2025年2月9日日曜日

999: フィールド(体)から0を除いたものはマルチプリカティブ(乗法)グループ(群)である

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フィールド(体)から0を除いたものはマルチプリカティブ(乗法)グループ(群)であることの記述/証明

話題


About: フィールド(体)
About: グループ(群)

この記事の目次


開始コンテキスト



ターゲットコンテキスト



  • 読者は、任意のフィールド(体)から0を除いたものはマルチプリカティブ(乗法)グループ(群)であるという命題の記述および証明を得る。

オリエンテーション


本サイトにてこれまで議論された定義たちの一覧があります。

本サイトにてこれまで議論された命題たちの一覧があります。


本体


1: 構造化された記述


ここに'構造化された記述'のルールたちがある

エンティティ(実体)たち:
\(F\): \(\in \{\text{ 全てのフィールド(体)たち }\}\)
\(F^{\times}\): \(= F \setminus \{0\}\)
//

ステートメント(言明)たち:
\(F^{\times} \in \{\text{ 全てのグループ(群)たち }\}\)、マルチプリケーション(乗法)に関して
//


2: 証明


全体戦略: グループ(群)であるための条件たちが満たされていることを確認する; ステップ1: \(F^{\times}\)は当該マルチプリケーション(乗法)の下に閉じていることを見る; ステップ2: \(1 \in F^{\times}\)であることを見る; ステップ3: 各\(r \in F^{\times}\)に対して、あるインバース(逆)\(r^{-1} \in F^{\times}\)がある; ステップ4: 当該マルチプリケーション(乗法)はアソシアティブ(結合的)であることを見る。

ステップ1:

\(F^{\times}\)は当該マルチプリケーション(乗法)の下に閉じていることを見よう。

\(r_1, r_2 \in F^{\times}\)は任意のものであるとしよう。勿論、\(r_1 r_2 \in F\)であるが、課題は、\(r_1 r_2 \neq 0\)であることである。\(r_1 r_2 = 0\)であると仮定しよう。\(r_1 \neq 0\)であるから、インバース(逆)\(r_1^{-1}\)があることになり、\(r_2 = r_1^{-1} r_1 r_2 = r_1^{-1} 0 = 0\)、矛盾。したがって、\(r_1 r_2 \neq 0\)(より簡潔には、その理由は、任意のフィールド(体)はインテグラルドメイン(整域)であること)。

ステップ2:

\(1 \in F^{\times}\)。

ステップ3:

各\(r \in F^{\times}\)に対して、あるインバース(逆)\(r^{-1} \in F^{\times}\)がある。

フィールド(体)の定義によって、あるインバース(逆)\(r^{-1} \in F\)がある。課題は、\(r^{-1} \neq 0\)であること。しかし、\(r r^{-1} = 1 \neq 0\)であるから、\(r^{-1} \neq 0\)。

ステップ4:

当該マルチプリケーション(乗法)はアソシアティブ(結合的)である、なぜなら、それは、周囲\(F\)内でそうであるから。


参考資料


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