リニア(線形)マップ(写像)はインジェクティブ(単射)である、もしも、カーネル(核)は\(0\)-サブスペース(部分空間)である場合、そして、その場合に限って、ことの記述/証明
話題
About: モジュール(加群)
この記事の目次
開始コンテキスト
- 読者は、リニアマップ(線形写像)の定義を知っている。
- 読者は、インジェクション(単射)の定義を知っている。
ターゲットコンテキスト
- 読者は、任意のリニア(線形)マップ(写像)はインジェクティブ(単射)である、もしも、そのカーネル(核)は\(0\)-サブスペース(部分空間)である場合、そして、その場合に限って、という命題の記述および証明を得る。
オリエンテーション
本サイトにてこれまで議論された定義たちの一覧があります。
本サイトにてこれまで議論された命題たちの一覧があります。
本体
1: 構造化された記述
ここに'構造化された記述'のルールたちがある。
エンティティ(実体)たち:
\(R\): \(\in \{\text{ 全てのリング(環)たち }\}\)
\(M_1\): \(\in \{\text{ 全ての } R \text{ モジュール(加群)たち }\}\)
\(M_2\): \(\in \{\text{ 全ての } R \text{ モジュール(加群)たち }\}\)
\(f\): \(: M_1 \to M_2\), \(\in \{\text{ 全てのリニア(線形)マップ(写像)たち }\}\)
//
ステートメント(言明)たち:
\(f \in \{\text{ 全てのインジェクション(単射)たち }\}\)
\(\iff\)
\(ker (f) = \{0\}\)
//
2: 証明
全体戦略: ステップ1: \(ker (f) = \{0\}\)であると仮定する; ステップ2: 任意の\(v_1 \neq v_2\)\(f (v_1) = f (v_2)\)と仮定し、矛盾を見つける; ステップ3: \(f\)はインジェクション(単射)であると仮定する; ステップ4: \(ker (f) = \{0\}\)であることを見る。
ステップ1:
\(ker (f) = \{0\}\)であると仮定しよう。
ステップ2:
\(v_1, v_2 \in M_1\)を\(v_1 \neq v_2\)である任意のものとしよう。
\(f (v_1) = f (v_2)\)であったと仮定しよう。
\(f (v_1) - f (v_2) = 0\)。
しかし、\(f (v_1) - f (v_2) = f (v_1 - v_2)\)、なぜなら、\(f\)はリニア(線形)であった。
したがって、\(f (v_1 - v_2) = 0\)、それが意味することになるのは、\(v_1 - v_2 \in ker (f) = \{0\}\)、それが意味することになるのは、\(v_1 - v_2 = 0\)、それが意味することになるのは、\(v_1 = v_2\)、矛盾。
したがって、\(f (v_1) \neq f (v_2)\)。
ステップ3:
\(f\)はインジェクティブ(単射)であると仮定しよう。
\(f (0) = 0\)、なぜなら、\(f\)はリニア(線形)である。
\(f (v) = 0\)である他の\(v \in M_1\)はない、なぜなら、\(f\)はインジェクティブ(単射)である。
したがって、\(ker (f) = \{0\}\)。