インテグラルドメイン(整域)に対して、もしも、サブセット(部分集合)の最小共通マルチプル(倍)たちが存在する場合、それらは、ある最小共通マルチプル(倍)のアソシエイトたちであることの記述/証明
話題
About: リング(環)
この記事の目次
開始コンテキスト
- 読者は、インテグラルドメイン(整域)の定義を知っている。
- 読者は、コミュータティブ(可換)リング(環)のサブセット(部分集合)の最小共通マルチプル(倍)たちの定義を知っている。
- 読者は、コミュータティブ(可換)リング(環)の要素のアソーシエイトたちの定義を知っている。
- 読者は、任意のインテグラルドメイン(整域)上でキャンセレーションルールが成立するという命題を認めている。
ターゲットコンテキスト
- 読者は、任意のインテグラルドメイン(整域)および任意のサブセット(部分集合)に対して、もしも、当該サブセット(部分集合)の最小共通マルチプル(倍)たちが存在する場合、それらは、ある最小共通マルチプル(倍)のアソシエイトたちであるという命題の記述および証明を得る。
オリエンテーション
本サイトにてこれまで議論された定義たちの一覧があります。
本サイトにてこれまで議論された命題たちの一覧があります。
本体
1: 構造化された記述
ここに'構造化された記述'のルールたちがある。
エンティティ(実体)たち:
\(R\): \(\in \{\text{ 全てのインテグラルドメイン(整域)たち }\}\)
\(S\): \(\subseteq R\)
\(lcm (S)\): \(= S \text{ の全ての最小共通マルチプル(倍)たちのセット(集合) }\)
//
ステートメント(言明)たち:
\(\exists m \in lcm (S)\)
\(\implies\)
\(lcm (S) = Asc (m)\).
//
2: 自然言語記述
任意のインテグラルドメイン(整域)\(R\)、任意のサブセット(部分集合)\(S \subseteq R\)に対して、もしも、ある要素\(m \in lcm (S)\)がある場合、\(lcm (S) = Asc (m)\)である。
3: 注
本命題は、そうしたある\(m\)が常に存在するとは主張していない。
4: 証明
ある\(m \in lcm (S)\)があると仮定しよう。
\(0 \in lcm (S)\)である時、\(lcm (S) = \{0\}\): コミュータティブ(可換)リング(環)のサブセット(部分集合)の最小共通マルチプル(倍)たちの定義に対する"注"を参照。すると、\(m = 0\)、そして、\(lcm (S) = \{u 0 \vert u \in \{\text{ the units in } R\}\} = \{0\}\)。
これ以降、\(0 \notin lcm (S)\)であると仮定しよう。
\(m \neq 0\)。
\(S'\)は全ての共通マルチプル(倍)たちのセット(集合)であると仮定しよう。
\(u m \in S'\)であることを証明しよう。
\(S = \emptyset\)である時、\(S' = R\): コミュータティブ(可換)リング(環)のサブセット(部分集合)の最小共通マルチプル(倍)たちの定義に対する"注"を参照、したがって、\(u m \in S'\)。
\(S \neq \emptyset\)である時、各\(p \in S\)に対して、以下を満たすある\(q \in R\)、つまり、\(m = q p\)、がある、したがって、\(u m = u q p\)、ここで、\(u q \in R\)。したがって、\(u m \in S'\)。
各ユニット\(u\)に対して\(u m \in lcm (S)\)であることを証明しよう。
各\(m' \in S'\)に対して、ある\(q \in R\)に対して\(m' = q m\)、したがって、\(m' = q u^{-1} u m\)、ここで、\(q u^{-1} \in R\)。
各\(m' \in lcm (S)\)があるユニット\(u\)に対して\(m' = u m\)であることを証明しよう。
何らの\(q, q' \in R\)に対して\(m = q' m'\)および\(m' = q m\)。\(m = m 1 = q' q m = m q' q\)。キャンセレーションルールによって(\(m \neq 0\))、\(1 = q' q\)。したがって、\(q\)はあるユニット\(u\)であり、\(m' = u m\)。