2024年7月28日日曜日

704: バウンダリー(境界)付き\(C^\infty\)マニフォールド(多様体)に対して、インテリア(内部)ポイントはチャートボールを持ち、バウンダリー(境界)ポイントはチャートハーフボール(半球)を持つ

<このシリーズの前の記事 | このシリーズの目次 | このシリーズの次の記事>

バウンダリー(境界)付き\(C^\infty\)マニフォールド(多様体)に対して、インテリア(内部)ポイントはチャートボールを持ち、バウンダリー(境界)ポイントはチャートハーフボール(半球)を持つことの記述/証明

話題


About: \(C^\infty\)マニフォールド(多様体)

この記事の目次


開始コンテキスト



ターゲットコンテキスト



  • 読者は、任意のバウンダリー(境界)付き\(C^\infty\)マニフォールド(多様体)に対して、各インテリア(内部)ポイントはあるチャートボールを持ち、各バウンダリー(境界)ポイントはあるチャートハーフボール(半球)を持つという命題の記述および証明を得る。

オリエンテーション


本サイトにてこれまで議論された定義たちの一覧があります。

本サイトにてこれまで議論された命題たちの一覧があります。


本体


1: 構造化された記述


ここに'構造化された記述'のルールたちがある

エンティティ(実体)たち:
\(M\): \(\in \{\text{ 全てのバウンダリー(境界)付き } C^\infty \text{ マニフォールド(多様体)たち }\}\)
\(p\): \(\in M\)
//

ステートメント(言明)たち:
(
\(p \in \{M \text{ の全てのインテリア(内部)ポイントたち }\}\)
\(\implies\)
\(\exists B_p \in \{p \text{ の周りの } M \text{ 上の全てのチャートボール(球)たち } \}\)
)
\(\land\)
(
\(p \in \{M \text{ の全てのバウンダリー(境界)ポイントたち }\}\)
\(\implies\)
\(\exists H_p \in \{p \text{ の周りの } M \text{ 上の全てのチャートハーフボール(球)たち }\}\)
)
//


2: 自然言語記述


任意のバウンダリー(境界)付き\(C^\infty\)マニフォールド(多様体)\(M\)、任意の\(p \in M\)に対して、もしも、\(p\)は\(M\)の任意のインテリア(内部)ポイントである場合、\(p\)の周りにあるチャートボール(球)\(B_p \subseteq M\)があり、もしも、\(p\)は\(M\)の任意のバウンダリー(境界)ポイントである場合、\(p\)の周りにあるチャートハーフボール(半球)\(H_p \subseteq M\)がある。


3: 証明


全体戦略: ステップ1: \(p\)は任意のインテリア(内部)ポイントであると仮定し、\(p\)の周りに任意のチャート\((U_p \subseteq M, \phi_p)\)を取る; ステップ2: \(\phi_p (p)\)の周りにあるオープンボール(開球)で、当該チャートレンジ(値域)内に包含されているものを取る; ステップ3: 当該オープンボール(開球)の当該チャートマップ(写像)下のプリイメージ(前像)を取り、それはチャートボール(球)であることを見る; ステップ4: \(p\)は任意のバウンダリー(境界)ポイントであると仮定し、\(p\)の周りの任意のチャート\((U_p \subseteq M, \phi_p)\)を取る; ステップ5: \(\phi_p (p)\)の周りのあるオープンハーフボール(半球)で、チャートレンジ(値域)内に包含されているものを取る; ステップ6: 当該オープンハーフボール(開半球)の当該チャートマップ(写像)下のプリイメージ(前像)を取り、それはチャートハーフボール(半球)であることを見る。

ステップ1:

\(p\)は任意のインテリア(内部)ポイントであると仮定しよう。

\(p\)の周りの以下を満たす任意のチャート\((U_p \subseteq M, \phi_p)\)、つまり、レンジ(値域)\(\phi_p (U_p) \subseteq \mathbb{R}^d\)は\(\mathbb{R}^d\)のオープンサブセット(開部分集合)である、を取ろう: あるチャートのレンジ(値域)は\(\mathbb{H}^d\)のオープンサブセット(開部分集合)であるかもしれないが、\(p\)が任意のインテリア(内部)ポイントである時は、レンジ(値域)が\(\mathbb{R}^d\)のオープンサブセット(開部分集合)であるチャートがある.

ステップ2:

\(\phi_p (p)\)の周りに以下を満たすあるオープンボール(開球)\(B_{\phi_p (p), \epsilon} \subseteq \mathbb{R}^d\)、つまり、\(B_{\phi_p (p), \epsilon} \subseteq \phi_p (U_p)\)、がある、ユークリディアントポロジーの定義によって。\(B_{\phi_p (p), \epsilon}\)は\(\phi_p (U_p)\)上でオープン(開)である、任意のトポロジカルスペース(空間)およびそれをベーススペース(空間)としてオープン(開)である任意のトポロジカルサブスペース(部分空間)に対して、サブスペース(部分空間)の任意のサブセット(部分集合)はサブスペース(部分空間)上でオープン(開)である、もしも、それがベーススペース(空間)でオープン(開)である場合、そしてその場合に限ってという命題によって。

ステップ3:

プリイメージ(前像)\(B_p := {\phi_p}^{-1} (B_{\phi_p (p), \epsilon}) \subseteq U_p\)を取ろう。\(B_p\)は\(p\)の\(U_p\)上のオープンネイバーフッド(開近傍)である、なぜなら、\(\phi_p\)はホメオモーフィック(位相同形写像)である。\(B_p\)は\(p\)の\(M\)上のオープンネイバーフッド(開近傍)である、任意のトポロジカルスペース(空間)およびそれをベーススペース(空間)としてオープン(開)である任意のトポロジカルサブスペース(部分空間)に対して、サブスペース(部分空間)の任意のサブセット(部分集合)はサブスペース(部分空間)上でオープン(開)である、もしも、それがベーススペース(空間)でオープン(開)である場合、そしてその場合に限ってという命題によって。

\((B_p \subseteq M, \phi_p \vert_{B_p})\)はチャートである、なぜなら、\(\phi_p \vert_{B_p}: B_p \to B_{\phi_p (p), \epsilon}\)は明らかにホメオモーフィズム(位相同形写像)である。\(B_{\phi_p (p), \epsilon}\)はオープンボール(開球)である。したがって、\(B_p\)は\(p\)の周りのチャートボール(球)である。

ステップ4:

\(p\)は任意のバウンダリー(境界)ポイントであると仮定しよう。

\(p\)の周りの任意のチャート\((U_p \subseteq M, \phi_p)\)を取ろう。レンジ(値域)\(\phi_p (U_p) \subseteq \mathbb{H}^d\)は\(\mathbb{H}^d\)のオープンサブセット(開部分集合)である、ここで、\(\phi_p (p)\)は\(\mathbb{H}^d\)のバウンダリー(境界)上にある。

あるオープンサブセット(開部分集合)\(U' \in \mathbb{R}^d\)に対して\(\phi_p (U_p) = U' \cap \mathbb{H}^d\)、サブスペース(部分空間)トポロジーの定義によって、\(\mathbb{H}^d\)は\(\mathbb{R}^d\)のサブスペース(部分空間)であるところ。\(\phi_p (p)\)の周りに以下を満たすあるオープンボール(開球)\(B_{\phi_p (p), \epsilon} \subseteq \mathbb{R}^d\)、つまり、\(B_{\phi_p (p), \epsilon} \subseteq U'\)、がある、ユークリディアントポロジーおn定義によって。\(\phi_p (p)\)は\(\mathbb{H}^d\)のバウンダリー(境界)上にあるので、\(H_{\phi_p (p), \epsilon} := B_{\phi_p (p), \epsilon} \cap \mathbb{H}^d\)はオープンハーフボール(開半球)であり、\(H_{\phi_p (p), \epsilon} \subseteq \phi_p (U_p)\)。\(H_{\phi_p (p), \epsilon}\)は\(\phi_p (U_p)\)上でオープン(開)である、任意のトポロジカルスペース(空間)およびそれをベーススペース(空間)としてオープン(開)である任意のトポロジカルサブスペース(部分空間)に対して、サブスペース(部分空間)の任意のサブセット(部分集合)はサブスペース(部分空間)上でオープン(開)である、もしも、それがベーススペース(空間)でオープン(開)である場合、そしてその場合に限ってという命題によって。

ステップ6:

プリイメージ(前像\(H_p := \phi_p^{-1} (H_{\phi_p (p), \epsilon})\)を取ろう、それは\(U_p\)上でオープン(開)である、なぜなら、\(\phi_p\)はホメオモーフィック(位相同形写像)である、そして、\(M\)上でオープン(開)である、任意のトポロジカルスペース(空間)およびそれをベーススペース(空間)としてオープン(開)である任意のトポロジカルサブスペース(部分空間)に対して、サブスペース(部分空間)の任意のサブセット(部分集合)はサブスペース(部分空間)上でオープン(開)である、もしも、それがベーススペース(空間)でオープン(開)である場合、そしてその場合に限ってという命題によって。

\((H_p \subseteq M, \phi_p \vert_{H_p})\)はチャートである、なぜなら、\(\phi_p \vert_{H_p}: H_p \to H_{\phi_p (p), \epsilon}\)はホメオモーフィック(位相同形写像)である。\(H_{\phi_p (p), \epsilon}\)はオープンハーフボール(開半球)である。したがって、\(H_p\)は\(p\)の周りのチャートハーフボール(半球)である。


参考資料


<このシリーズの前の記事 | このシリーズの目次 | このシリーズの次の記事>