グループ(群)およびサブグループ(部分群)に対して、同一コセット(剰余類)内にいることによるクウォシェント(商)セット(集合)はグループ(群)である、サブグループ(部分群)はノーマルサブグループ(正規部分群)である場合に限って、ことの記述/証明
話題
About: グループ(群)
この記事の目次
開始コンテキスト
- 読者は、グループ(群)の定義を知っている。
- 読者は、グループ(群)の要素によるサブグループ(部分群)の左または右コセット(剰余類)の定義を知っている。
- 読者は、クオシエント(商)セット(集合)の定義を知っている。 読者は、グループ(群)のノーマルサブグループ(正規部分群)の定義を知っている。
読者は、グループ(群)のノーマルサブグループ(正規部分群)によるクウォシェント(商)グループ(群)の定義を知っている。
読者は、任意のグループ(群)および任意のサブグループ(部分群)に対して、同一コセット(剰余類)内にいることはイクイバレンスリレーション(同値関係)であるという命題を認めている。
読者は、任意のノーマル(正規)サブグループ(部分群)に関して、全コセット(剰余類)たちのセット(集合)は、カノニカル(自然)なマルチプリケーション(乗法)およびインバージョン(逆)を持つグループ(群)を形成するという命題を認めている。
読者は、任意のグループ(群)、その任意のサブグループ(部分群)に対して、当該サブグループ(部分群)はノーマルサブグループ(正規部分群)である、もしも、それの、当該グループ(群)の各要素によるコンジュゲート(共役)サブグループ(部分群)がそれの中に包含されている場合、という命題を認めている。
ターゲットコンテキスト
- 読者は、任意のグループ(群)および任意のサブグループ(部分群)に対して、同一コセット(剰余類)内にいることによるクウォシェント(商)セット(集合)はグループ(群)である、当該サブグループ(部分群)はノーマルサブグループ(正規部分群)である場合に限って、という命題の記述および証明を得る。
オリエンテーション
本サイトにてこれまで議論された定義たちの一覧があります。
本サイトにてこれまで議論された命題たちの一覧があります。
本体
1: 構造化された記述
ここに'構造化された記述'のルールたちがある。
エンティティ(実体)たち:
\(G'\): \(\in \{\text{ 全てのグループ(群)たち }\}\)
\(G\): \(\in \{G' \text{ の全てのサブグループ(部分群)たち }\}\)
\(\sim_l\): \(= \{(g'_1, g'_2) \in G' \times G' \vert \exists g' \in G' (g'_1, g'_2 \in g' G)\}\), \(\in \{\text{ 全てのイクイバレンスリレーション(同値関係)たち }\}\)
\(\sim_r\): \(= \{(g'_1, g'_2) \in G' \times G' \vert \exists g' \in G' (g'_1, g'_2 \in G g')\}\), \(\in \{\text{ 全てのイクイバレンスリレーション(同値関係)たち }\}\)
\(G' / \sim_l\): \(= \text{ 当該クウォシェント(商)セット(集合) }\)
\(G' / \sim_r\): \(= \text{ 当該クウォシェント(商)セット(集合) }\)
//
ステートメント(言明)たち:
(
\(G' / \sim_l \text{ でカノニカル(正典)マルチプリケーション(乗法)およびインバース(逆)を持つもの } \in \{\text{ 全てのグループ(群)たち }\}\)
\(\implies\)
\(G \in \{\text{ 全てのノーマルサブグループ(正規部分群)たち }\}\)
)
\(\land\)
(
\(G' / \sim_r \text{ でカノニカル(正典)マルチプリケーション(乗法)およびインバージョン(逆)を持つもの } \in \{\text{ 全てのグループ(群)たち }\}\)
\(\implies\)
\(G \in \{\text{ 全てのノーマルサブグループ(正規部分群)たち }\}\)
)
//
2: 注
\(G' / \sim_l\)および\(G' / \sim_r\)はクウォシェント(商)セット(集合)たちとしてウェルデファインド(妥当に定義された)であると保証されている、任意のグループ(群)および任意のサブグループ(部分群)に対して、同一コセット(剰余類)内にいることはイクイバレンスリレーション(同値関係)であるという命題によって。
もしも、\(G\)はノーマルサブグループ(正規部分群)である場合、\(G' / \sim_l = G' / \sim_r\)はクウォシェント(商)グループ(群)である、任意のノーマル(正規)サブグループ(部分群)に関して、全コセット(剰余類)たちのセット(集合)は、カノニカル(自然)なマルチプリケーション(乗法)およびインバージョン(逆)を持つグループ(群)を形成するという命題によって; 本命題が主張しているのは、\(G\)はノーマルサブグループ(正規部分群)である必要がある、\(G' / \sim_l\)または\(G' / \sim_r\)がカノニカル( 正典)マルチプリケーション(乗法)およびインバージョン(逆)に関してグループ(群)であるためには、ということである。
実のところ、もしも、\(G\)がノーマルサブグループ(正規部分群)でない場合、カノニカル(正典)マルチプリケーション(乗法)およびインバージョン(逆)はウェルデファインド(妥当に定義された)ではない。
3: 証明
全体戦略: ステップ1: \(G' / \sim_l\)に対して、カノニカル(正典)マルチプリケーション(乗法)はウェルデファインド(妥当に定義された)であると仮定し、\(g \in G\)および\(g' \in G'\)を任意のものとし、\(g' g {g'}^{-1} \in G\)であることを見る; ステップ2: \(G' / \sim_r\)に対して、カノニカル(正典)マルチプリケーション(乗法)はウェルデファインド(妥当に定義された)であると仮定し、\(g \in G\)および\(g' \in G'\)を任意のものとし、\(g' g {g'}^{-1} \in G\)であることを見る。
ステップ1:
\(G' / \sim_l\)に対して、カノニカル(正典)マルチプリケーション(乗法)はウェルデファインド(妥当に定義された)であると仮定しよう。
"カノニカル(正典)マルチプリケーション(乗法)"が意味しているのは、\([g'_1] [g'_2] = [g'_1 g'_2]\)である。
\(g \in G\)および\(g' \in G'\)を任意のものとしよう。
\(g'_1 \in G'\)を任意のものとしよう。
\(g_1 \in G\)を任意のものとしよう。
\([g'_1 g] = [g'_1]\)、なぜなら、\(g'_1, g'_1 g \in g'_1 G\)。
\([{g'}^{-1} g_1] = [{g'}^{-1}]\)、なぜなら、\({g'}^{-1}, {g'}^{-1} g_1 \in {g'}^{-1} G\)。
\([g'_1 g] [{g'}^{-1} g_1] = [g'_1] [{g'}^{-1}]\)、それが含意するのは、\([g'_1 g {g'}^{-1} g_1] = [g'_1 {g'}^{-1}]\)。
それが意味するのは、\(g'_1 g {g'}^{-1} g_1 \in g'_1 {g'}^{-1} G\)、それが意味するのは、\(g'_1 g {g'}^{-1} g_1 = g'_1 {g'}^{-1} g_2\)、ある\(g_2 \in G\)に対して。
したがって、\(g {g'}^{-1} g_1 = {g'}^{-1} g_2\)、したがって、\(g' g {g'}^{-1} = g_2 {g_1}^{-1} \in G\)。
それが意味するのは、各\(g' \in G'\)に対して、\(g' G {g'}^{-1} \subseteq G\)。
任意のグループ(群)、その任意のサブグループ(部分群)に対して、当該サブグループ(部分群)はノーマルサブグループ(正規部分群)である、もしも、それの、当該グループ(群)の各要素によるコンジュゲート(共役)サブグループ(部分群)がそれの中に包含されている場合、という命題によって、\(G\)はノーマルサブグループ(正規部分群)である。
ステップ2:
\(G' / \sim_r\)に対して、カノニカル(正典)マルチプリケーション(乗法)はウェルデファインド(妥当に定義された)であると仮定しよう。
"カノニカル(正典)マルチプリケーション(乗法)"が意味するのは、\([g'_1] [g'_2] = [g'_1 g'_2]\)である。
本ロジックは、\(G' / \sim_l\)に対するそれに平行的である。
\(g \in G\)および\(g' \in G'\)を任意のものとしよう。
\(g'_1 \in G'\)を任意のものとしよう。
\(g_1 \in G\)を任意のものとしよう。
\([g g'_1] = [g'_1]\)、なぜなら、\(g'_1, g g'_1 \in G g'_1\)。
\([g_1 g'] = [g']\)、なぜなら、\(g', g_1 g' \in G g'\)。
\([g_1 g'] [g g'_1] = [g'] [g'_1]\)、それが含意するのは、\([g_1 g' g g'_1] = [g' g'_1]\)である。
それが意味するのは、\(g_1 g' g g'_1 \in G g' g'_1\)、それが意味するのは、\(g_1 g' g g'_1 = g_2 g' g'_1\)、ある\(g_2 \in G\)に対して。
したがって、\(g_1 g' g = g_2 g'\)、したがって、\(g' g {g'}^{-1} = {g_1}^{-1} g_2 \in G\)。
それが意味するのは、各\(g' \in G'\)に対して、\(g' G {g'}^{-1} \subseteq G\)。
任意のグループ(群)、その任意のサブグループ(部分群)に対して、当該サブグループ(部分群)はノーマルサブグループ(正規部分群)である、もしも、それの、当該グループ(群)の各要素によるコンジュゲート(共役)サブグループ(部分群)がそれの中に包含されている場合、という命題によって、\(G\)はノーマルサブグループ(正規部分群)である。