2025年1月19日日曜日

956: フィールド(体)上方のポリノミアル(多項式)たちリング(環)に対して、イリデューシブル(約分不能)ポリノミアル(多項式)によるプリンシパル(主要)アイディアル(イデアル)はマキシマル(最大)アイディアル(イデアル)である

<このシリーズの前の記事 | このシリーズの目次 | このシリーズの次の記事>

フィールド(体)上方のポリノミアル(多項式)たちリング(環)に対して、イリデューシブル(約分不能)ポリノミアル(多項式)によるプリンシパル(主要)アイディアル(イデアル)はマキシマル(最大)アイディアル(イデアル)であることの記述/証明

話題


About: リング(環)

この記事の目次


開始コンテキスト



ターゲットコンテキスト



  • 読者は、任意のフィールド(体)上方のポリノミアル(多項式)たちリング(環)に対して、任意のイリデューシブル(約分不能)ポリノミアル(多項式)によるプリンシパル(主要)アイディアル(イデアル)はマキシマル(最大)アイディアル(イデアル)であるという命題の記述および証明を得る。

オリエンテーション


本サイトにてこれまで議論された定義たちの一覧があります。

本サイトにてこれまで議論された命題たちの一覧があります。


本体


1: 構造化された記述


ここに'構造化された記述'のルールたちがある

エンティティ(実体)たち:
\(F\): \(\in \{\text{ 全てフィールド(体)たち }\}\)
\(F [x]\): \(= F \text{ 上方のポリノミアル(多項式)たちリング(環) }\)
\(p (x)\): \(\in F [x]\), \(\in \{\text{ 全てのイリデューシブル(約分不能)ポリノミアル(多項式)たち }\}\)
\(I_b (p (x))\): \(= F [x] \text{ の } p (x) \text{ によるプリンシパル(主要)アイディアル(イデアル) }\)
//

ステートメント(言明)たち:
\(I_b (p (x)) \in \{\text{ 全てのマキシマル(最大)アイディアル(イデアル)たち }\}\)
//


2: 証明


全体戦略: ステップ1: \(F [x]\)はプリンシパル(主要な)インテグラルドメイン(整域)であることを見る; ステップ2: \(I_b (p (x)) \subset F [x]\)であることを見る; ステップ3: 以下を満たすあるアイディアル(イデアル)\(I\)、つまり、\(I_b (p (x)) \subseteq I\)、があると仮定し、\(I = I_b (p (x))\)または\(I = F [x]\)であることを見る。

ステップ1:

\(F [x]\)はプリンシパル(主要な)インテグラルドメイン(整域)であることを見よう。

\(F [x]\)はユークリディアンドメインである、任意のフィールド(体)上方のポリノミアル(多項式)たちリング(環)は、ユークリディアンドメインである、サイズファンクション(関数)をポリノミアル(多項式)のディグリー(次元)を取るものとして、という命題によって。

\(F [x]\)はプリンシパル(主要な)インテグラルドメイン(整域)である、任意のユークリディアンドメインはプリンシパル(主要な)インテグラルドメイン(整域)であるという命題によって。

ステップ2:

\(I_b (p (x)) \subset F [x]\)であることを見よう。

\(F [x]\)はコミュータティブ(可換)であるから、\(I_b (p (x)) = I_l (p (x)) = F [x] p (x)\)。

\(p (x)\)はポジティブ(正)-ディグリー(次元)を持つ、なぜなら、各0-ディグリー(次元)ポリノミアル(多項式)は\(0\)またはユニットである、それは、イリデューシブル(約分不能)要素ではない、コミュータティブ(可換)リング(環)のイリデューシブル(約分不能)要素の定義によって。

したがって、\(F [x] p (x)\)の各要素は\(0\)であるかポジティブ(正)-ディグリー(次元)を持つかであり、それが意味するのは、非ゼロ0-ディグリー(次元)ポリノミアル(多項式)はその中に包含されていないということ、それが意味するのは、\(I_b (p (x)) \subset F [x]\)であるということ。

ステップ3:

以下を満たすあるアイディアル(イデアル)\(I\)、つまり、\(I_b (p (x)) \subseteq I\)、があると仮定しよう。

\(F [x]\)はプリンシパル(主要な)インテグラルドメイン(整域)であるから、\(I\)はプリンシパル(主要)アイディアル(イデアル)\(I_b (q (x))\)である。

\(I_b (q (x)) = I_l (q (x))\)、前と同様。

\(p (x) \in I_b (p (x)) \subseteq I_b (q (x)) = I_l (q (x))\)であるから、\(p (x) = p' (x) q (x)\)、ある\(p' (x) \in F [x]\)に対して。

\(p (x)\)はイリデューシブル(約分不能)であるから、\(p' (x)\)が\(0\)-ディグリー(次元)を持つか\(q (x)\)が\(0\)-ディグリー(次元)を持つかである。

\(p' (x)\)は\(0\)-ディグリー(次元)を持つ時は、\(q (x)\)は\(p (x)\)のコンスタント(定数)倍である、それが含意するのは、\(I_b (p (x)) = I_b (q (x)) = I\)。

\(q (x)\)が\(0\)-ディグリー(次元)を持つ時は、\(I = I_b (q (x)) = I_l (q (x)) = F [x]\)。


参考資料


<このシリーズの前の記事 | このシリーズの目次 | このシリーズの次の記事>