2024年5月26日日曜日

597: ノーマルサブグループ(正規部分群)たちのファイナイト(有限)プロダクトはコミュータティブ(可換)であり、ノーマルサブグループ(正規部分群)である

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ノーマルサブグループ(正規部分群)たちのファイナイト(有限)プロダクトはコミュータティブ(可換)であり、ノーマルサブグループ(正規部分群)であることの記述/証明

話題


About: グループ

この記事の目次


開始コンテキスト



ターゲットコンテキスト



  • 読者は、任意のグループに対して、任意のファイナイト(有限)数ノーマルサブグループたちのプロダクトはコミュータティブ(可換)であり、ノーマルサブグループであるという命題の記述および証明を得る。

オリエンテーション


本サイトにてこれまで議論された定義たちの一覧があります。

本サイトにてこれまで議論された命題たちの一覧があります。


本体


1: 構造化された記述


ここに'構造化された記述'のルールたちがある

エンティティ(実体)たち:
\(G\): \(\in \{\text{ 全てのグループたち }\}\)
\(\{G_1, ..., G_n\}\): \(G \subseteq \{\text{ の全てのノーマルサブグループたち }\}\)
\(G_1 ... G_n\):
\(G_{\sigma_1} ... G_{\sigma_n}\): \(\sigma\)は\((1, ..., n)\)の任意のパーミュテーション(並べ替え)である
//

ステートメント(言明)たち:
\(G_1 ... G_n = G_{\sigma_1} ... G_{\sigma_n}\)
\(\land\)
\(G_1 ... G_n \in \{G \text{ の全てのノーマルサブグループたち }\}\)
//


2: 自然言語記述


任意のグループ\(G\)、\(G\)の任意のノーマルサブグループたち\(G_1, ..., G_n\)に対して、\(G_1 ... G_n = G_{\sigma_1} ... G_{\sigma_n}\)、ここで、\(\sigma\)は\((1, ..., n)\)の任意のパーミュテーション(並べ替え)、および\(G_1 ... G_n\)は\(G\)のノーマルサブグループである。


3: 証明


コミュータティビティ(可換性)を帰納法によって証明しよう。

\(n = 2\)としよう。\(G_1 G_2 = G_2 G_1\)?各\(g_1 g_2 \in G_1 G_2\)に対して、\(g_1 g_2 = g_1 g_2 {g_1}^{-1} g_1\)、しかし、\(g'_2 := g_1 g_2 {g_1}^{-1} \in G_2\)、なぜなら、\(G_2\)はノーマルサブグループである; したがって、\(g_1 g_2 = g'_2 g_1 \in G_2 G_1\)。したがって、\(G_1 G_2 \subseteq G_2 G_1\)。同様に、\(G_2 G_1 \subseteq G_1 G_2\)。したがって、\(G_1 G_2 = G_2 G_1\)。

コミュータティビティ(可換性)が\(n = n'\)まで成立すると仮定しよう。\(G_1 ... G_{n' + 1} = G_{\sigma_1} ... G_{\sigma_{n' + 1}}\)?\(G_{\sigma_{n' + 1}} = G_k\)。\(G_1 ... \hat{G_k} ... G_{n' + 1} = G_{\sigma_1} ... G_{\sigma_{n'}}\)、仮定によって。\(G_1 ... \hat{G_k} ... G_{n' + 1} G_k = G_{\sigma_1} ... G_{\sigma_{n'}} G_{\sigma_{n' + 1}}\)。マルチプリケーション(乗法)たちはアソシアティブ(結合的)であるので、任意のグループに対して、任意のファイナイト(有限)数サブグループ(部分群)たちのプロダクトはアソシアティブ(結合的)であるという命題によって、\(G_1 ... \hat{G_k} ... G_{n'} G_{n' + 1} G_k = G_1 ... \hat{G_k} ... G_{n'} (G_{n' + 1} G_k) = G_1 ... \hat{G_k} ... G_{n'} (G_k G_{n' + 1}) = G_1 ... \hat{G_k} ... (G_{n'} G_k) G_{n' + 1} = G_1 ... \hat{G_k} ... (G_k G_{n'}) G_{n' + 1} = ... = G_1 ... G_k ... G_{n' + 1}\)。したがって、\(G_1 ... G_{n' + 1} = G_{\sigma_1} ... G_{\sigma_{n' + 1}}\)。

したがって、各\(2 \le n\)に対して\(G_1 ... G_n = G_{\sigma_1} ... G_{\sigma_n}\)。

\(G_1 ... G_n\)がノーマルサブグループであることを帰納法によって証明しよう。

\(n = 2\)としよう。\(G_1 G_2\)はノーマルサブグループであるか?\(G_1 G_2\)は\(G\)のサブグループである、任意のグループに対して、当該グループ(群)の任意のサブグループ(部分群)の、当該グループ(群)の任意のノーマルサブグループ(正規部分群)によるマルチプリケーション(乗法)を取ったものは当該グループ(群)のサブグループ(部分群)であるという命題によって。各\(g \in G\)に対して、\(g G_1 G_2 g^{-1} = G_1 G_2\)?各\(g g_1 g_2 g^{-1} \in g G_1 G_2 g^{-1}\)に対して、\(g g_1 g^{-1} g g_2 g^{-1}\)、しかし、\(g g_1 g^{-1} \in G_1\)および\(g g_2 g^{-1} \in G_2\)、したがって、\(g g_1 g_2 g^{-1} \in G_1 G_2\)。したがって、\(g G_1 G_2 g^{-1} \subseteq G_1 G_2\)。したがって、\(g G_1 G_2 g^{-1} = G_1 G_2\)、任意のグループ(群)、その任意のサブグループ(部分群)に対して、当該サブグループ(部分群)はノーマルサブグループ(正規部分群)である、もしも、それの、当該グループ(群)の各要素によるコンジュゲート(共役)サブグループ(部分群)がそれの中に包含されている場合、という命題によって。

主張が\(n = n'\)まで成立すると仮定しよう。\(G_1 ... G_{n' + 1} = (G_1 ... G_{n'}) G_{n' + 1}\)、しかし、\((G_1 ... G_{n'})\)は仮定によりノーマルサブグループである、そして、\((G_1 ... G_{n'}) G_{n' + 1}\)はノーマルサブグループである。

したがって、\(G_1 ... G_n\)は各\(2 \le n\)に対してノーマルサブグループである。


参考資料


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