カバリングマップ(写像)に対して、パスコネクテッド(連結された)ローカルにパスコネクテッド(連結された)トポロジカルスペース(空間)からのコンティニュアス(連続)マップ(写像)のリフトが存在するための条件の記述/証明
話題
About: トポロジカルスペース(空間)
この記事の目次
開始コンテキスト
- 読者は、カバリングマップ(写像)の定義を知っている。
- 読者は、コンティニュアス(連続)マップ(写像)の、カバリングマップ(写像)に関するリフトの定義を知っている。
- 読者は、パスコネクテッド(連結された)トポロジカルスペース(空間)の定義を知っている。
- 読者は、ローカルにパスコネクテッド(連結された)トポロジカルスペース(空間)の定義を知っている。
- 読者は、任意のカバリングマップ(写像)に対して、任意のクローズド(閉)リアル(実)インターバル(区間)からの任意のコンティニュアス(連続)マップ(写像)のユニークなリフトが各初期値に対してあるという命題を認めている。
- 読者は、任意のコンティヌアス(連続)マップ(写像)の、ドメイン(定義域)およびコドメイン(余域)についてのリストリクション(制限)はコンティヌアス(連続)であるという命題を認めている。
- 読者は、トポロジカルサブスペース(部分空間)たちの任意のネストにおいて、任意のサブスペース(部分空間)上の任意のサブセット(部分集合)のオープン(開)性は、当該サブスペース(部分空間)がサブスペース(部分空間)とみなされる元のスーパースペース(空間)に依存しないという命題を認めている。
- 読者は、任意のカバリングマップ(写像)に対して、任意のパスのユニークなリフトが、当該パスドメイン(定義域)上の任意のポイントのパスイメージ(像)のカバリングマップ(写像)プリイメージ(前像)の中の各ポイントに対してあるという命題を認めている。
- 読者は、任意のパスホモトピックパスたちのリフトたちで任意の同一ポイントから開始するものたちはパスホモトピックであるという命題を認めている。
- 読者は、任意のカバリングマップ(写像)に対して、任意のパスのリバース(反転)のリフトは当該パスのリフトのリバース(反転)であるという命題を認めている。
- 読者は、任意のカバリングマップ(写像)に対して、プロダクト(積)が存在する任意の2つのパスたちのプロダクト(積)のリフトはパスたちの、プロダクト(積)が存在するリフトたちのプロダクト(積)であるという命題を認めている。
- 読者は、任意のトポロジカルスペース(空間)間マップ(写像)はコンティヌアス(連続)である、もしも、そのマップ(写像)の、ドメイン(定義域)の、アンカウンタブル(不可算)でもよいあるオープンカバー(開被覆)の各オープンセット(開集合)、への、ドメイン(定義域)リストリクション(制限)がコンティヌアス(連続)である場合、という命題を認めている。
ターゲットコンテキスト
- 読者は、任意のカバリングマップ(写像)に対して、任意のパスコネクテッド(連結された)ローカルにパスコネクテッド(連結された)トポロジカルスペース(空間)からの任意のコンティニュアス(連続)マップ(写像)のリフトが存在するためのある条件の記述および証明を得る。
オリエンテーション
本サイトにてこれまで議論された定義の一覧があります。
本サイトにてこれまで議論された命題の一覧があります。
本体
1: 記述
任意のコネクテッド(連結された)でローカルにパスコネクテッド(連結された)トポロジカルスペース(空間)たち\(T_1, T_2\)、任意のカバリングマップ(写像)\(\pi: T_1 \to T_2\)、それが意味するのは、\(\pi\)はコンティニュアス(連続)でサージェクティブ(全射)で任意のポイント\(p \in T_2\)の周りにあるネイバーフッド(近傍)\(N_p \subseteq T_2\)があり、それは\(\pi\)によってイーブンにカバーされている、任意のパスコネクテッド(連結された)ローカルにパスコネクテッド(連結された)トポロジカルスペース(空間)\(T_3\)、任意のコンティニュアス(連続)マップ(写像)\(f: T_3 \to T_2\)に対して、任意のポイント\(p_0 \in T_3\)および各ポイント\(p'_0 \in \pi^{-1} (f (p_0))\)に対して、\(f\)の以下を満たすあるリフト\(\widetilde{f}: T_3 \to T_1\)、つまり、\(\widetilde{f} (p_0) = p'_0\)、がある、もしも、\(f_* (\pi_1 (T_3, p_0)) \subseteq \pi_* (\pi_1 (T_1, p'_0))\)、ここで、\(f_*\)および\(\pi_*\)は\(f\)および\(\pi\)によってインデュースト(誘導された)ファンダメンタルグループホモモーフィズム(準同形写像)たちで\(\pi_1\)たちはファンダメンタルグループ(群)たち、である場合、そしてその場合に限って。
2: 証明
サブスペース(部分空間)\(\pi^{-1} (N_p)\)は複数のコネクテッド(連結された)コンポーネントたち、それぞれ\({\pi^{-1} (N_p)}_\alpha\)と表記される、ここで、\(\alpha \in A_p\)、ここで、\(A_p\)はアンカウンタブル(不可算)かもしれないインデックスたちセット(集合)、からなるかもしれない。
あるオープンネイバーフッド(開近傍)\(U_p \subseteq T_2\)を\(N_p\)として取ることができる、なぜなら、もしも、\(N_p\)がオープン(開)でなければ、あるオープンネイバーフッド(開近傍)\(U_p \subseteq N_p\)があり、それは、各\({\pi^{-1} (U_p)}_\alpha\)へ\(\pi_{p, \alpha} := \pi\vert_{{\pi^{-1} (U_p)}_\alpha}: {\pi^{-1} (U_p)}_\alpha \to U_p\)によってホメオモーフィック(位相同形写像)である、なぜなら、\(\pi_{p, \alpha}\)は明らかにバイジェクティブ(全単射)であり、ドメイン(定義域)およびコドメイン(余域)をそれぞれ\({\pi^{-1} (N_p)}_\alpha\)および\(N_p\)のサブスペース(部分空間)たちとみなしてコンティニュアス(連続)である、コンティニュアス(連続)\(\pi\vert_{{\pi^{-1} (N_p)}_\alpha}: {\pi^{-1} (N_p)}_\alpha \to N_p\)のリストリクション(制限)として、任意のコンティヌアス(連続)マップ(写像)の、ドメイン(定義域)およびコドメイン(余域)についてのリストリクション(制限)はコンティヌアス(連続)であるという命題によって、そして、そのインバース(逆)はドメイン(定義域)およびコドメイン(余域)を同様にみなしてコンティニュアス(連続)である、コンティニュアス(連続)\({\pi\vert_{{\pi^{-1} (N_p)}_\alpha}}^{-1}\)のリストリクション(制限)として、同様に、しかし、トポロジカルサブスペース(部分空間)たちの任意のネストにおいて、任意のサブスペース(部分空間)上の任意のサブセット(部分集合)のオープン(開)性は、当該サブスペース(部分空間)がサブスペース(部分空間)とみなされる元のスーパースペース(空間)に依存しないという命題によって、それらマップ(写像)たちはドメイン(定義域)およびコドメイン(余域)をそれぞれ\(T_1\)および\(T_2\)のサブスペース(部分空間)たちとみなしてもコンティニュアス(連続)である。
\(f_* (\pi_1 (T_3, p_0)) \subseteq \pi_* (\pi_1 (T_1, p'_0))\)であると仮定しよう。
任意のポイント\(p \in T_3\)に対して、\(T_3\)はパスコネクテッド(連結された)であるから、以下を満たすあるパス\(\lambda_p: I \to T_3\)、つまり、\(\lambda_p (0) = p_0\)および\(\lambda_p (1) = p\)、がある。\(f \circ \lambda_p: I \to T_2\)は\(T_2\)上のパスであり、\(f \circ \lambda_p (0) = f (p_0)\)および\(f \circ \lambda_p (1) = f (p)\)。\(f \circ \lambda_p\)の以下を満たすユニークなリフト\(\widetilde{f \circ \lambda_p}: I \to T_1\)、つまり、\(\widetilde{f \circ \lambda_p} (0) = p'_0\)、がある、任意のカバリングマップ(写像)に対して、任意のクローズド(閉)リアル(実)インターバル(区間)からの任意のコンティニュアス(連続)マップ(写像)のユニークなリフトが各初期値に対してあるという命題によって。\(f' (p) := \widetilde{f \circ \lambda_p} (1)\)を定義しよう。
\(p = p_0\)である時は、\(\lambda_p\)はコンスタントパスと取ることができ、\(f \circ \lambda_p\)はコンスタントパスであり、\(f \circ \lambda_p\)の以下を満たすユニークなリフト、つまり、\(\widetilde{f \circ \lambda_p} (0) = p'_0\)、はコンスタントパスであり、したがって、\(f' (p_0) = \widetilde{f \circ \lambda_p} (1) = p'_0\)。
\(f' (p)\)は\(\lambda_p\)の選択に依存しないことを確かめよう。
以下を満たす任意の別のパス\(\lambda'_p: I \to T_3\)、つまり、\(\lambda'_p (0) = p_0\)および\(\lambda'_p (1) = p\)、に対して、\(l_p := \lambda_p \overline{\lambda'_p}\)、ここで、オーバーラインはリバース(反転)パスを示す、は、\(T_3\)上の、\(p_0\)から開始するループである。\(f_* ([l_p]) \in f_* (\pi_1 (T_3, p_0)) \subseteq \pi_* (\pi_1 (T_1, p'_0))\)、それが意味するのは、\(T_1\)上の、\(p'_0\)から開始する以下を満たすあるループ\(l'_p: I \to T_1\)、つまり、\(f_* ([l_p]) = \pi_* ([l'_p])\)、があるということ、それが意味するのは、\([f \circ l_p] = [\pi \circ l'_p]\)、それが意味するのは、\(f \circ l_p \simeq \pi \circ l'_p\)、ここで、\(\simeq\)はパスホモトピックであることを意味する。
以下を満たすユニークなリフト\(\widetilde{\pi \circ l'_p}\)、つまり、\(\widetilde{\pi \circ l'_p} (0) = p'_0\)、がある、任意のカバリングマップ(写像)に対して、任意のパスのユニークなリフトが、当該パスドメイン(定義域)上の任意のポイントのパスイメージ(像)のカバリングマップ(写像)プリイメージ(前像)の中の各ポイントに対してあるという命題によって、そして、\(\widetilde{\pi \circ l'_p} = l'_p\)、なぜなら、\(\pi \circ l'_p = \pi \circ l'_p\)および\(l'_p (0) = p'_0\)。
以下を満たすユニークなリフト\(\widetilde{f \circ l_p}\)、つまり、\(\widetilde{f \circ l_p} (0) = p'_0\)、がある、任意のカバリングマップ(写像)に対して、任意のパスのユニークなリフトが、当該パスドメイン(定義域)上の任意のポイントのパスイメージ(像)のカバリングマップ(写像)プリイメージ(前像)の中の各ポイントに対してあるという命題によって、\(\widetilde{f \circ l_p} \simeq l'_p\)、任意のパスホモトピックパスたちのリフトたちで任意の同一ポイントから開始するものたちはパスホモトピックであるという命題によって。\(\widetilde{f \circ l_p}\)はループである。\(f \circ l_p = f \circ (\lambda_p \overline{\lambda'_p}) = (f \circ \lambda_p) (f \circ \overline{\lambda'_p}) = (f \circ \lambda_p) \overline{(f \circ \lambda'_p)}\)。したがって、\(\widetilde{f \circ l_p} = \widetilde{(f \circ \lambda_p) \overline{(f \circ \lambda'_p)}} = \widetilde{(f \circ \lambda_p)} \widetilde{\overline{(f \circ \lambda'_p)}}\)、ここで、\(\widetilde{\overline{(f \circ \lambda'_p)}} (0) = \widetilde{(f \circ \lambda_p)} (1)\)、任意のカバリングマップ(写像)に対して、プロダクト(積)が存在する任意の2つのパスたちのプロダクト(積)のリフトはパスたちの、プロダクト(積)が存在するリフトたちのプロダクト(積)であるという命題によって、しかし、\(\widetilde{\overline{(f \circ \lambda'_p)}} = \overline{\widetilde{(f \circ \lambda'_p)}}\)、任意のカバリングマップ(写像)に対して、任意のパスのリバース(反転)のリフトは当該パスのリフトのリバース(反転)であるという命題によって。したがって、\(\widetilde{(f \circ \lambda_p)} (1) = \widetilde{\overline{(f \circ \lambda'_p)}} (0) = \overline{\widetilde{(f \circ \lambda'_p)}} (0) = \widetilde{(f \circ \lambda'_p)} (1)\)。
したがって、\(f' (p)\)は\(\lambda_p\)の選択には依存しない。
\(\pi \circ f' (p) = \pi \circ \widetilde{f \circ \lambda_p} (1) = f \circ \lambda_p (1) = f (p)\)。
\(f'\)はコンティニュアス(連続)であることを確かめよう。
任意のポイント\(p \in T_3\)に対して、\(f (p)\)のあるイーブンにカバーされたオープンネイバーフッド(開近傍)\(U_{f (p)} \subseteq T_2\)および\({\pi^{-1} (U_{f (p)})}_\alpha\)で\(f' (p) \in {\pi^{-1} (U_{f (p)})}_\alpha\)を満たすものがある。\(f\)はコンティニュアス(連続)であり\(T_3\)はローカルにパスコネクテッド(連結された)であるから、以下を満たすあるオープンパスコネクテッド(連結された)ネイバーフッド(近傍)\(U_p \subseteq T_3\)、つまり、\(f (U_p) \subseteq U_{f (p)}\)、がある。任意のポイント\(p' \in U_p\)に対して、\(p\)を\(p'\)へコネクト(連結)するあるパス\(\lambda_{p, p'}: I \to U_p\)がある。パス\(\lambda_{p'} = \lambda_{p} \lambda_{p, p'}\)を取ろう。\(f' (p') = \widetilde{f \circ \lambda_{p'}} (1) = \widetilde{f \circ (\lambda_{p} \lambda_{p, p'})} (1) = \widetilde{(f \circ \lambda_{p}) (f \circ \lambda_{p, p'})} (1) = \widetilde{f \circ \lambda_{p}} \widetilde{f \circ \lambda_{p, p'}} (1)\)で、\(\widetilde{f \circ \lambda_{p, p'}} (0) = \widetilde{f \circ \lambda_{p}} (1) = f' (p)\)、任意のカバリングマップ(写像)に対して、プロダクト(積)が存在する任意の2つのパスたちのプロダクト(積)のリフトはパスたちの、プロダクト(積)が存在するリフトたちのプロダクト(積)であるという命題によって。
\(f \circ \lambda_{p, p'} (I) \subseteq U_{f (p)}\)であるので、\(\widetilde{f \circ \lambda_{p, p'}} (I) \subseteq {\pi^{-1} (U_{f (p)})}_\alpha\)、なぜなら、\(\widetilde{f \circ \lambda_{p, p'}} (r) \notin {\pi^{-1} (U_{f (p)})}\)を満たすような\(r \in I\)はない、なぜなら、そうでなければ、\(\pi \circ \widetilde{f \circ \lambda_{p, p'}} (r) = f \circ \lambda_{p, p'} (r) \notin U_{f (p)}\); もしも、\(\widetilde{f \circ \lambda_{p, p'}} (r) \in {\pi^{-1} (U_{f (p)})}_{\alpha'}\)を満たすようなある\(r \in I\)が、ある\(\alpha' \neq \alpha\)に対してあれば、\(\widetilde{f \circ \lambda_{p, p'}} (I)\)は\({\pi^{-1} (U_{f (p)})}\)どの1つのコネクテッド(連結された)コンポーネント内にも包含されていないということになるから、\(\widetilde{f \circ \lambda_{p, p'}} (I)\)は\({\pi^{-1} (U_{f (p)})}\)上でコネクテッド(連結された)ではないということになり、したがって、\(T_1\)上でコネクテッド(連結された)ではないということになる、それがコネクテッド(連結された)\(I\)のコンティニュアス(連続)イメージ(像)としてコネクテッド(連結された)であることに反する矛盾。
したがって、\(f' (p') = \widetilde{f \circ \lambda_{p}} \widetilde{f \circ \lambda_{p, p'}} (1) = \widetilde{f \circ \lambda_{p, p'}} (1) \in {\pi^{-1} (U_{f (p)})}_\alpha\)。したがって、\(f'\vert_{U_p} = \pi_{p, \alpha}^{-1} \circ f\vert_{U_p}\)、コンティニュアス(連続)。\(T_3\)上の任意のポイントにおいてあるオープンネイバーフッド(開近傍)があってそこで\(f'\)はコンティニュアス(連続)であるから、\(f'\)は\(T_3\)上でコンティニュアス(連続)である、任意のトポロジカルスペース(空間)間マップ(写像)はコンティヌアス(連続)である、もしも、そのマップ(写像)の、ドメイン(定義域)の、アンカウンタブル(不可算)でもよいあるオープンカバー(開被覆)の各オープンセット(開集合)、への、ドメイン(定義域)リストリクション(制限)がコンティヌアス(連続)である場合、という命題によって。
したがって、\(f'\)は\(f\)の以下を満たすあるリフト\(\widetilde{f}\)、つまり、\(\widetilde{f} (p_0) = p'_0\)、である。
以下を満たすあるリフト\(\widetilde{f}\)、つまり、\(\widetilde{f} (p_0) = p'_0\)、があると仮定しよう。
以下を満たす任意のループ\(l: I \to T_3\)、つまり、\(l (0) = l (1) = p_0\)、に対して、\(f_* ([l]) = [f \circ l]\)。\(l' := \widetilde{f} \circ l: I \to T_1\)を定義しよう。\(l' (0) = l' (1) = \widetilde{f} \circ l (0) = \widetilde{f} (p_0) = p'_0 = \widetilde{f} \circ l (1) = \widetilde{f} (p_0)\)。\(\pi \circ l' = \pi \circ \widetilde{f} \circ l = f \circ l\)。したがって、\(\pi_* ([l']) = [\pi \circ l'] = [f \circ l]\)。したがって、\(f_* (\pi_1 (T_3, p_0)) \subseteq \pi_* (\pi_1 (T_1, p'_0))\)。