2025年10月12日日曜日

1353: ベクトルたちサブスペース(部分空間)はコンプリメンタリーサブスペース(補部分空間)を持つ

<このシリーズの前の記事 | このシリーズの目次 | このシリーズの次の記事>

ベクトルたちサブスペース(部分空間)はコンプリメンタリーサブスペース(補部分空間)を持つことの記述/証明

話題


About: ベクトルたちスペース(空間)

この記事の目次


開始コンテキスト



ターゲットコンテキスト



  • 読者は、任意のベクトルたちサブスペース(部分空間)はあるコンプリメンタリーサブスペース(補部分空間)を持つという命題の記述および証明を得る。

オリエンテーション


本サイトにてこれまで議論された定義たちの一覧があります。

本サイトにてこれまで議論された命題たちの一覧があります。


本体


1: 構造化された記述


ここに'構造化された記述'のルールたちがある

エンティティ(実体)たち:
\(F\): \(\in \{\text{ 全てのフィールド(体)たち }\}\)
\(V'\): \(\in \{\text{ 全ての } F \text{ ベクトルたちスペース(空間)たち }\}\)
\(V\): \(\in \{V' \text{ の全てのベクトルたちサブスペース(部分空間)たち }\}\)
//

ステートメント(言明)たち:
\(\exists \widetilde{V} \in \{V \text{ の全てのコンプリメンタリーベクトルたちサブスペース(補部分空間)たち }\}\)
//


2: 注


\(V'\)および\(V\)の各々はファイナイト(有限)-ディメンショナル(次元)である必要はない。

本命題は、\(\widetilde{V}\)がユニークであるとは言っておらず、少なくとも1個の\(\widetilde{V}\)があると言っている: ベクトルたちサブスペース(部分空間)のコンプリメンタリーサブスペース(補部分空間)の定義の"注2"を参照のこと。


3: 証明


全体戦略: ステップ1: \(V\)に対する任意のベーシス(基底)\(B\)を取る; ステップ2: \(B\)を拡張して\(V'\)に対するベーシス(基底)\(B'\)であるようにする; ステップ3: \(\widetilde{B} := B' \setminus B\)を取り、\(\widetilde{V} := (\widetilde{B})\)を取り、\(\widetilde{V}\)は\(V\)のコンプリメンタリーサブスペース(補部分空間)であることを見る。

ステップ1:

\(V\)に対する任意のベーシス(基底)\(B = \{b_j\}\)を取ろう、それは可能である、任意のベクトルたちスペース(空間)はベーシス(基底)を持つという命題によって。

ステップ2:

\(B\)を拡張して、\(V'\)に対するあるベーシス(基底)\(B' = \{b'_j\}\)にしよう、それは可能である、任意のベクトルたちスペース(空間)、任意のリニア(線形)にインディペンデント(独立)なサブセット(部分集合)に対して、当該サブセット(部分集合)は拡張してベーシス(基底)にできるという命題によって: \(B\)は\(V'\)上でリニアにインディペンデント(線形独立)である。

ステップ3:

\(\widetilde{B} := B' \setminus B = \{\widetilde{b}_j\}\)を取ろう。

\(\widetilde{V} := (\widetilde{B})\)を取ろう、それは、\(\widetilde{B}\)によって生成されたベクトルたちサブスペース(部分空間)である、それは、\(\widetilde{B}\)のスパン(張られた空間)に他ならない: ベクトルたちスペース(空間)のサブセット(部分集合)によって生成されたベクトルたちサブスペース(部分空間)の定義に対する"注"を参照のこと。

\(\widetilde{V}\)は\(V\)のあるコンプリメンタリーサブスペース(補部分空間)であることを見よう。

\(v' \in V \cap \widetilde{V}\)を任意のものとしよう。

\(v' = \sum_{j \in J} v'^j b_j = \sum_{l \in L} \widetilde{v'}^l \widetilde{b}_l\)、何らかのファイナイト(有限)\(J\)および\(L\)に対して。

したがって、\(\sum_{j \in J} v'^j b_j - \sum_{l \in L} \widetilde{v'}^l \widetilde{b}_l = 0\)、しかし、\(\{b_j \vert j \in J\} \cup \{\widetilde{b}_l \vert l \in L\}\)は\(B'\)の非重複ファイナイト(有限)サブセット(部分集合)であるから、それはリニアにインディペンデント(線形独立)である、そして、\(v'^j = 0\)および\(\widetilde{v'}^l = 0\)、したがって、\(v' = 0\)。

したがって、\(V \cap \widetilde{V} = \{0\}\)。

\(v' \in V'\)を任意のものとしよう。

\(v' = \sum_{m \in M} v'^m b'_m\)、あるファイナイト(有限)\(M\)に対して、しかし、各\(b'_m\)は排他的に\(B\)または\(\widetilde{B}\)内にある、したがって、\(\sum_{m \in M} v'^m b'_m = \sum_{j \in J} v'^j b_j + \sum_{l \in L} v'^l \widetilde{b}_l\)、ここで、\(J\)および\(L\)はファイナイト(有限)、ところで、\(\sum_{j \in J} v'^j b'_j \in V\)および\(\sum_{l \in L} v'^l \widetilde{b}_l \in \widetilde{V}\)。

したがって、\(V' \subseteq V + \widetilde{V}\)。

明らかに、\(\subseteq V + \widetilde{V} \subseteq V'\)であるから、\(V' = V + \widetilde{V}\)。

したがって、\(\widetilde{V}\)は\(V\)のコンプリメンタリーサブスペース(補部分空間)である。


参考資料


<このシリーズの前の記事 | このシリーズの目次 | このシリーズの次の記事>