ベーシス(基底)たちを持つモジュール(加群)たち間リニアマップ(線形写像)に対して、もしも、その、ドメイン(定義域)ベーシス(基底)についてのリストリクション(制限)がコドメイン(余域)ベーシス(基底)の上へのバイジェクション(全単射)である場合、マップ(写像)は'モジュール(加群)たち - リニア(線形)モーフィズム(射)たち'アイソモーフィズム(同形写像)であることの記述/証明
話題
About: モジュール(加群)
この記事の目次
開始コンテキスト
- 読者は、モジュール(加群)のベーシス(基底)の定義を知っている。
- 読者は、リニアマップ(線形写像)の定義を知っている。
- 読者は、バイジェクション(全単射)の定義を知っている。
- 読者は、%カテゴリー名%アイソモーフィズム(同形写像)の定義を知っている。
- 読者は、ベーシス(基底)を持つモジュール(加群)に対して、要素のベーシス(基底)に関するコンポーネントたちセット(集合)はユニークであるという命題を認めている。
- 読者は、任意のモジュール(加群)たち間の任意のバイジェクティブ(全単射)リニアマップ(線形写像)は'モジュール(加群)たち - リニア(線形)モーフィズム(射)たち'アイソモーフィズム(同形写像)であるという命題を認めている。
ターゲットコンテキスト
- 読者は、ベーシス(基底)たちを持つ任意のモジュール(加群)たち間任意のリニアマップ(線形写像)に対して、もしも、その、任意のドメイン(定義域)ベーシス(基底)についてのリストリクション(制限)が任意のコドメイン(余域)ベーシス(基底)の上へのバイジェクション(全単射)である場合、当該マップ(写像)は'モジュール(加群)たち - リニア(線形)モーフィズム(射)たち'アイソモーフィズム(同形写像)であるという命題の記述および証明を得る。
オリエンテーション
本サイトにてこれまで議論された定義たちの一覧があります。
本サイトにてこれまで議論された命題たちの一覧があります。
本体
1: 構造化された記述
ここに'構造化された記述'のルールたちがある。
エンティティ(実体)たち:
\(R\): \(\in \{\text{ 全てのリング(環)たち }\}\)
\(M_1\): \(\in \{\text{ 全ての } R \text{ モジュール(加群)たち }\}\)
\(M_2\): \(\in \{\text{ 全ての } R \text{ モジュール(加群)たち }\}\)
\(J_1\): \(\in \{\text{ 全てのアンカウンタブル(不可算)かもしれないインデックスセット(集合)たち }\}\)
\(J_2\): \(\in \{\text{ 全てのアンカウンタブル(不可算)かもしれないインデックスセット(集合)たち }\}\)
\(B_1\): \(= \{b_{1, j} \vert j \in J_1\}\), \(\in \{M_1 \text{ に対する全てのベーシス(基底)たち }\}\)
\(B_2\): \(= \{b_{2, j} \vert j \in J_2\}\), \(\in \{M_2 \text{ に対する全てのベーシス(基底)たち }\}\)
\(f\): \(: M_1 \to M_2\)
//
ステートメント(言明)たち:
\(f (B_1) = B_2 \land f \vert_{B_1}: B_1 \to B_2 \in \{\text{ 全てのバイジェクション(全単射)たち }\}\)
\(\implies\)
\(f \in \{\text{ 全ての'モジュール(加群)たち - リニア(線形)モーフィズム(射)たち'アイソモーフィズム(同形写像)たち }\}\)
//
2: 証明
全体戦略: ステップ1: \(f\)はインジェクティブ(単射)であることを見る; ステップ2: \(f\)はサージェクティブ(全射)であることを見る; ステップ3: 本命題を結論する。
ステップ1:
\(f\)はインジェクティブ(単射)であることを見よう。
\(m, m' \in M_1\)は\(m \neq m'\)を満たす任意のものであるとしよう。
以下を満たすあるファイナイト(有限)\(S \subseteq J_1\)、つまり、\(m = \sum_{j \in S} m^j b_{1, j}\)、および以下を満たすあるファイナイト(有限)\(S' \subseteq J_1\)、つまり、\(m' = \sum_{j \in S'} m'^j b_{1, j}\)、がある。
\(S \cup S'\)を取り、各\(j \in S \cup S'\)に対して、\(j \in S\)に対しては\(\widetilde{m}^j = m^j\)で\(j \notin S\)に対しては\(\widetilde{m}^j = 0\)、\(j \in S'\)に対しては\(\widetilde{m'}^j = m'^j\)で\(j \notin S'\)に対しては\(\widetilde{m'}^j = 0\)としよう。
\(m = \sum_{j \in S \cup S'} \widetilde{m}^j b_{1, j}\)および\(m' = \sum_{j \in S \cup S'} \widetilde{m'}^j b_{1, j}\)。
\(m \neq m'\)であるから、\(\widetilde{m}^l \neq \widetilde{m'}^l\)、ある\(l \in S \cup S'\)に対して。
\(f (m) = f (\sum_{j \in S \cup S'} \widetilde{m}^j b_{1, j}) = \sum_{j \in S \cup S'} \widetilde{m}^j f (b_{1, j})\)、なぜなら、\(f\)はリニア(線形)である。
\(f (m') = f (\sum_{j \in S \cup S'} \widetilde{m'}^j b_{1, j}) = \sum_{j \in S \cup S'} \widetilde{m'}^j f (b_{1, j})\)、なぜなら、\(f\)はリニア(線形)である。
\(f (B_1) = B_2\)であるから、各\(f (b_{1, j})\) は\(B_2\)の要素であり、\(f \vert_{B_1}\)はバイジェクティブ(全単射)であるから、\(\{f (b_{1, j}) \vert j \in S \cup S'\}\)は互いに異なる。
\(\widetilde{m}^l \neq \widetilde{m'}^l\)であるから、\(f (m) = \sum_{j \in S \cup S'} \widetilde{m}^j f (b_{1, j}) \neq \sum_{j \in S \cup S'} \widetilde{m'}^j f (b_{1, j}) = f (m')\)、ベーシス(基底)を持つモジュール(加群)に対して、要素のベーシス(基底)に関するコンポーネントたちセット(集合)はユニークであるという命題によって。
ステップ2:
\(m \in M_2\)は任意のものであるとしよう。
以下を満たすあるファイナイト(有限)\(S \subseteq J_2\)、つまり、\(m = \sum_{j \in S} m^j b_{2, j}\)、がある。
\(f \vert_{B_1}: B_1 \to B_2\)はバイジェクティブ(全単射)であるから、当該インバース(逆)\({f \vert_{B_1}}^{-1}: B_2 \to B_1\)がある。したがって、\({f \vert_{B_1}}^{-1} (b_{2, j}) \in B_1\)。
\(\sum_{j \in S} m^j {f \vert_{B_1}}^{-1} (b_{2, j}) \in M_1\)のことを考えよう。
\(f (\sum_{j \in S} m^j {f \vert_{B_1}}^{-1} (b_{2, j})) = \sum_{j \in S} m^j f ({f \vert_{B_1}}^{-1} (b_{2, j}))\)、なぜなら、\(f\)はリニア(線形)である、\(= \sum_{j \in S} m^j b_{2, j} = m\)。
したがって、\(f\)はサージェクティブ(全射)である。
ステップ3:
任意のモジュール(加群)たち間の任意のバイジェクティブ(全単射)リニアマップ(線形写像)は'モジュール(加群)たち - リニア(線形)モーフィズム(射)たち'アイソモーフィズム(同形写像)であるという命題によって、\(f\)は'モジュール(加群)たち - リニア(線形)モーフィズム(射)たち'アイソモーフィズム(同形写像)である。