2025年5月11日日曜日

1114: サブセット(部分集合)のコンティニュアス(連続)マップ(写像)プリイメージ(前像)のクロージャー(閉包)は、サブセット(部分集合)のクロージャー(閉包)のプリイメージ(前像)に包含されるが、必ずしもそれに等しくない

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サブセット(部分集合)のコンティニュアス(連続)マップ(写像)プリイメージ(前像)のクロージャー(閉包)は、サブセット(部分集合)のクロージャー(閉包)のプリイメージ(前像)に包含されるが、必ずしもそれに等しくないことの記述/証明

話題


About: トポロジカルスペース(空間)

この記事の目次


開始コンテキスト



ターゲットコンテキスト



  • 読者は、任意のトポロジカルスペース(空間)たち間の任意のコンティニュアス(連続)マップ(写像)に対して、当該コドメイン(余域)の任意のサブセット(部分集合)のマップ(写像)プリイメージ(前像)のクロージャー(閉包)は、当該サブセット(部分集合)のクロージャー(閉包)のプリイメージ(前像)に包含されるが、必ずしもそれに等しくないという命題の記述および証明を得る。

オリエンテーション


本サイトにてこれまで議論された定義たちの一覧があります。

本サイトにてこれまで議論された命題たちの一覧があります。


本体


1: 構造化された記述


ここに'構造化された記述'のルールたちがある

エンティティ(実体)たち:
\(T_1\): \(\in \{\text{ 全てのトポロジカルスペース(空間)たち }\}\)
\(T_2\): \(\in \{\text{ 全てのトポロジカルスペース(空間)たち }\}\)
\(f\): \(: T_1 \to T_2\), \(\in \{\text{ 全てのコンティニュアス(連続)マップ(写像)たち }\}\)
\(S\): \(\subseteq T_2\)
//

ステートメント(言明)たち:
\(\overline{f^{-1} (S)} \subseteq f^{-1} (\overline{S})\)
//


2: 証明


全体戦略: ステップ1: \(f^{-1} (S) \subseteq f^{-1} (\overline{S})\)であり、\(f^{-1} (\overline{S}) \subseteq T_1\)はクローズド(閉)であることを見て、クロージャー(閉包)の定義のことを考えて、\(\overline{f^{-1} (S)} \subseteq f^{-1} (\overline{S})\)であることを見る; ステップ2: \(\overline{f^{-1} (S)} \subset f^{-1} (\overline{S})\)である例を見る。

ステップ1:

\(f^{-1} (S) \subseteq f^{-1} (\overline{S})\)、明らかに。

\(f^{-1} (\overline{S})\)はクローズド(閉)である、任意のクローズドサブセット(閉部分集合)の任意のコンティヌアス(連続)マップ(写像)下のプリイメージ(前像)は、クローズドサブセット(閉部分集合)であるという命題によって。

\(\overline{f^{-1} (S)}\)は、\(f^{-1} (S)\)を包含する最小クローズドサブセット(閉部分集合)である、サブセット(部分集合)のクロージャー(閉包)の定義によって、\(\overline{f^{-1} (S)} \subseteq f^{-1} (\overline{S})\)、なぜなら、右辺はそうしたクローズドサブセット(閉部分集合)たちの内の1つである。

ステップ2:

等号が成立しない1例として、\(T_1\)を\(\mathbb{R}\)でディスクリートトポロジーを持つもの、\(T_2\)を\(\mathbb{R}\)でユークリディアントポロジーを持つもの、\(f\)をアイデンティティマップ(恒等写像)、\(S\)を\((0, 1)\)としよう。\(f\)はコンティニュアス(連続)である、なぜなら、任意のオープンサブセット(開部分集合)のプリイメージ(前像)はオープン(開)である。\(\overline{f^{-1} (S)} = (0, 1)\)、なぜなら、\([1, \infty)\)および\((- \infty, 0]\)は\(T_1\)上でオープン(開)である、その一方で、\(f^{-1} (\overline{S}) = [0, 1]\)、したがって、\(\overline{f^{-1} (S)} \subset f^{-1} (\overline{S})\)。


参考資料


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