インデックスセット(集合)に対して、インデックスセット(集合)の\(n\)-乗による合計は、\(n\)-シンメトリックグループ(対称群)のクウォシェント(商)セット(集合)による合計の\(n\)-乗インデックスセット(集合)のクウォシェント(商)セット(集合)による合計であることの記述/証明
話題
About: セット(集合)
この記事の目次
開始コンテキスト
- 読者は、プロダクトセット(集合)の定義を知っている。
- 読者は、クオシエント(商)セット(集合)の定義を知っている。
- 読者は、n-シンメトリックグループ(対称群)の定義を知っている。
- 読者は、クオシエント(商)セット(集合)のレプリゼンタティブ(代表)たちセット(集合)の定義を知っている。
ターゲットコンテキスト
- 読者は、任意のインデックスセット(集合)に対して、当該インデックスセット(集合)の\(n\)-乗による合計は、\(n\)-乗インデックスセット(集合)のカノニカル(正典)クウォシェント(商)セット(集合)の各要素に対する \(n\)-シンメトリックグループ(対称群)のカノニカル(正典)クウォシェント(商)セット(集合)による合計の\(n\)-乗インデックスセット(集合)のクウォシェント(商)セット(集合)による合計であるという命題の記述および証明を得る。
オリエンテーション
本サイトにてこれまで議論された定義たちの一覧があります。
本サイトにてこれまで議論された命題たちの一覧があります。
本体
1: 構造化された記述
ここに'構造化された記述'のルールたちがある。
エンティティ(実体)たち:
\(J\): \(\in \{\text{ 全てのインデックスセット(集合)たち }\}\)
\(n\): \(\in \mathbb{N} \setminus \{0\}\)
\(J^n\): \(= \text{ 当該プロダクトセット(集合) }\)
\(S_n\): \(= \text{ } n \text{ -シンメトリックグループ(対称群) }\)
\(\sim\): \(\in \{J^n \text{ 上のイクイバレンスリレーション(同値関係)たち }\}\)で、\(\forall j = (j_1, ..., j_n), j' = (j'_1, ..., j'_n) \in J^n (j \sim j' \iff \exists \sigma \in S_n ((j_{\sigma_1}, ..., j_{\sigma_n}) = (j'_1, ..., j'_n)))\)を満たすもの
\(J^n / \sim\): \(= \text{ 当該クウォシェント(商)セット(集合) }\)
\(\overline{J^n / \sim - f}\): \(= J^n / \sim \text{ の当該レプリゼンタティブ(代表)たちセット(集合) }\)、ここで、レプリゼンタティブ(代表)たちマップ(写像)\(f: J^n / \sim \to J^n\)は恣意的に選ばれる
\(\{\sim_{j} \vert j \in \overline{J^n / \sim - f}\}\): \(\sim_{j} \in \{S_n \text{ の全てのイクイバレンスリレーション(同値関係)たち }\}\)で、\(\forall \sigma, \sigma' \in S_n (\sigma \sim_{j} \sigma' \iff (j_{\sigma_1}, ..., j_{\sigma_n}) = (j_{\sigma'_1}, ..., j_{\sigma'_n}))\)を満たすもの
\(\{S_n / \sim_{j} \vert j \in \overline{J^n / \sim - f}\}\}\): \(S_n / \sim_{j} \in \{\text{ 全てのクオシエント(商)セット(集合)たち }\}\)
//
ステートメント(言明)たち:
\(\sum_{j \in J^n} = \sum_{j \in \overline{J^n / \sim - f}} \sum_{\sigma \in S_n / \sim_{j}} = \sum_{[j] \in J^n / \sim} \sum_{\sigma \in S_n / \sim_{f ([j])}}\)
//
2: 注
行なわれていることは本当は単なる常識である: \(J^n\)はサブセット(部分集合)たち、それらの各々はあるコンビネーションに全てのパーミュテーション(並べ替え)を行なったものである、に分割される('コンビネーション'とは、\(J^n / \sim\)の任意の要素を意味する)。
例えば、\(j = \{1, 2\}\)、\(n = 3\)である時、\(J^n = \{(1, 1, 1), (1, 1, 2), (1, 2, 1), (1, 2, 2), (2, 1, 1), (2, 1, 2), (2, 2, 1), (2, 2, 2)\}\)、\(J^n / \sim = \{\{(1, 1, 1)\}, \{(1, 1, 2), (1, 2, 1), (2, 1, 1)\}, \{(1, 2, 2), (2, 1, 2), (2, 2, 1)\}, \{(2, 2, 2)\}\}\)、\(\overline{J^n / \sim - f} = \{(1, 1, 1), (1, 1, 2), (1, 2, 2), (2, 2, 2)\}\)、1つの選択として、そして、\(\sum_{j \in J^n}\)は、\(\overline{J^n / \sim - f}\)の各要素を取り、当該要素の全ての互いに異なるパーミュテーション(並べ替え)たちによって合計し、それら合計たちを合計する。
本命題の要点は、この直感的に自然な手続きのある厳密な記法を提示することである。
\(\sim_{j}\)は、\(f\)の選択(各クラスに対するレプリゼンタティブ(代表)の選択)に依存する。
例えば、\(j = \{1, 2\}\)、\(n = 3\)である時、もしも、\((1, 1, 2)\)がレプリゼンタティブ(代表)であれば、\((1, 2, 3) \mapsto (1, 2, 3) \in S_n\)と\((1, 2, 3) \mapsto (2, 1, 3) \in S_n\)がイクイバレント(同値)になる、しかし、もしも、\((1, 2, 1)\)がレプリゼンタティブ(代表)であれば、\((1, 2, 3) \mapsto (1, 2, 3) \in S_n\)と\((1, 2, 3) \mapsto (2, 1, 3) \in S_n\)はイクイバレント(同値)ではなくなる(代わりに、\((1, 2, 3) \mapsto (1, 2, 3) \in S_n\)と\((1, 2, 3) \mapsto (3, 2, 1) \in S_n\)がイクイバレント(同値)になる)。
いずれにせよ、\(\sum_{\sigma \in S_n / \sim_{j}}\)は、クラス\([j]\)に対するパーミュテーション(並べ替え)たちの同一のセット(集合)をカバーする。
\(J\)がリニア(線形)にオーダード(順序付けられた)である時、\([(j_1, ..., j_n)]\)のレプリゼンタティブ(代表)に対するある自然な選択は\(j_1 \le ... \le j_n\)(または\(j_n \le ... \le j_1\))である。
本命題に対する動機は、しばしば、\(\sum_{j \in J^n}\)の合計対象はコンビネーション\([j]\)に依存し(全体的にまたは部分的に)、その場合、\(\sum_{j \in J^n}\)を\(\sum_{j \in \overline{J^n / \sim - f}} \sum_{\sigma \in S_n / \sim_{j}}\)と考えることは便利になり得る: 例えば、合計対象が全体的に\([j]\)に依存する時、\(\sum_{j \in \overline{J^n / \sim - f}} \sum_{\sigma \in S_n / \sim_{j}} = \sum_{j \in \overline{J^n / \sim - f}} \vert S_n / \sim_{j} \vert\)、ここで、\(\vert S_n / \sim_{j} \vert\)は\(S_n / \sim_{j}\)のカーディナリティ(濃度)を表わす。
3: 証明
全体戦略: ステップ1: \(\sim\)は本当にイクイバレンスリレーション(同値関係)であることを見る; ステップ2: \(\sim_{j}\)は本当にイクイバレンスリレーション(同値関係)であることを見る; ステップ3: \(\sum_{j \in J^n} = \sum_{j \in \overline{J^n / \sim - f}} \sum_{\sigma \in S_n / \sim_{j}} = \sum_{[j] \in J^n / \sim} \sum_{\sigma \in S_n / \sim_{f ([j])}}\)であることを見る。
ステップ1:
\(\sim\)は本当にイクイバレンスリレーション(同値関係)であることを見る。
各\(j = (j_1, ..., j_n) \in J^n\)に対して、\(j \sim j\)、なぜなら、以下を満たす\(\sigma = id \in S_n\)、つまり、\((j_{\sigma_1}, ..., j_{\sigma_n}) = (j_1, ..., j_n)\)、がある。
以下を満たす各\(j = (j_1, ..., j_n), j' = (j'_1, ..., j'_n) \in J^n\)、つまり、\(j \sim j'\)、に対して、\(j' \sim j\)、なぜなら、以下を満たすある\(\sigma \in S_n\)、つまり、\((j_{\sigma_1}, ..., j_{\sigma_n}) = (j'_1, ..., j'_n)\)、があるところ、以下を満たす\(\sigma^{-1} \in S_n\)、つまり、\((j'_{{\sigma^{-1}}_1}, ..., j'_{{\sigma^{-1}}_n}) = (j_1, ..., j_n)\)、がある、それは真である、なぜなら、ある\(\sigma_l = \sigma (l) = 1\)があるところ、\(l = \sigma^{-1} (1)\)、および、\(j_1 = j_{\sigma_l} = j'_l = j'_{\sigma^{-1} (1)}\)。
以下を満たす各\(j = (j_1, ..., j_n), j' = (j'_1, ..., j'_n), j'' = (j''_1, ..., j''_n) \in J^n\)、つまり、\(j \sim j'\)および\(j' \sim j''\)、に対して、\(j \sim j''\)、なぜなら、以下を満たすある\(\sigma \in S_n\)、つまり、\((j_{\sigma_1}, ..., j_{\sigma_n}) = (j'_1, ..., j'_n)\)、および以下を満たすある\(\sigma' \in S_n\)、つまり、\((j'_{\sigma'_1}, ..., j'_{\sigma'_n}) = (j''_1, ..., j''_n)\)、があるところ、以下を満たす\(\sigma \circ \sigma' \in S_n\)、つまり、\((j_{(\sigma \circ \sigma')_1}, ..., j_{(\sigma \circ \sigma')_n}) = (j''_1, ..., j''_n)\)、がある、それは真である、なぜなら、\(j''_1 = j'_{\sigma'_1}\)であるところ、\(\sigma'_1 = l\)、ある\(l\)に対して、そして、\(j'_{\sigma'_1} = j'_l = j_{\sigma_l} = j_{\sigma (l)} = j_{\sigma (\sigma'_1)} = j_{\sigma (\sigma' (1))} = j_{\sigma \circ \sigma' (1)} = j_{\sigma \circ \sigma'_1}\)、したがって、\(j''_1 = j_{\sigma \circ \sigma'_1}\)。
ステップ2:
\(\sim_{j}\)は本当にイクイバレンスリレーション(同値関係)であることを見よう。
各\(\sigma \in S_n\)に対して、\(\sigma \sim_{j} \sigma\)、なぜなら、\((j_{\sigma_1}, ..., j_{\sigma_n}) = (j_{\sigma_1}, ..., j_{\sigma_n})\)。
以下を満たす各\(\sigma, \sigma' \in S_n\)、つまり、\(\sigma \sim_{j} \sigma'\)、に対して、\(\sigma' \sim_{j} \sigma\)、なぜなら、\((j_{\sigma_1}, ..., j_{\sigma_n}) = (j_{\sigma'_1}, ..., j_{\sigma'_n})\)であるところ、\((j_{\sigma'_1}, ..., j_{\sigma'_n}) = (j_{\sigma_1}, ..., j_{\sigma_n})\)。
以下を満たす各\(\sigma, \sigma', \sigma'' \in S_n\)、つまり、\(\sigma \sim_{j} \sigma'\)および\(\sigma' \sim_{j} \sigma''\)、に対して、\(\sigma \sim_{j} \sigma''\)、なぜなら、\((j_{\sigma_1}, ..., j_{\sigma_n}) = (j_{\sigma'_1}, ..., j_{\sigma'_n})\)および\((j_{\sigma'_1}, ..., j_{\sigma'_n}) = (j_{\sigma''_1}, ..., j_{\sigma''_n})\)であるところ、\((j_{\sigma_1}, ..., j_{\sigma_n}) = (j_{\sigma'_1}, ..., j_{\sigma'_n}) = (j_{\sigma''_1}, ..., j_{\sigma''_n})\)。
ステップ3:
\(\sum_{j \in J^n} = \sum_{j \in \overline{J^n / \sim - f}} \sum_{\sigma \in S_n / \sim_{j}}\)であることを見よう。
\(\sum_{j \in J^n}\)の中に重複はない、明らかに。
\(\sum_{j \in \overline{J^n / \sim - f}} \sum_{\sigma \in S_n / \sim_{j}}\)内に重複はない、なぜなら、\(\sum_{j \in \overline{J^n / \sim - f}}\)内に重複はないところ、対応する\(\{[j]\}\)内に重複はない、そして、各\([j]\)に対する、\(\sum_{\sigma \in S_n / \sim_{j}}\)内に重複はない、なぜなら、\(\sigma \in S_n / \sim_{j}\)はまさにそうなるように決定されている、そして、\([j]\)と\([j']\)の間に重複はない、なぜなら、\([j]\)および\([j']\)は異なるコンビネーションたちを代表しており、任意のコンビネーションをパーミュテート(並べ替え)しても当該コンビネーションは変わらない。
\(\sum_{j \in J^n}\)の各要素は\(\sum_{j \in \overline{J^n / \sim - f}} \sum_{\sigma \in S_n / \sim_{j}}\)内に存在する、なぜなら、当該要素は、あるコンビネーションのもので、そのレプリゼンタティブ(代表)は\(\sum_{j \in \overline{J^n / \sim - f}}\)内にいて、当該要素は当該コンビネーションにあるパーミュテーション(並べ替え)を行なったものであり、それは、対応する\(\sum_{\sigma \in S_n / \sim_{j}}\)内にいる。
\(\sum_{j \in \overline{J^n / \sim - f}} \sum_{\sigma \in S_n / \sim_{j}}\)の各要素は明らかに\(\sum_{j \in J^n}\)内に存在する。
したがって、\(\sum_{j \in J^n} = \sum_{j \in \overline{J^n / \sim - f}} \sum_{\sigma \in S_n / \sim_{j}}\)。
\(\sum_{j \in \overline{J^n / \sim - f}} \sum_{\sigma \in S_n / \sim_{j}} = \sum_{[j] \in J^n / \sim} \sum_{\sigma \in S_n / \sim_{f ([j])}}\)は、単なる、明らかな変形である: 後者は、クラス\([j]\)をそのレプリゼンタティブ(代表)\(j\)の代わりに取る、しかし、いずれにせよ、\(\sum_{\sigma \in S_n / \sim_{j}} = \sum_{\sigma \in S_n / \sim_{f ([j])}}\)、なぜなら、\(j = f ([j])\)。