カバリングマップ(写像)はプロパーである、もしも、シートたちのカーディナリティ(濃度)がファイナイト(有限)である場合、そしてその場合に限って、ことの記述/証明
話題
About: トポロジカルスペース(空間)
この記事の目次
開始コンテキスト
- 読者は、カバリングマップ(写像)の定義を知っている。
- 読者は、プロパーマップ(写像)の定義を知っている。
- 読者は、任意のカバリングマップ(写像)に対して、シートたちのカーディナリティたちは同一であるという命題を認めている。
- 読者は、任意のマップ(写像)に対して、任意の、セット(集合)たちのユニオン(和集合)、のマップ(写像)プリイメージ(前像)は、それらセット(集合)たちのマップ(写像)プリイメージ(前像)たちのユニオン(和集合)であるという命題を認めている。
ターゲットコンテキスト
- 読者は、任意のカバリングマップ(写像)はプロパーである、もしも、シートたちのカーディナリティ(濃度)がファイナイト(有限)である場合、そしてその場合に限って、という命題の記述および証明を得る。
オリエンテーション
本サイトにてこれまで議論された定義たちの一覧があります。
本サイトにてこれまで議論された命題たちの一覧があります。
本体
1: 構造化された記述
ここに'構造化された記述'のルールたちがある。
エンティティ(実体)たち:
\(T_1\): \(\in \{\text{ 全てのトポロジカルスペース(空間)たち }\}\)
\(T_2\): \(\in \{\text{ 全てのトポロジカルスペース(空間)たち }\}\)
\(\pi\): \(: T_1 \to T_2\), \(\in \{\text{ 全てのカバリングマップ(写像)たち }\}\)
//
ステートメント(言明)たち:
\(\pi \in \{\text{ 全てのプロパーマップ(写像)たち }\}\)
\(\iff\)
\(\text{ シートたちのカーディナリティ(濃度) } \in \mathbb{N} \setminus \{0\}\)
//
2: 証明
全体戦略: ステップ1: 'シートたちのカーディナリティ(濃度)'は妥当な概念であることを見る; ステップ2: \(\pi\)はプロパーであると仮定する; ステップ3: シートたちのカーディナリティ(濃度)はファイナイト(有限)であることを見る; ステップ4: シートたちのカーディナリティ(濃度)はファイナイト(有限)\(n\)であると仮定する; ステップ5: \(T_2\)の任意のコンパクトサブセット(部分集合)\(K\)および\(\pi^{-1} (K)\)の任意のオープンカバー(開被覆)\(\{U_j\}\)を取り、各\(k \in K\)に対して、以下を満たす任意のイーブンにカバーされた\(V_k\)、つまり、\(\pi^{-1} (V_k) = \{\pi^{-1} (V_k)_1, ..., \pi^{-1} (V_k)_n\}\)、を取り、\(V_k\)を縮小して(もしも、必要であれば)\(\pi^{-1} (V_k)_1 \subseteq U_{j (k, 1)}\)を満たすようにし、...、\(V_k\)を縮小して(もしも、必要であれば)\(\pi^{-1} (V_k)_n \subseteq U_{j (k, n)}\)を満たすようにする; ステップ6: \(K\)のあるファイナイト(有限)サブカバー(部分被覆)\(\{V_{k_1}, ..., V_{k_m}\}\)を取り、\(\{U_{j (k_1, 1)}, ..., U_{j (k_1, n)}, ..., U_{j (k_m, 1)}, ..., U_{j (k_m, n)}\}\)は\(\pi^{-1} (K)\)のファイナイト(有限)サブカバー(部分被覆)であることを見る。
ステップ1:
"シートたちのカーディナリティ(濃度)"と言っているが、イーブンにカバーされたオープンネイバーフッド(開近傍)たちが異なるカーディナリティ(濃度)たちを持っていたりしないのだろう?
いいえ、全てのイーブンにカバーされたオープンネイバーフッド(開近傍)たちは同一のカーディナリティ(濃度)を持っている、任意のカバリングマップ(写像)に対して、シートたちのカーディナリティたちは同一であるという命題によって、したがって、'シートたちのカーディナリティ(濃度)'は妥当な概念である。
ステップ2:
\(\pi\)はプロパーであると仮定しよう。
ステップ3:
\(t_2 \in T_2\)を任意のものとしよう。
\(\{t_2\} \subseteq T_2\)はコンパクトサブセット(部分集合)である。
\(t_2\)の任意のイーブンにカバーされたオープンネイバーフッド(開近傍)\(V_{t_2} \subseteq T_2\)を取ろう。
\(\pi^{-1} (\{t_2\}) = \{\pi^{-1} (\{t_2\})_j \vert j \in J\} \subseteq \pi^{-1} (V_{t_2}) = \cup_{j \in J} \pi^{-1} (V_{t_2})_j\)、それが意味するのは、\(\{\pi^{-1} (V_{t_2})_j \vert j \in J\}\)は\(\pi^{-1} (\{t_2\})\)のオープンカバー(開被覆)であるということ。
もしも、\(J\)がインフィニット(無限)セット(集合)であったら、ファイナイト(有限)サブカバー(部分被覆)はないことになる、なぜなら、各\(\pi^{-1} (V_{t_2})_j\)は取り除くことができないであろう、なぜなら、それは、\(\pi^{-1} (\{t_2\})_j\)カバーされなくするから。
したがって、\(J\)はファイナイト(有限)である。
ステップ4:
シートたちのカーディナリティ(濃度)はファイナイト(有限)\(n\)であると仮定しよう。
ステップ5:
\(K \subseteq T_2\)を任意のコンパクトサブセット(部分集合)としよう。
\(\{U_j \vert j \in J\}\)を\(\pi^{-1} (K)\)の任意のオープンカバー(開被覆)としよう。
\(k \in K\)を任意のものとしよう。
\(k\)のあるイーブンにカバーされたオープンネイバーフッド(開近傍)\(V_k \subseteq T_2\)がある。
\(\pi^{-1} (V_k) = \{\pi^{-1} (V_k)_1, ..., \pi^{-1} (V_k)_n\}\)。
\(\pi^{-1} (\{k\}) = \{\pi^{-1} (\{k\})_1, ..., \pi^{-1} (\{k\})_n\}\)、ここで、\(\pi^{-1} (\{k\})_j \in \pi^{-1} (V_k)_j\)。
第1に、\(\pi^{-1} (V_k)_1\)のことを考えよう。
\(\pi^{-1} (\{k\})_1 \in \pi^{-1} (K)\)であるから、\(\pi^{-1} (\{k\})_1 \in U_{j (k, 1)}\)、ここで、\(j (k, 1)\)は、\(j (k, 1) \in J\)は\((k, 1)\)に依存して選ばれることを意味する。
\(\pi^{-1} (\{k\})_1\)の以下を満たすあるオープンネイバーフッド(開近傍)\(W_{\pi^{-1} (\{k\})_1} \subseteq T_1\)、つまり、\(W_{\pi^{-1} (\{k\})_1} \subseteq \pi^{-1} (V_k)_1 \cap U_{j (k, 1)}\)、がある。
すると、\(\pi \vert_{W_{\pi^{-1} (\{k\})_1}}: W_{\pi^{-1} (\{k\})_1} \to \pi (W_{\pi^{-1} (\{k\})_1}) \subseteq V_k\)はホメオモーフィズム(位相同形写像)である、そして、\(\pi (W_{\pi^{-1} (\{k\})_1})\)は\(k\)のイーブンにカバーされたオープンネイバーフッド(開近傍)である、それを、再び\(V_k\)と表記する。
今のところ、\(\pi^{-1} (V_k)_1 \subseteq U_{j (k, 1)}\)を得ている。
次に、\(\pi^{-1} (V_k)_2\)のことを考えよう。
\(\pi^{-1} (\{k\})_2 \in \pi^{-1} (K)\)であるから、\(\pi^{-1} (\{k\})_2 \in U_{j (k, 2)}\)。
\(\pi^{-1} (\{k\})_2\)の以下を満たすあるオープンネイバーフッド(開近傍)\(W_{\pi^{-1} (\{k\})_2} \subseteq T_1\)、つまり、\(W_{\pi^{-1} (\{k\})_2} \subseteq \pi^{-1} (V_k)_2 \cap U_{j (k, 2)}\)、がある。
すると、\(\pi \vert_{W_{\pi^{-1} (\{k\})_2}}: W_{\pi^{-1} (\{k\})_2} \to \pi (W_{\pi^{-1} (\{k\})_2}) \subseteq V_k\)はホメオモーフィズム(位相同形写像)である、そして、\(\pi (W_{\pi^{-1} (\{k\})_2})\)は\(k\)のイーブンにカバーされたオープンネイバーフッド(開近傍)である、それを、再び\(V_k\)と表記する。
今のところ、\(\pi^{-1} (V_k)_2 \subseteq U_{j (k, 2)}\)を得ている、ここで、\(\pi^{-1} (V_k)_1 \subseteq U_{j (k, 1)}\)は成立したままである、なぜなら、\(V_k\)を縮小してもその関係は維持される。
等々と続く、そして、結局、以下を満たす\(V_k\)、つまり、\(\pi^{-1} (V_k)_j \subseteq U_{j (k, j)}\)、各\(j \in \{1, ..., n\}\)に対して、を得た、それが意味するのは、\(\pi^{-1} (V_k) = \pi^{-1} (V_k)_1 \cup ... \cup \pi^{-1} (V_k)_n \subseteq U_{j (k, 1)} \cup ... \cup U_{j (k, n)}\)。
ステップ6:
そうした\(\{V_k \vert k \in K\}\)は\(K\)のオープンカバー(開被覆)であり、あるファイナイト(有限)サブカバー(部分被覆)\(\{V_{k_1}, ... V_{k_m}\}\)を持つ、それが意味するのは、\(K \subseteq V_{k_1} \cup ... \cup V_{k_m}\)。
\(\pi^{-1} (K) \subseteq \pi^{-1} (V_{k_1} \cup ... \cup V_{k_m}) = \pi^{-1} (V_{k_1}) \cup ... \cup \pi^{-1} (V_{k_m})\)、任意のマップ(写像)に対して、任意の、セット(集合)たちのユニオン(和集合)、のマップ(写像)プリイメージ(前像)は、それらセット(集合)たちのマップ(写像)プリイメージ(前像)たちのユニオン(和集合)であるという命題によって。
しかし、\(\pi^{-1} (V_{k_1}) \cup ... \cup \pi^{-1} (V_{k_m}) \subseteq U_{j (k_1, 1)} \cup ... \cup U_{j (k_1, n)} \cup ... \cup U_{j (k_m, 1)} \cup ... \cup U_{j (k_m, n)}\)。
したがって、\(\{U_{j (k_1, 1)}, ... U_{j (k_1, n)}, ..., U_{j (k_m, 1)}, ... U_{j (k_m, n)}\}\)は\(\pi^{-1} (K)\)のファイナイト(有限)サブカバー(部分被覆)である。
したがって、\(\pi^{-1} (K)\)はコンパクトである。
したがって、\(\pi\)はプロパーである。