ユークリディアン\(C^\infty\)マニフォールド(多様体)に対して、オープンボール(開球)はスペース(空間)全体へディフェオモーフィックであることの記述/証明
話題
About: \(C^\infty\)マニフォールド(多様体)
この記事の目次
開始コンテキスト
- 読者は、ユークリディアン\(C^\infty\)マニフォールド(多様体)の定義を知っている。
- 読者は、バウンダリー(境界)付き\(C^\infty\)マニフォールド(多様体)たちの任意のサブセット(部分集合)たち間のディフェオモーフィズムの定義を知っている。
- 読者は、\(d_1\)ディメンショナル(次元)ユークリディアン\(C^\infty\)マニフォールド(多様体)の任意のオープンサブセット(開部分集合)に対して、\(d_2\)ディメンショナル(次元)ユークリディアン\(C^\infty\)マニフォールド(多様体)の中への任意の\(C^\infty\)マップ(写像)を、1ディメンショナル(次元)ユークリディアン\(C^\infty\)マニフォールド(多様体)の中への任意のゼロにならない\(C^\infty\)マップ(写像)で割ったものは、\(C^\infty\)であるという命題を認めている。
ターゲットコンテキスト
- 読者は、任意のユークリディアン\(C^\infty\)マニフォールド(多様体)に対して、任意のオープンボール(開球)はスペース(空間)全体へディフェオモーフィックであるという命題の記述および証明を得る。
オリエンテーション
本サイトにてこれまで議論された定義たちの一覧があります。
本サイトにてこれまで議論された命題たちの一覧があります。
本体
1: 構造化された記述
ここに'構造化された記述'のルールたちがある。
エンティティ(実体)たち:
\(\mathbb{R}^d\): \(= \text{ 当該ユークリディアン } C^\infty \text{ マニフォールド(多様体) }\)
\(B_{p, \epsilon}\): \(= p \text{ の周りの } \mathbb{R}^d \text{ 上のオープンボール(開球) }\)
\(f\): \(: B_{p, \epsilon} \to \mathbb{R}^d, p' \mapsto (p' - p) / \sqrt{\epsilon^2 - \Vert p' - p \Vert^2}\)
//
ステートメント(言明)たち:
\(B_{p, \epsilon} \cong_f \mathbb{R}^d\)、ここで、\(\cong_f\)は、\(f\)によってディフェオモーフィックであることを表わす
//
2: 自然言語記述
当該ユークリディアン\(C^\infty\)マニフォールド(多様体)\(\mathbb{R}^d\)に対して、任意の\(p \in \mathbb{R}^d\)の周りの任意のオープンボール(開球)\(B_{p, \epsilon} \subseteq \mathbb{R}^d\)は\(\mathbb{R}^d\)へディフェオモーフィックである、\(f: B_{p, \epsilon} \to \mathbb{R}^d, p' \mapsto (p' - p) / \sqrt{\epsilon^2 - \Vert p' - p \Vert^2}\)によって。
3: 証明
全体戦略: ステップ1: \(f\)はバイジェクティブ(全単射)であることを見る; ステップ: \(f\)のインバース(逆)を得る; Step 3: \(f\)は\(C^\infty\)であることを見る; ステップ4: \(f^{-1}\)は\(C^\infty\)であることを見る。
\(f\)はウェルデファインド(妥当に定義された)である、なぜなら、\(B_{p, \epsilon}\)上で\(0 \lt \epsilon^2 - \Vert p' - p \Vert^2\)。
ステップ1:
\(f\)はインジェクティブ(単射)であることを見よう。
\(p', p'' \in B_{p, \epsilon}\)は、\(p' \neq p''\)である任意のものたちであるとしよう。
2つのケースたちがある: ケース1: \(\Vert p' - p \Vert \neq \Vert p'' - p \Vert\); ケース2: \(\Vert p' - p \Vert = \Vert p'' - p \Vert\)。
ケース1のことを考えよう。
\(\Vert (p' - p) / \sqrt{\epsilon^2 - \Vert p' - p \Vert^2} \Vert^2 = \Vert (p' - p) \Vert^2 / (\epsilon^2 - \Vert p' - p \Vert^2) = 1 / (\epsilon^2 / \Vert p' - p \Vert^2 - 1)\)。同様に、\(\Vert (p'' - p) / \sqrt{\epsilon^2 - \Vert p'' - p \Vert^2} \Vert^2 = 1 / (\epsilon^2 / \Vert p'' - p \Vert^2 - 1)\)。明らかに、\(1 / (\epsilon^2 / \Vert p' - p \Vert^2 - 1) \neq 1 / (\epsilon^2 / \Vert p'' - p \Vert^2 - 1)\)、それが意味するのは、\(\Vert f (p') \Vert^2 \neq \Vert f (p'') \Vert^2\)、それが含意するのは、\(f (p') \neq f (p'')\)。
ケース2のことを考えよう。
\(p' - p\)と\(p'' - p\)の方向たちは異なる。したがって、\(f (p')\)と\(f (p'')\)の方向たちは異なる。したがって、\(f (p') \neq f (p'')\)。
したがって、\(f\)はインジェクティブ(単射)である。
\(f\)はサージェクティブ(全射)であることを見よう。
\(p'' \in \mathbb{R}^d\)は任意のものであるとしよう。ある\(p' \in B_{p, \epsilon}\)で、\(f (p') = p''\)を満たすものがあることを見よう。
\(p' := (p'' / \sqrt{1 + \Vert p'' \Vert^2}) \epsilon + p\)であるとしょう。\(f (p') = (p'' / \sqrt{1 + \Vert p'' \Vert^2}) \epsilon / \sqrt{\epsilon^2 - \Vert (p'' / \sqrt{1 + \Vert p'' \Vert^2}) \epsilon \Vert^2} = p'' / \sqrt{1 + \Vert p'' \Vert^2} \epsilon / \sqrt{\epsilon^2 - (\Vert p'' \Vert^2 / (1 + \Vert p'' \Vert^2)) \epsilon^2} = p'' / \sqrt{1 + \Vert p'' \Vert^2} \epsilon / \sqrt{(\epsilon^2 + \epsilon^2 \Vert p'' \Vert^2 - \epsilon^2 \Vert p'' \Vert^2) / (1 + \Vert p'' \Vert^2)} = p'' / \sqrt{1 + \Vert p'' \Vert^2} \epsilon / \sqrt{\epsilon^2 / (1 + \Vert p'' \Vert^2)} = p''\)。
ステップ2:
ステップ1によって、\(f^{-1}: p'' \mapsto (p'' / \sqrt{1 + \Vert p'' \Vert^2}) \epsilon + p\)。
ステップ3:
\(f\)は\(C^\infty\)であることを見よう。
\(p' - p\)は明らかに\(C^\infty\)である。
\(\epsilon^2 - \Vert p' - p \Vert^2\)は明らかに\(C^\infty\)である。
\(g: x \mapsto \sqrt{x}\)は\(\mathbb{R} / \{0\}\)上で\(C^\infty\)である、なぜなら、\(d g / d x = 1 / 2 x^{- 1 / 2}\)、\(d^2 g / d x^2 = 1 / 2 (- 1 / 2) x^{- 3 / 2}\)、...、\(x \neq 0\)であるところ。
したがって、コンポジション(合成)\(\sqrt{\epsilon^2 - \Vert p' - p \Vert^2}\)は\(C^\infty\)である。
したがって、\(f\)は\(C^\infty\)である、\(d_1\)ディメンショナル(次元)ユークリディアン\(C^\infty\)マニフォールド(多様体)の任意のオープンサブセット(開部分集合)に対して、\(d_2\)ディメンショナル(次元)ユークリディアン\(C^\infty\)マニフォールド(多様体)の中への任意の\(C^\infty\)マップ(写像)を、1ディメンショナル(次元)ユークリディアン\(C^\infty\)マニフォールド(多様体)の中への任意のゼロにならない\(C^\infty\)マップ(写像)で割ったものは、\(C^\infty\)であるという命題によって。
ステップ4:
\(f^{-1}\)は\(C^\infty\)であることを見よう。
\(p'' \epsilon\)は明らかに\(C^\infty\)である。
\(1 + \Vert p'' \Vert^2\)は明らかに\(C^\infty\)である。
\(g: x \mapsto \sqrt{x}\)は\(\mathbb{R} / \{0\}\)上で\(C^\infty\)である、前と同様に。
したがって、コンポジション(合成)\(\sqrt{1 + \Vert p'' \Vert^2}\)は\(C^\infty\)である。
\(p'' / \sqrt{1 + \Vert p'' \Vert^2} \epsilon\)は\(C^\infty\)である、\(d_1\)ディメンショナル(次元)ユークリディアン\(C^\infty\)マニフォールド(多様体)の任意のオープンサブセット(開部分集合)に対して、\(d_2\)ディメンショナル(次元)ユークリディアン\(C^\infty\)マニフォールド(多様体)の中への任意の\(C^\infty\)マップ(写像)を、1ディメンショナル(次元)ユークリディアン\(C^\infty\)マニフォールド(多様体)の中への任意のゼロにならない\(C^\infty\)マップ(写像)で割ったものは、\(C^\infty\)であるという命題によって。
\(f^{-1}\)は明らかに\(C^\infty\)である。