Mk(m+m=0)) (インバース(逆)要素の存在): mM1×...×Mkm=(m1,...,mk)n対してm=(m1,...,mk)を満たすものはそういうものである、なぜなら、m+m=(m1,...,mk)+(m1,...,mk)=(m1+m1,...,mk+mk)=(0,...,0)=m0

6) mM1×...×Mk,rR(r.mM1×...×Mk) (スカラーマルチプリケーション(乗法)下のクローズド(閉じている)性): m=(m1,...,mk)に対して、r.m=(rm1,...,rmk)Mj

7) mM1×...×Mk,r1,r2R((r1+r2).m=r1.m+r2.m) (スカラーたちアディション(加法)に対するスカラーマルチプリケーション(乗法)ディストリビュータビリティ(分配性)): m=(m1,...,mk)に対して、(r1+r2).m=((r1+r2)m1,...,(r1+r2)mk)=(r1m1+r2m1,...,r1mk+r2mk)=(r1m1,...,r1mk)+(r2m1,...,r2mk)=r1.m+r2.m)

8) m,mM1×...×Mk,rR(r.(m+m)=r.m+r.m) (要素たちアディション(加法)に対するスカラーマルチプリケーションディストリビュータビリティ(分配性)): m=(m1,...,mk)およびm=(m1,...,mk)に対して、r.(m+m)=r(m1+m1,...,mk+mk)=(r(m1+m1),...,r(mk+mk))=(rm1+rm1,...,rmk+rmk)=(rm1,...,rmk)+(rm1,...,rmk)=r.m+r.m

9) mM1×...×Mk,r1,r2R((r1r2).m=r1.(r2.m)) (スカラーマルチプリケーション(乗法)たちのアソシアティビティ(結合性)): m=(m1,...,mk)に対して、(r1r2).m=(r1r2)(m1,...,mk)=(r1r2m1,...,r1r2mk)=r1(r2m1,...,r2mk)=r1.(r2.m)

10) mM1×...×Mk(1.m=m) (1マルチプリケーション(乗法)のアイデンティティ(恒等性)): m=(m1,...,mk)に対して、1.m=1(m1,...,mk)=(1m1,...,1mk)=(m1,...,mk)=m


参考資料


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