2025年12月7日日曜日

1477: フィールド(体)上方のマトリックス(行列)のランク(階数)は左および右からインバーティブル(可逆)マトリックス(行列)たちを掛けることによって保存される

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フィールド(体)上方のマトリックス(行列)のランク(階数)は左および右からインバーティブル(可逆)マトリックス(行列)たちを掛けることによって保存されることの記述/証明

話題


About: マトリックス(行列)たちスペース(空間)

この記事の目次


開始コンテキスト



ターゲットコンテキスト



  • 読者は、任意のフィールド(体)上方の任意のマトリックス(行列)のランク(階数)は左および右から任意のインバーティブル(可逆)マトリックス(行列)たちを掛けることによって保存されるという命題の記述および証明を得る。

オリエンテーション


本サイトにてこれまで議論された定義たちの一覧があります。

本サイトにてこれまで議論された命題たちの一覧があります。


本体


1: 構造化された記述


ここに'構造化された記述'のルールたちがある

エンティティ(実体)たち:
\(F\): \(\in \{\text{ 全てのフィールド(体)たち }\}\)
\(M\): \(\in \{\text{ 全ての } m \times n F \text{ マトリックス(行列)たち }\}\)
\(M_1\): \(\in \{\text{ 全てのインバーティブル(可逆) } m \times m F \text{ マトリックス(行列)たち }\}\)
\(M_2\): \(\in \{\text{ 全てのインバーティブル(可逆) } n \times n F \text{ マトリックス(行列)たち }\}\)
//

ステートメント(言明)たち:
\(Rank (M) = Rank (M_1 M M_2)\)
//


2: 証明


全体戦略: 任意のファイナイト(有限)-ディメンショナル(次元)ベクトルたちスペース(空間)たち間任意のリニアマップ(線形写像)に対して、当該マップ(写像)のランク(階層)は任意のベーシス(基底)たちに関するリプレゼンタティブ(代表)マトリックス(行列)のランク(階数)であるという命題を使う; ステップ1: リニアマップ(線形写像)\(f: F^n \to F^m\)で\(M\)がそのカノニカル(正典)レプリゼンタティブ(代表)マトリックス(行列)であるもののことを考え、\(f\)のランク(階数)は\(Rank (M)\)であることを見る; ステップ2: リニアマップ(線形写像)\(f_1: F^m \to F^m\)で\(M_1\)がそのカノニカル(正典)レプリゼンタティブ(代表)マトリックス(行列)であるもののことを考え、リニアマップ(線形写像)\(f_2: F^n \to F^n\)で\(M_2\)がそのカノニカル(正典)レプリゼンタティブ(代表)マトリックス(行列)であるもののことを考え、リニアマップ(線形写像)\(f': F^n \to F^m\)で\(M_1 M M_2\)がそのカノニカル(正典)レプリゼンタティブ(代表)マトリックス(行列)であるもののことを考え、\(f'\)のランク(階数)は\(Rank (M_1 M M_2)\)であることを見る; ステップ3: \(Rank (f') = Rank (f)\)であることを見る。

ステップ1:

リニアマップ(線形写像)\(f: F^n \to F^m\)で\(M\)がそのカノニカル(正典)レプリゼンタティブ(代表)マトリックス(行列)であるもののことを考える、それが意味するのは、各\(v \in F^n\)に対して、\(f (v) = M v^t\)、であること。

\(Rank (f) = Rank (M)\)、任意のファイナイト(有限)-ディメンショナル(次元)ベクトルたちスペース(空間)たち間任意のリニアマップ(線形写像)に対して、当該マップ(写像)のランク(階層)は任意のベーシス(基底)たちに関するリプレゼンタティブ(代表)マトリックス(行列)のランク(階数)であるという命題によって。

ステップ2:

リニアマップ(線形写像)\(f_1: F^m \to F^m\)で\(M_1\)ががそのカノニカル(正典)レプリゼンタティブ(代表)マトリックス(行列)であるもののことを考える、それが意味するのは、各\(v \in F^m\)に対して、\(f_1 (v) = M_1 v^t\)であること。

リニアマップ(線形写像)\(f_2: F^n \to F^n\)で\(M_2\)ががそのカノニカル(正典)レプリゼンタティブ(代表)マトリックス(行列)であるもののことを考える、それが意味するのは、各\(v \in F^n\)に対して、\(f_2 (v) = M_2 v^t\)であること。

リニアマップ(線形写像)\(f': F^n \to F^m\)で\(M_1 M M_2\)がそのカノニカル(正典)レプリゼンタティブ(代表)マトリックス(行列)であるもののことを考える、それが意味するのは、各\(v \in F^n\)に対して、\(f' (v) = M_1 M M_2 v^t\)であること。

\(Rank (f') = Rank (M_1 M M_2)\)、任意のファイナイト(有限)-ディメンショナル(次元)ベクトルたちスペース(空間)たち間任意のリニアマップ(線形写像)に対して、当該マップ(写像)のランク(階層)は任意のベーシス(基底)たちに関するリプレゼンタティブ(代表)マトリックス(行列)のランク(階数)であるという命題によって。

ステップ3:

\(Rank (f') = Rank (f)\)であることを見よう。

\(f' = f_1 \circ f \circ f_2\)。

\(M_1\)はインバーティブル(可逆)であるから、\(f_1\)は'ベクトルたちスペース(空間)たち - リニア(線形)モーフィズム(射)たち'アイソモーフィズム(同形写像)である。

\(M_2\)はインバーティブル(可逆)であるから、\(f_2\)は'ベクトルたちスペース(空間)たち - リニア(線形)モーフィズム(射)たち'アイソモーフィズム(同形写像)である。

したがって、\(Rank (f') = Rank (f)\)、任意のベクトルたちスペース(空間)たち間任意のリニアマップ(線形写像)、当該リニアマップ(線形写像)のドメイン(定義域)の上への任意の'ベクトルたちスペース(空間)たち - リニア(線形)モーフィズム(射)たち'アイソモーフィズム(同形写像)、当該リニアマップ(線形写像)のコドメイン(余域)の任意のスーパースペース(超空間)からの任意の'ベクトルたちスペース(空間)たち - リニア(線形)モーフィズム(射)たち'アイソモーフィズム(同形写像)に対して、当該リニアマップ(線形写像)を第1アイソモーフィズム(同形写像)の後に行ない第2アイソモーフィズム(同形写像)の前に行なうコンポジションは当該リニアマップ(線形写像)のランク(階数)を持つという命題によって。

したがって、\(Rank (M) = Rank (M_1 M M_2)\)。


参考資料


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