2024年8月4日日曜日

714: nシンメトリックグループ(対称群)およびnサイクル(巡回置換)に対して、シンメトリックグループ(対称群)上のサイクル(巡回置換)のセントラライザー(中心化群)はサイクル(巡回置換)によるシクリックグループ(循環群)である

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nシンメトリックグループ(対称群)およびnサイクル(巡回置換)に対して、シンメトリックグループ(対称群)上のサイクル(巡回置換)のセントラライザー(中心化群)はサイクル(巡回置換)によるシクリックグループ(循環群)であることの記述/証明

話題


About: グループ(群)

この記事の目次


開始コンテキスト



ターゲットコンテキスト



  • 読者は、任意のnシンメトリックグループ(対称群)および任意のnサイクル(巡回置換)に対して、当該シンメトリックグループ(対称群)上の当該サイクル(巡回置換)のセントラライザー(中心化群)は当該サイクル(巡回置換)によるシクリックグループ(循環群)であるという命題の記述および証明を得る。

オリエンテーション


本サイトにてこれまで議論された定義たちの一覧があります。

本サイトにてこれまで議論された命題たちの一覧があります。


本体


1: 構造化された記述


ここに'構造化された記述'のルールたちがある

エンティティ(実体)たち:
\(S_n\): \(= n \text{ シンメトリックグループ(対称群) }\)
\(p\): \(= (\sigma_1, ..., \sigma_n)\), \(\in \{S_n \text{ 上の全ての } n \text{ サイクル(巡回置換)たち }\}\)
\(C_G (p)\): \(= G \text{ 上の } p \text{ のセントラライザー(中心化群) }\)
\(\langle p \rangle\): \(= p \text{ によるシクリックグループ(循環群) }\)
//

ステートメント(言明)たち:
\(C_G (p) = \langle p \rangle\)
//


2: 自然言語記述


\(n\)シンメトリックグループ(対称群)\(S_n\)、\(S_n\)上の任意の\(n\)サイクル(巡回置換)\(p = (\sigma_1, ..., \sigma_n)\)、\(G\)上の\(p\)のセントラライザー(中心化群)\(C_G (p)\)、\(p\)によるシクリックグループ(循環群)\(\langle p \rangle\)に対して、\(C_G (p) = \langle p \rangle\)。


3: 証明


全体戦略: ステップ1: \(C_G (p)\)の各要素に対して、当該要素は、アイデンティティ(単位)要素であるか、\(\{1, ..., n\}\)のどの要素も保持しないかであることを見る; \(\{1, ..., n\}\)のどの要素も保持しない要素は\(\{\sigma_1, ..., \sigma_n\}\)をあるコンスタント(定数)分だけシフトすることを見る; Step 3: \(\langle p \rangle \subseteq C_G (p)\)であることを見る。

\([j]\)は、\(j\)の\(n\)で割った余りで、\(0\)を\(n\)で置き換えたものとしよう。

したがって、\(1 \le [j] \le n\)。

例えば、\(n = 2\)である時、\([1] = 1, [2] = 2, [3] = 1, ...\)。

その目的は、"\(j + k \le n\)である時は、\(j + k\)であるが、そうでなければ、\(j + k - n m\)で\(1 \le j + k - n m \le n\)となるもの"のように言わなけれればならないのを避けること; その代わりに、私たちは、単に、\([j + k]\)と言えばよい。

それは単にモジュロ\(n\)にすぎないという人があるかもしれず、アイデアとしてはそうなのだが、厳密に言うと、\(1\)の\(2\)によるモジュロは\(1\)でなく\(1\)のイクイバレンス(同値)クラスである、したがって、私たちはそう言わない。

ステップ1:

\(C_G (p)\)の各要素に対して、当該要素は、アイデンティティ(単位)要素であるか、\(\{1, ..., n\}\)のどの要素も保持しないかであることを見よう。

ある\(p' \in C_G (p)\)が\(\sigma_j\)を保持すると仮定しよう。

\(p' p p'^{-1} = p\)、したがって、\(p' p = p p'\)。

\(p' p (\sigma_j) = p' (\sigma_{[j + 1]}) = p p' (\sigma_j) = p (\sigma_j) = \sigma_{[j + 1]}\)。それが意味するのは、\(p'\)は\(\sigma_{[j + 1]}\)をも保持するということ。すると、\(p'\)は\(\sigma_{[j + 2]}, ..., \sigma_{[j + n - 1]}\)をも保持する、それが意味するのは、\(p'\)は\(\{\sigma_1, ..., \sigma_n\}\)の全ての要素たちを保持するということ、したがって、\(p' = id\)。

ステップ2:

\(p' \in C_G (p)\)は、\(\{1, ..., n\}\)のどの要素も保持しない任意のものであるとしよう。

\(p' p (\sigma_j) = p' (\sigma_{[j + 1]}) = \sigma_{[j + 1 + k]}\)、ある\(k \in \mathbb{N} \setminus \{0\}\)で\(1 \le k \lt n\)を満たすものに対して。

\(p p' (\sigma_j) = p (\sigma_{[j + l]}) = \sigma_{[j + l + 1]}\)、ある\(l \in \mathbb{N} \setminus \{0\}\)で\(1 \le l \lt n\)を満たすものに対して。

\(\sigma_{[j + 1 + k]} = \sigma_{[j + l + 1]}\)、それが含意するのは、\(k = l\)。したがって、\(p'\)は\(\sigma_{[j + 1]}\)および\(\sigma_j\)を\(k\)だけシフトする。

同様に、\(p'\)は\(\sigma_{[j + 2]}\)および\(\sigma_{[j + 1]}\)を\(k'\)だけシフトする、しかし、\(k' = k\)、なぜなら、\(\sigma_{[j + 1]}\)は\(k\)だけシフトされることが既に知られている。

したがって、\(p'\)は\(\{\sigma_j, ..., \sigma_{[j + n - 1]}\} = \{\sigma_1, ..., \sigma_n\}\)を\(k\)だけシフトする。

それが意味するのは、\(p' = (\sigma_1, ..., \sigma_n)^k\)。

したがって、\(C_G (p) \subseteq \langle p \rangle\)。

ステップ3:

\(\langle p \rangle \subseteq C_G (p)\)であることを見よう。

\(p^k p (p^k)^{-1} = p^k p p^{-k} = p^{k + 1} p^{-k} = p\)。

したがって、\(C_G (p) = \langle p \rangle\)。


参考資料


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