インテグラルドメイン(整域)および非ゼロ要素に対して、要素によるマルチプリケーション(乗法)マップ(写像)はインジェクション(単射)であることの記述/証明
話題
About: リング(環)
この記事の目次
開始コンテキスト
- 読者は、インテグラルドメイン(整域)の定義を知っている。
- 読者は、インジェクション(単射)の定義を知っている。
ターゲットコンテキスト
- 読者は、任意のインテグラルドメイン(整域)およびその任意の非ゼロ要素に対して、当該要素によるマルチプリケーション(乗法)マップ(写像)はインジェクション(単射)であるという命題の記述および証明を得る。
オリエンテーション
本サイトにてこれまで議論された定義たちの一覧があります。
本サイトにてこれまで議論された命題たちの一覧があります。
本体
1: 構造化された記述
ここに'構造化された記述'のルールたちがある。
エンティティ(実体)たち:
\(R\): \(\in \{\text{ 全てのインテグラルドメイン(整域)たち }\}\)
\(r\): \(\in R \setminus \{0\}\)
\(f_r\): \(: R \to R, r' \mapsto r r'\)
//
ステートメント(言明)たち:
\(f_r \in \{\text{ 全てのインジェクション(単射)たち }\}\)
//
2: 注
\(r r'\)を\(r' r\)で置き換えても、何も変わらない、なぜなら、任意のインテグラルドメイン(整域)はコミュータティブ(可換)である。
\(f_r\)はリング(環)ホモモーフィズム(準同形写像)でない、\(r = 1\)でなければ: \(f_r (1) = r 1 = r \neq 1\)。
\(r = 0\)である時、\(f_r (r') = 0 r' = 0\)、それは、勿論、非インジェクティブ(単射)である。
3: 証明
全体戦略: ステップ1: \(r', r'' \in R\)を\(r' \neq r''\)を満たすものたちとし、\(f_r (r') = f_r (r'')\)であると仮定し、矛盾を見つける。
ステップ1:
\(r', r'' \in R\)を、\(r' \neq r''\)を満たす任意のものたちであるとしよう。
\(f_r (r') = f_r (r'')\)であると仮定しよう。
\(r r' = r r''\)および\(r (r' - r'') = 0\)。\(R\)はインテグラルドメイン(整域)であるから、\(r = 0\)または\(r' - r'' = 0\)、しかし、\(r \neq 0\)、したがって、\(r' - r'' = 0\)、したがって、\(r' = r''\)、矛盾。
したがって、\(f_r (r') \neq f_r (r'')\)。