2025年10月5日日曜日

1350: グループ(群)およびサブグループ(部分群)に対して、同一コセット(剰余類)内にいることによるクウォシェント(商)セット(集合)はグループ(群)である、サブグループ(部分群)はノーマルサブグループ(正規部分群)である場合に限って

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グループ(群)およびサブグループ(部分群)に対して、同一コセット(剰余類)内にいることによるクウォシェント(商)セット(集合)はグループ(群)である、サブグループ(部分群)はノーマルサブグループ(正規部分群)である場合に限って、ことの記述/証明

話題


About: グループ(群)

この記事の目次


開始コンテキスト



ターゲットコンテキスト



  • 読者は、任意のグループ(群)および任意のサブグループ(部分群)に対して、同一コセット(剰余類)内にいることによるクウォシェント(商)セット(集合)はグループ(群)である、当該サブグループ(部分群)はノーマルサブグループ(正規部分群)である場合に限って、という命題の記述および証明を得る。

オリエンテーション


本サイトにてこれまで議論された定義たちの一覧があります。

本サイトにてこれまで議論された命題たちの一覧があります。


本体


1: 構造化された記述


ここに'構造化された記述'のルールたちがある

エンティティ(実体)たち:
\(G'\): \(\in \{\text{ 全てのグループ(群)たち }\}\)
\(G\): \(\in \{G' \text{ の全てのサブグループ(部分群)たち }\}\)
\(\sim_l\): \(= \{(g'_1, g'_2) \in G' \times G' \vert \exists g' \in G' (g'_1, g'_2 \in g' G)\}\), \(\in \{\text{ 全てのイクイバレンスリレーション(同値関係)たち }\}\)
\(\sim_r\): \(= \{(g'_1, g'_2) \in G' \times G' \vert \exists g' \in G' (g'_1, g'_2 \in G g')\}\), \(\in \{\text{ 全てのイクイバレンスリレーション(同値関係)たち }\}\)
\(G' / \sim_l\): \(= \text{ 当該クウォシェント(商)セット(集合) }\)
\(G' / \sim_r\): \(= \text{ 当該クウォシェント(商)セット(集合) }\)
//

ステートメント(言明)たち:
(
\(G' / \sim_l \text{ でカノニカル(正典)マルチプリケーション(乗法)およびインバース(逆)を持つもの } \in \{\text{ 全てのグループ(群)たち }\}\)
\(\implies\)
\(G \in \{\text{ 全てのノーマルサブグループ(正規部分群)たち }\}\)
)
\(\land\)
(
\(G' / \sim_r \text{ でカノニカル(正典)マルチプリケーション(乗法)およびインバージョン(逆)を持つもの } \in \{\text{ 全てのグループ(群)たち }\}\)
\(\implies\)
\(G \in \{\text{ 全てのノーマルサブグループ(正規部分群)たち }\}\)
)
//


2: 注


\(G' / \sim_l\)および\(G' / \sim_r\)はクウォシェント(商)セット(集合)たちとしてウェルデファインド(妥当に定義された)であると保証されている、任意のグループ(群)および任意のサブグループ(部分群)に対して、同一コセット(剰余類)内にいることはイクイバレンスリレーション(同値関係)であるという命題によって。

もしも、\(G\)はノーマルサブグループ(正規部分群)である場合、\(G' / \sim_l = G' / \sim_r\)はクウォシェント(商)グループ(群)である、任意のノーマル(正規)サブグループ(部分群)に関して、全コセット(剰余類)たちのセット(集合)は、カノニカル(自然)なマルチプリケーション(乗法)およびインバージョン(逆)を持つグループ(群)を形成するという命題によって; 本命題が主張しているのは、\(G\)はノーマルサブグループ(正規部分群)である必要がある、\(G' / \sim_l\)または\(G' / \sim_r\)がカノニカル( 正典)マルチプリケーション(乗法)およびインバージョン(逆)に関してグループ(群)であるためには、ということである。

実のところ、もしも、\(G\)がノーマルサブグループ(正規部分群)でない場合、カノニカル(正典)マルチプリケーション(乗法)およびインバージョン(逆)はウェルデファインド(妥当に定義された)ではない。


3: 証明


全体戦略: ステップ1: \(G' / \sim_l\)に対して、カノニカル(正典)マルチプリケーション(乗法)はウェルデファインド(妥当に定義された)であると仮定し、\(g \in G\)および\(g' \in G'\)を任意のものとし、\(g' g {g'}^{-1} \in G\)であることを見る; ステップ2: \(G' / \sim_r\)に対して、カノニカル(正典)マルチプリケーション(乗法)はウェルデファインド(妥当に定義された)であると仮定し、\(g \in G\)および\(g' \in G'\)を任意のものとし、\(g' g {g'}^{-1} \in G\)であることを見る。

ステップ1:

\(G' / \sim_l\)に対して、カノニカル(正典)マルチプリケーション(乗法)はウェルデファインド(妥当に定義された)であると仮定しよう。

"カノニカル(正典)マルチプリケーション(乗法)"が意味しているのは、\([g'_1] [g'_2] = [g'_1 g'_2]\)である。

\(g \in G\)および\(g' \in G'\)を任意のものとしよう。

\(g'_1 \in G'\)を任意のものとしよう。

\(g_1 \in G\)を任意のものとしよう。

\([g'_1 g] = [g'_1]\)、なぜなら、\(g'_1, g'_1 g \in g'_1 G\)。

\([{g'}^{-1} g_1] = [{g'}^{-1}]\)、なぜなら、\({g'}^{-1}, {g'}^{-1} g_1 \in {g'}^{-1} G\)。

\([g'_1 g] [{g'}^{-1} g_1] = [g'_1] [{g'}^{-1}]\)、それが含意するのは、\([g'_1 g {g'}^{-1} g_1] = [g'_1 {g'}^{-1}]\)。

それが意味するのは、\(g'_1 g {g'}^{-1} g_1 \in g'_1 {g'}^{-1} G\)、それが意味するのは、\(g'_1 g {g'}^{-1} g_1 = g'_1 {g'}^{-1} g_2\)、ある\(g_2 \in G\)に対して。

したがって、\(g {g'}^{-1} g_1 = {g'}^{-1} g_2\)、したがって、\(g' g {g'}^{-1} = g_2 {g_1}^{-1} \in G\)。

それが意味するのは、各\(g' \in G'\)に対して、\(g' G {g'}^{-1} \subseteq G\)。

任意のグループ(群)、その任意のサブグループ(部分群)に対して、当該サブグループ(部分群)はノーマルサブグループ(正規部分群)である、もしも、それの、当該グループ(群)の各要素によるコンジュゲート(共役)サブグループ(部分群)がそれの中に包含されている場合、という命題によって、\(G\)はノーマルサブグループ(正規部分群)である。

ステップ2:

\(G' / \sim_r\)に対して、カノニカル(正典)マルチプリケーション(乗法)はウェルデファインド(妥当に定義された)であると仮定しよう。

"カノニカル(正典)マルチプリケーション(乗法)"が意味するのは、\([g'_1] [g'_2] = [g'_1 g'_2]\)である。

本ロジックは、\(G' / \sim_l\)に対するそれに平行的である。

\(g \in G\)および\(g' \in G'\)を任意のものとしよう。

\(g'_1 \in G'\)を任意のものとしよう。

\(g_1 \in G\)を任意のものとしよう。

\([g g'_1] = [g'_1]\)、なぜなら、\(g'_1, g g'_1 \in G g'_1\)。

\([g_1 g'] = [g']\)、なぜなら、\(g', g_1 g' \in G g'\)。

\([g_1 g'] [g g'_1] = [g'] [g'_1]\)、それが含意するのは、\([g_1 g' g g'_1] = [g' g'_1]\)である。

それが意味するのは、\(g_1 g' g g'_1 \in G g' g'_1\)、それが意味するのは、\(g_1 g' g g'_1 = g_2 g' g'_1\)、ある\(g_2 \in G\)に対して。

したがって、\(g_1 g' g = g_2 g'\)、したがって、\(g' g {g'}^{-1} = {g_1}^{-1} g_2 \in G\)。

それが意味するのは、各\(g' \in G'\)に対して、\(g' G {g'}^{-1} \subseteq G\)。

任意のグループ(群)、その任意のサブグループ(部分群)に対して、当該サブグループ(部分群)はノーマルサブグループ(正規部分群)である、もしも、それの、当該グループ(群)の各要素によるコンジュゲート(共役)サブグループ(部分群)がそれの中に包含されている場合、という命題によって、\(G\)はノーマルサブグループ(正規部分群)である。


参考資料


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