プリンシパル(主要な)インテグラルドメイン(整域)上方のレクタングルマトリックス(長方行列)に対するスミスノーマルフォーム(正規形)定理の記述/証明
話題
About: リング(環)
この記事の目次
開始コンテキスト
- 読者は、プリンシパル(主要な)インテグラルドメイン(整域)の定義を知っている。
- 読者は、任意のプリンシパル(主要な)インテグラルドメイン(整域)は最大共通ディバイザー(因子)たちドメインであり、プリンシパル(主要な)インテグラルドメイン(整域)上の各2要素たちに対して、最大共通ディバイザー(因子)たちの内の各々は、当該2要素たちによるプリンシパル(主要)アイディアル(イデアル)たちのサム(合計)がそれによってプリンシパル(主要)アイディアル(イデアル)であるというものであるという命題を認めている。
- 読者は、任意のプリンシパル(主要な)インテグラルドメイン(整域)上方の任意のレクタングルマトリックス(長方行列)に対して、いくつかのタイプたちの行たちまたは列たちオペレーションたちで、それらの各々は、あるインバーティブル(可逆)マトリックス(行列)による左または右からのマルチプリケーション(積)として表わされる、ものたちがあるという命題を認めている。
- 読者は、任意のプリンシパル(主要な)インテグラルドメイン(整域)、当該ドメイン上方の任意のレクタングルマトリックス(長方行列)、当該ドメイン上方の任意のレクタングルマトリックス(長方行列)列たちディメンジョナル(次元)またはレクタングルマトリックス(長方行列)行たちディメンジョナル(次元)インバーティブル(可逆)スクウェアマトリックス(正方行列)に対して、プロダクトの指定ディメンジョナル(次元)サブデテーミナント(部分行列式)たちによるプリンシパル(主要)アイディアル(イデアル)たちのサム(合計)は、レクタングルマトリックス(長方行列)の同ディメンジョナル(次元)サブデテーミナント(部分行列式)たちによるプリンシパル(主要)アイディアル(イデアル)たちのサム(合計)であるという命題を認めている。
- 読者は、任意のプリンシパル(主要な)インテグラルドメイン(整域)、任意のファイナイト(有限)サブセット(部分集合)に対して、当該サブセット(部分集合)の要素たちによるプリンシパル(主要)アイディアル(イデアル)たちのサム(合計)は、当該サブセット(部分集合)の最大共通ディバイザー(因子)たちの内の任意のものによるプリンシパル(主要)アイディアル(イデアル)であるという命題を認めている。
- 読者は、任意のインテグラルドメイン(整域)に対して、もしも、任意の要素による任意のプリンシパル(主要)アイディアル(イデアル)が任意の別の要素によるものでもあった場合、当該要素たちはお互いにアソシエイトたちである、そして、当該プリンシパル(主要)アイディアル(イデアル)は任意のアソシエイトによるものであるという命題を認めている。
ターゲットコンテキスト
- 読者は、任意のプリンシパル(主要な)インテグラルドメイン(整域)上方の任意のレクタングルマトリックス(長方行列)に対してスミスノーマルフォーム(正規形)定理が成立するという命題の記述および証明を得る。
オリエンテーション
本サイトにてこれまで議論された定義たちの一覧があります。
本サイトにてこれまで議論された命題たちの一覧があります。
本体
1: 構造化された記述
ここに'構造化された記述'のルールたちがある。
エンティティ(実体)たち:
\(R\): \(\in \{\text{ 全てのプリンシパル(主要な)インテグラルドメイン(整域)たち }\}\)
\(M\): \(\in \{R \text{ 上方の全てのm x nマトリックス(行列)たち }\}\)
//
ステートメント(言明)たち:
\(\exists N \in \{R \text{ 上方の全てのn x nインバーティブル(可逆)マトリックス(行列)たち }\}, \exists O \in \{R \text{ 上方の全てのm x mインバーティブル(可逆)マトリックス(行列)たち }\}\)
(
\(\exists k \in \mathbb{N} \text{ で以下を満たすもの、つまり、 } 0 \le k \le min (m, n)\)
(
\(O M N \text{ で、以下を満たすもの、つまり、左上 } k x k \text{ サブマトリックス(部分行列)は、以下を満たす非ゼロダイアゴナル(対角)コンポーネントたち } (d_1, ..., d_k)、 つまり、d_j \vert d_{j + 1}\)、\text{ を持つダイアゴナル(対角)で、他の全てのコンポーネントたちは } \(0\)である
\(\land\)
\(\text{ 当該フォームは、 } d_j \text{ をあるユニットでかけることを除いてユニークである }\)
)
)
//
2: 自然言語記述
任意のプリンシパル(主要な)インテグラルドメイン(整域)\(R\)、\(R\)上方の任意の\(m x n\)マトリックス(行列)\(M\)に対して、\(R\)上方のある\(n x n\)インバーティブル(可逆)マトリックス(行列)\(N\)、\(R\)上方のある\(m x m\)インバーティブル(可逆)マトリックス(行列)\(O\)、以下を満たすある\(k \in \mathbb{N}\)、つまり、\(0 \le k \le min (m, n)\)、があり、\(O M N\)は以下を満たす、つまり、左上\(k x k\)サブマトリックス(部分行列)は、以下を満たす非ゼロダイアゴナル(対角)コンポーネントたち\((d_1, ..., d_k)\)、つまり、\(d_j \vert d_{j + 1}\)、を持ってダイアゴナル(対角)であって他の全てのコンポーネントたちは\(0\)である、そして、当該フォームは、\(d_j\)にあるユニットをかけることを除いてユニークである。
3: 証明
\(max (m, n)\)に関してインダクティブ(帰納的)に証明しよう。
\(max (m, n) = 1\)である時、本命題は明らかに成立する: \(N\)または\(O\)は\(R\)の要素であり、それがインバーティブル(可逆)であることは、それがユニットであることを意味する。
本命題は\(max (m, n) = n'\)まで成立すると仮定しよう。
\(max (m, n) = n' + 1\)であると仮定しよう。
\(M\)の各コンポーネントを\(M^j_l\)と表わそう。
\(R\)は最大共通ディバイザー(因子)たちドメインである、任意のプリンシパル(主要な)インテグラルドメイン(整域)は最大共通ディバイザー(因子)たちドメインであり、プリンシパル(主要な)インテグラルドメイン(整域)上の各2要素たちに対して、最大共通ディバイザー(因子)たちの内の各々は、当該2要素たちによるプリンシパル(主要)アイディアル(イデアル)たちのサム(合計)がそれによってプリンシパル(主要)アイディアル(イデアル)であるというものであるという命題によって。
\(R\)の各要素はディコンポーズド(分解される)でファクター(因子)たちとしてのイリデューシブル(約分不能)要素たちの数はユニークである。したがって、マップ(写像)\(f: R \to \mathbb{N}\)で、当該要素をファクターたちとしてのイリデューシブル(約分不能)要素たちの数へマップするもののことを考えよう。
これ以降、私たちは、任意のプリンシパル(主要な)インテグラルドメイン(整域)上方の任意のレクタングルマトリックス(長方行列)に対して、いくつかのタイプたちの行たちまたは列たちオペレーションたちで、それらの各々は、あるインバーティブル(可逆)マトリックス(行列)による左または右からのマルチプリケーション(積)として表わされる、ものたちがあるという命題を用いる、それは、私たちが使う行たちまたは列たちオペレーションたちはインバーティブルマトリックス(可逆行列)による積として表現されることを保証する。
\(M\)の全てのコンポーネントたちが\(0\)である時、本命題は当然成立する。
これ以降は、\(M\)のコンポーネントたちの内の少なくとも1つは非ゼロであると仮定しよう。
\(M\)の以下を満たす任意の非ゼロコンポーネントを取ろう、つまり、その\(f\)の下での値は全ての非ゼロコンポーネントたちの内で最小である: もしも、そういう複数のものがあれば、それらの内から任意の1つを選ぶ。
当該コンポーネントを\((1, 1)\)位置へ、行たち列たちをスワップ(入れ替え)することによって移そう、そして、当該マトリックス(行列)を\(M'\)と表わそう。
2つのケースたちがある: ケース1: 全てのコンポーネントたちは\(M'^1_1\)で割れる; ケース2: それ以外。
ケース1を仮定しよう。
\(1 \lt j\)である各\(M'^j_1\)に対して、\(M'^j_1 = q_j M'^1_1\)、そして、1番目行の\(- q_j\)倍を\(j\)番目行へ加えよう。すると、\(M'^j_1 - q_j M'^1_1 = 0\)。したがって、第1列は今や\((1, 1)\)コンポーネントを除いて\(0\)である。
\(1 \lt l\)である各\(M'^1_l\)に対して、\(M'^1_l = q_l M'^1_1\)、そして、1番目列の\(- q_l\)倍を\(l\)番目列へ加えよう。すると、\(M'^1_l - q_l M'^1_1 = 0\)。したがって、1番目行は今や\((1, 1)\)コンポーネントの除いて\(0\)である。注意として、1番目列は、それによって乱されることはなかった。
残りの\((m - 1) x (n - 1)\)マトリックス(行列)は、あるスミスノーマルフォーム(正規形)へ変形することができ、ダイアゴナル(対角)コンポーネントたち\(d_2, ..., d_k\)を持つ、インダクション(帰納法)仮定によって。それは、インバーティブル(可逆)\(m x m\)マトリックス(行列)およびインバーティブル(可逆)\(n x n\)マトリックス(行列)で、\((1, 1)\)コンポーネントたち\(1\)を除いて1番目行たちおよび1番目列たちが\(0\)であるものによって行なえる。
さて、\(M'^1_1 = d_1\)と名付けると、結果は、スミスノーマルフォーム(正規形)であり、ダイアゴナル(対角)コンポーネントたち\(d_1, ..., d_k\)である、なぜなら、\(d_1 \vert d_2\)、なぜなら、\(d_2\)は\(M'\)のコンポーネントたちのリニアコンビネーション(線形結合)であるが、各コンポーネントは\(d_1\)で割れる。
ケース2を仮定しよう。
\(M'^1_1\)によって割れない少なくとも\(1\)つのコンポーネントがある。
3つのサブケースたちがある: ケース2-1: 1番目列はある割れないコンポーネントを持つ; ケース2-2: ケース2-1ではないが、1番目行はある割れないコンポーネントを持つ; ケース2-3: ケース2-1でもケース2-2でもない。
ケース2-1を仮定しよう。
1番目列はある割れないコンポーネント\(M'^j_1\)を持ち、ある\(d \in gcd (M'^1_1, M'^j_1)\)および以下を満たす何らかの\(w, x \in R\)、つまり、\(w M'^1_1 + x M'^j_1 = d\)、がある(任意のプリンシパル(主要な)インテグラルドメイン(整域)は最大共通ディバイザー(因子)たちドメインであり、プリンシパル(主要な)インテグラルドメイン(整域)上の各2要素たちに対して、最大共通ディバイザー(因子)たちの内の各々は、当該2要素たちによるプリンシパル(主要)アイディアル(イデアル)たちのサム(合計)がそれによってプリンシパル(主要)アイディアル(イデアル)であるというものであるという命題によって)、そして、1番目行を、1番目行を\(w\)倍したものプラス\(j\)番目行を\(x\)倍したもので置き換え、\(j\)番目行を、1番目行を\(- M^j_1 / d\)倍したものプラス\(j\)番目行を\(M^1_1 / d\)倍したもので置き換えることによって、今や、\((1, 1)\)コンポーネントは\(d\)であり、\((j, 1)\)コンポーネントは\(0\)である。注意として、\(f (d) \lt f (M'^1_1)\)、なぜなら、\(M'^1_1\)は\(M'^j_1\)を割れなかったから、\(d\)は、ファクター(因子)たちとしてより少ないイリデューシブル(約分不能)要素たちを含む。
さて、ケースたちチェックへ戻ろう(もしも、ケース1であれば、処理は終結する)。
ケース2-2を仮定しよう。
1番目行はある割れないコンポーネント\(M'^1_l\)を持ち、ある\(d \in gcd (M'^1_1, M'^1_l)\)および以下を満たす何らかの\(w, x \in R\)、つまり、\(w M'^1_1 + x M'^1_l = d\)、があり、1番目列を、1番目列を\(w\)倍したものプラス\(l\)番目列を\(x\)倍したもので置き換え、\(l\)番目列を、1番目列を\(- M^1_l / d\)倍したものプラス\(l\)番目列を\(M^1_1 / d\)倍したもので置き換えることによって、今や、\((1, 1)\)コンポーネントは\(d\)であり、\((1, l)\)コンポーネントは\(0\)である。注意として、\(f (d) \lt f (M'^1_1)\)、なぜなら、\(M'^1_1\)は\(M'^1_l\)を割れなかったから、\(d\)はファクターたちとしてより少ないイリデューシブル(約分不能)要素たちを含む。
さて、ケースたちチェックへ戻ろう(もしも、ケース1であれば、処理は終結する)。
ケース2-3を仮定しよう。
ケース1の処理を1番目列および1番目行に対して行なおう、それは可能である、なぜなら、1番目列および1番目行は割れる。
すると、当該処理が全ての割れないコンポーネントたちを消し去ったとしたら、今や、ケースたちチェックへ戻ろう、ケース1になり、処理は終結する。
そうでなければ、ある\(l\)番目列上にある割れないコンポーネントがある。\(l\)番目列を1番目列へ加えよう(\((1, 1)\)コンポーネントは乱されない、なぜなら、1番目行は\((1, 1)\)コンポーネントを除いて\(0\)である)。今や、ケース2-1を行おう。
\(0 \le f (d) \lt f (M'^1_1)\)であるから、そのうちに、\(f (d)\)は0になるであろう、もしも、ケース1がその前に実現されなければ、そして、ケース1が不可避に実現される、なぜなら、\(f (d) = 0\)は\(d\)がユニットであることを含意する。
したがって、スミスノーマルフォーム(正規形)が\(O M N\)として実現された。
当該フォームが\(d_j\)をあるユニット倍することを除いてユニークであることを見よう。
任意のプリンシパル(主要な)インテグラルドメイン(整域)、当該ドメイン上方の任意のレクタングルマトリックス(長方行列)、当該ドメイン上方の任意のレクタングルマトリックス(長方行列)列たちディメンジョナル(次元)またはレクタングルマトリックス(長方行列)行たちディメンジョナル(次元)インバーティブル(可逆)スクウェアマトリックス(正方行列)に対して、プロダクトの指定ディメンジョナル(次元)サブデテーミナント(部分行列式)たちによるプリンシパル(主要)アイディアル(イデアル)たちのサム(合計)は、レクタングルマトリックス(長方行列)の同ディメンジョナル(次元)サブデテーミナント(部分行列式)たちによるプリンシパル(主要)アイディアル(イデアル)たちのサム(合計)であるという命題によって、各\(1 \le j \le min (m, n)\)に対して、\(I_j (O M N) = I_j (M)\)。
\(O M N\)の各非ゼロ\(j x j\)サブデターミナント(部分行列式)はあるダイアゴナル(対角)サブマトリックス(部分行列)による、なぜなら、\((1, 1)\)コンポーネントは非ゼロでなければならない、なぜなら、1番目行はある非ゼロコンポーネントを持たなければならないところ、もしも、最初の非ゼロコンポーネントが\(1 \lt l\)の\((1, l)\)コンポーネントだったら、1番目列は全てゼロであることになる、なぜなら、いかなる非ゼロコンポーネントも\(l\)番目列より左の列上に現われることはできない、それは、デターミナント(行列式)はゼロだったことを意味する; 同様に、\((2, 2)\)コンポーネントは非ゼロでなければならない、なぜなら、そうでなければ、右下\((j - 1) x (j - 1)\)サブデターミナント(部分行列式)はゼロになり、それは、\(j x j\)デターミナント(行列式)をゼロにする、ラプラス展開によって; 等々と続く。
\(I_j (O M N)\)は全ての\(j x j\)サブデターミナント(部分行列式)たちのある最大共通ディバイザー(因子)によるプリンシパル(主要)アイディアル(イデアル)である、任意のプリンシパル(主要な)インテグラルドメイン(整域)、任意のファイナイト(有限)サブセット(部分集合)に対して、当該サブセット(部分集合)の要素たちによるプリンシパル(主要)アイディアル(イデアル)たちのサム(合計)は、当該サブセット(部分集合)の最大共通ディバイザー(因子)たちの内の任意のものによるプリンシパル(主要)アイディアル(イデアル)であるという命題によって、ところ、そういう最大共通ディバイザー(因子)の1つは、\(1 \le j \le k\)の時\(d_1 ... d_j\)である(\(d_l \vert d_{l + 1}\)であるから)、そして、\(k \lt j\)である時\(0\)。
別のスミスノーマルフォーム(正規形)\(O' M N'\)でダイアゴナル(対角)コンポーネントたち\(d'_1, ..., d'_{k'}\)を持つものがあると仮定しよう。
すると、\(I_j (O M N) = I_j (O' M N')\)。特に、\(I_1 (O M N) = I_1 (O' M N')\)、それは、\(d_1\)によるプリンシパル(主要)アイディアル(イデアル)である、それは、\(d'_1\)によるプリンシパル(主要)アイディアル(イデアル)である。すると、あるユニットに対して\(d'_1 = u_1 d_1\)、任意のインテグラルドメイン(整域)に対して、もしも、任意の要素による任意のプリンシパル(主要)アイディアル(イデアル)が任意の別の要素によるものでもあった場合、当該要素たちはお互いにアソシエイトたちである、そして、当該プリンシパル(主要)アイディアル(イデアル)は任意のアソシエイトによるものであるという命題によって。同様に、\(d'_1 d'_2 = u_1 d_1 d'_2 = u_2 d_1 d_2\)、それが含意するのは、\(d'_2 = {u_1}^{-1} u_2 d_2\)。等々と続く。結局、各\(d'_j\)は\(d_j\)のアソシエイトである。不可避に、\(k' = k\)。