2025年5月18日日曜日

1117: トポロジカルスペース(空間)たち間のマップ(写像)はオープン(開)である、もしも、マップ(写像)はサージェクティブ(全射)でドメイン(定義域)のオープンサブセット(開部分集合)はコドメイン(余域)のオープンサブセット(開部分集合)のプリイメージ(前像)である場合、しかし、その場合に限ってではない

<このシリーズの前の記事 | このシリーズの目次 | このシリーズの次の記事>

トポロジカルスペース(空間)たち間のマップ(写像)はオープン(開)である、もしも、マップ(写像)はサージェクティブ(全射)でドメイン(定義域)のオープンサブセット(開部分集合)はコドメイン(余域)のオープンサブセット(開部分集合)のプリイメージ(前像)である場合、しかし、その場合に限ってではない、ことの記述/証明

話題


About: トポロジカルスペース(空間)

この記事の目次


開始コンテキスト



ターゲットコンテキスト



  • 読者は、任意のトポロジカルスペース(空間)たち間の任意のマップ(写像)はオープン(開)である、もしも、当該マップ(写像)はサージェクティブ(全射)で当該ドメイン(定義域)の任意のオープンサブセット(開部分集合)は当該コドメイン(余域)のあるオープンサブセット(開部分集合)のプリイメージ(前像)である場合、しかし、その場合に限ってではない、という命題の記述および証明を得る。

オリエンテーション


本サイトにてこれまで議論された定義たちの一覧があります。

本サイトにてこれまで議論された命題たちの一覧があります。


本体


1: 構造化された記述


ここに'構造化された記述'のルールたちがある

エンティティ(実体)たち:
\(T_1\): \(\in \{\text{ 全てのトポロジカルスペース(空間)たち }\}\)
\(T_2\): \(\in \{\text{ 全てのトポロジカルスペース(空間)たち }\}\)
\(f\): \(: T_1 \to T_2\), \(\in \{\text{ 全てのマップ(写像)たち }\}\)
//

ステートメント(言明)たち:
(
\(f \in \{\text{ 全てのサージェクション(全射)たち }\}\)
\(\land\)
\(\forall U_1 \in \{T_1 \text{ の全てのオープンサブセット(開部分集合)たち }\} (\exists U_2 \in \{T_2 \text{ の全てのオープンサブセット(開部分集合)たち }\} (U_1 = f^{-1} (U_2)))\)
)
\(\implies\)
\(f \in \{\text{ 全てのオープンマップ(開写像)たち }\}\)
//

逆は必ずしも成立しない。


2: 注


\(f\)はコンティニュアス(連続)である必要はない。


3: 証明


全体戦略: ステップ1: \(f\)はサージェクティブ(全射)であり\(U_1 = f^{-1} (U_2)\)であると仮定し、\(f\)はオープン(開)であることを見る; ステップ2: 逆は成立しないある例を見る。

ステップ1:

\(f\)はサージェクティブ(全射)であり任意のオープンサブセット(開部分集合)\(U_1 \subseteq T_1\)は\(U_1 = f^{-1} (U_2)\)である、あるオープンサブセット(開部分集合)\(U_2 \subseteq T_2\)に対して、と仮定しよう。

\(f (U_1) = f \circ f^{-1} (U_2)\)、しかし、\(f \circ f^{-1} (U_2) = U_2\)、任意のマップ(写像)に対して、任意のサブセット(部分集合)のマップ(写像)後のプリイメージ(前像)のコンポジション(合成)はアイデンティカル(恒等)である、もしも、マップ(写像)が引数セット(集合)イメージ(像)に関してインジェクティブ(単射)である場合という命題によって。したがって、\(f (U_1) = U_2\)、\(T_2\)上でオープン(開)。

ステップ2:

逆は成立しないある例を見よう。

\(T_1\)は\(\mathbb{R}\)でユークリディアントポロジーを持つもの、\(T_2\)は\(\{0\}\)で不可避なトポロジーを持つもの、\(f\)はコンスタントマップ(写像)としよう。\(f\)はオープン(開)である。\(f\)はサージェクティブ(全射)である、しかし、オープンサブセット(開部分集合)\((0, 1)\)は\(T_2\)の何らのオープンサブセット(開部分集合)のプリイメージ(前像)でもない。


4: 注


サージェクティブ(全射)性は要求される。反例として、\(T_1\)は\((0, 1] \subseteq \mathbb{R}\)でユークリディアントポロジカルスペース(空間)のサブスペース(部分空間)トポロジーを持つもの、\(T_2\)は\(\mathbb{R}\)でユークリディアントポロジーを持つもの、\(f\)はアイデンティティマップ(恒等写像)としよう。任意のオープンサブセット(開部分集合)\(U_1 \subseteq T_1\)に対して、\(U_1 = U'_1 \cap (0, 1]\)、ここで、\(U'_1 \subseteq \mathbb{R}\)はオープン(開)、サブスペース(部分空間)トポロジーの定義によって、そして、\(U_1 = f^{-1} (U'_1)\)。しかし、\((1 / 2, 1] \subseteq T_1\)はオープン(開)であるところ、\(f ((1 / 2, 1]) = (1 / 2, 1]\)は\(T_2\)上でオープン(開)でない。その理由は、\(f\)はサージェクティブ(全射)でないことである。


参考資料


<このシリーズの前の記事 | このシリーズの目次 | このシリーズの次の記事>