2025年9月21日日曜日

1310: ベクトルたちスペース(空間)間のリニアマップ(線形写像)および'ベクトルたちスペース(空間)たち - リニア(線形)モーフィズム(射)たち'アイソモーフィズム(同形写像)に対して、リニアマップ(線形写像)をアイソモーフィズム(同形写像)の後に行なうコンポジション(合成)は必ずしもリニアマップ(線形写像)のランク(階数)を持たない

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ベクトルたちスペース(空間)間のリニアマップ(線形写像)および'ベクトルたちスペース(空間)たち - リニア(線形)モーフィズム(射)たち'アイソモーフィズム(同形写像)に対して、リニアマップ(線形写像)をアイソモーフィズム(同形写像)の後に行なうコンポジション(合成)は必ずしもリニアマップ(線形写像)のランク(階数)を持たないことの記述/証明

話題


About: ベクトルたちスペース(空間)

この記事の目次


開始コンテキスト



ターゲットコンテキスト



  • 読者は、何らかのベクトルたちスペース(空間)間のあるリニアマップ(線形写像)およびある'ベクトルたちスペース(空間)たち - リニア(線形)モーフィズム(射)たち'アイソモーフィズム(同形写像)に対して、当該リニアマップ(線形写像)を当該アイソモーフィズム(同形写像)の後に行なうコンポジション(合成)は必ずしも当該リニアマップ(線形写像)のランク(階数)を持たないという命題の記述および証明を得る。

オリエンテーション


本サイトにてこれまで議論された定義たちの一覧があります。

本サイトにてこれまで議論された命題たちの一覧があります。


本体


1: 構造化された記述


ここに'構造化された記述'のルールたちがある

エンティティ(実体)たち:
\(F\): \(\in \{\text{ 全てのフィールド(体)たち }\}\)
\(V'_1\): \(\in \{\text{ 全ての } F \text{ ベクトルたちスペース(空間)たち }\}\)
\(V_2\): \(\in \{\text{ 全ての } F \text{ ベクトルたちスペース(空間)たち }\}\)
\(f_1\): \(: V'_1 \to V_2\), \(\in \{\text{ 全てのリニアマップ(線形写像)たち }\}\)
\(V_0\): \(\in \{\text{ 全ての } F \text{ ベクトルたちスペース(空間)たち }\}\)
\(V_1\): \(\in \{\text{ 全ての } F \text{ ベクトルたちスペース(空間)たち }\}\)で、\(V_1 \subseteq V'_1\)を満たすもの
\(f_0\): \(: V_0 \to V_1\), \(\in \{\text{ 全ての'ベクトルたちスペース(空間)たち - リニア(線形)モーフィズム(射)たち'アイソモーフィズム(同形写像)たち }\}\)
//

ステートメント(言明)たち:
必ずしも以下ではない、つまり、\(Rank (f_1 \circ f_0) = Rank (f_1)\)
//


2: 注


\(V_1\)は\(V'_1\)のベクトルたちサブスペース(部分空間)だとは仮定されておらず、\(V_1\)は\(V'_1\)に等しいと仮定されていない(当該コンポジション(合成)は、もしも\(V_1 \subseteq V'_1\)であれば妥当である))、それらが重要ポイントたちである。

本命題は、いくつかのことたちをチェックすることなく結論に飛びつかないようにという警告である: 任意のベクトルたちスペース(空間)たち間任意のリニアマップ(線形写像)、当該リニアマップ(線形写像)のドメイン(定義域)の上への任意の'ベクトルたちスペース(空間)たち - リニア(線形)モーフィズム(射)たち'アイソモーフィズム(同形写像)、当該リニアマップ(線形写像)のコドメイン(余域)の任意のスーパースペース(超空間)からの任意の'ベクトルたちスペース(空間)たち - リニア(線形)モーフィズム(射)たち'アイソモーフィズム(同形写像)に対して、当該リニアマップ(線形写像)を第1アイソモーフィズム(同形写像)の後に行ない第2アイソモーフィズム(同形写像)の前に行なうコンポジションは当該リニアマップ(線形写像)のランク(階数)を持つという命題を参照のこと。


3: 証明


全体戦略: ステップ1: \(f_1 \circ f_0\)はリニア(線形)であると保証されていないことを見る; ステップ2: \(V_1\)が\(V'_1\)のベクトルたちスペース(空間)である場合であっても\(Rank (f_1 \circ f_0) \lt Rank (f_1)\)である反例を見る。

ステップ1:

\(V_1 \subseteq V'_1\)が意味するのは、単に、\(V_1\)は\(V'_1\)のサブセット(部分集合)であることであって、\(V_1\)は\(V'_1\)のベクトルたちサブスペース(部分空間)であることではない。

各\(v, v' \in V_0\)および各\(r, r' \in F\)に対して、\(f_1 \circ f_0 (r v + r' v') = f_1 (f_0 (r v + r' v')) = f_1 (r f_0 (v) + r' f_0 (v'))\)、しかし、ここでの問題は、\(r f_0 (v) + r' f_0 (v')\)は、\(V_1\)のベクトルたちスペース(空間)ストラクチャー(構造)によるものであって、\(V'_1\)のではないこと、したがって、\(= r f_1 (f_0 (v)) + r' f_1 (f_0 (v'))\)は保証されない。

したがって、\(f_1 \circ f_0\)はリニア(線形)であるとは保証されない。

リニア(線形)であることなしには、\(Rank (f_1 \circ f_0)\)は定義されていない。

ステップ2:

\(V_1\)は\(V'_1\)のベクトルたちサブスペース(部分空間)であると仮定しよう。

\(V'_1 = \mathbb{R}^2\)、ユークリディアンベクトルたちスペース(空間)として、\(V_2 = \mathbb{R}^2\)、ユークリディアンベクトルたちスペース(空間)として、\(f_1 = id_{\mathbb{R}^2}: V'_1 \to V_2\)、アイデンティティマップ(恒等写像)として、\(V_0 = \mathbb{R} \oplus \{0\}\)、ここで、\(\mathbb{R}\)はユークリディアンベクトルたちスペース(空間)、\(V_1 = \mathbb{R} \oplus \{0\}\)、ここで、\(\mathbb{R}\)はユークリディアンベクトルたちスペース(空間)、\(f_0 = id_{\mathbb{R} \oplus \{0\}}: V_0 \to V_1\)、アイデンティティマップ(恒等写像)として、としよう。

確かに、\(V_1 \subseteq V'_1\)、ここで、\(V_1\)は1-ディメンショナル(次元)、である、なぜなら、例えば、\(\{(1, 0)\}\)はベーシス(基底)である。

確かに、\(f_0\)は'ベクトルたちスペース(空間)たち - リニア(線形)モーフィズム(射)たち'アイソモーフィズム(同形写像)である。

しかし、\(Ran (f_1) = \mathbb{R}^2\)および\(Rank (f_1) = Dim (Ran (f_1)) = 2\)、ここで、\(Ran (f_1 \circ f_0) = \mathbb{R} \otimes \{0\}\)および\(Rank (f_1 \circ f_0) = Dim (Ran (f_1 \circ f_0)) = 1\)。

したがって、\(Rank (f_1 \circ f_0) \lt Rank (f_1)\)。


参考資料


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